LEICA ELMARIT M 24mm ASPH.
焦点距離+3mm、-4mmの違い
ライカ・エルマリート M 24mm F2.8 ASPH.のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 作例はLEICA M6 +KODAK E100VS +NIKON COOLSCAN ED Vを使用
- 撮影場所は、静岡県の大井川鐵道
レビュー
1.概要
エルマリート M 24mm F2.8 ASPH.はライカMマウント・焦点距離24mmの広角単焦点レンズ。
ライカRマウントの焦点距離24mmは、MINOLTAとほぼ同じと言われるエルマリート R 24mmが1974年にリリースされ2000年中旬まで新品が売られていたが、ライカMマウントの焦点距離24mmはこのレンズが初めてであり1996年にリリースされている。
同じ非球面レンズを採用したエルマリート M 21mm ASPH.は兄弟レンズで本レンズの1年後に販売された。両レンズともにすでに販売終了している。
エルマー M 24mmは中古市場で見るかぎりすべてのレンズに6bitコードがついているようだ。ついていない場合もマウント形状が新しいので、ライカサポートにて有償で変更が可能だ、しかし、M9以降のデジタルM型ライカは焦点距離を入力するメニューがあるため、6bitコードの有無はほとんど意味がない。
2.使用感
エルマリート 24mmは写りについてはまったく文句なく、ヘリコイドのグリスが適正であれば、マニュアルフォーカスじのフォーカスリングの動きがなめらかで心地よく、普段使いのスナップ、旅の記録など1本である程度をまかなえるレンズだ。
24mmという焦点距離は、数字の並びのとおり28mmよりは-4mm広く少し余白を持たせられ、21mmよりも+3mm狭いため、広角感が薄らぐという絶妙なポジションのレンズだ。
手当たり次第にレンズを使う筆者のような場合は当てはまらないが、1本のレンズを長く使いたい撮影者の場合、21mm、24mmという選択肢はなかなか難しい。
広角レンズを28mmをメインにした撮影者の場合、次ぎに考える焦点距離としては、24mmは中途半端な存在となり、画角が大きく変わる21mmを選ぶのが妥当だろう。
35mmをメインに使っている撮影者の場合、28mmをスルーして24mmに行くというのは一つの選択肢として考えられる。35mmから21mmを選択すると画角変化が大きすぎるかもしれない。
これは個人の感覚に大きく左右されるので、可能であれば試写をしてから購入するのがベターだ。デジタルカメラは試写のコストもほぼ0なので、気楽に試すことができる。
3.付加情報
ヨーロッパカメラの二大巨頭ライカとツァイスは21mmと28mmの間の焦点距離に24mmと25mmをラインナップしている。24mmと25mmは誤差の世界であり、三脚固定でレンズを変えて撮影したとしてもその違いはわずかだと認識はしているが、それでも明示的に24mm、25mmと記されると、2本の間には大きな違いがありそうな気がするのは、ただのレンズグルメという病人の戯言だろう。
焦点距離 24mm、25mm主なレンズは以下の通りである。
- LEICA SUMMILUX 24mm
- LEICA ELMAR 24mm
- Carl Zeiss BIOGON 25mm
- Voigtlander Snap Shot Skoper 25mm
- Voigtlander COLOR SKOPAR 25mm
また、この広角レンズとして、ちょうどよい広さと言える焦点距離24mmは1990年代後半から、レンズ設計の進化などにあわせて標準ズームレンズのワイド端に採用されるようになった。その前は28mm始まりがワイド端の主流で、その前は35mn始まりであった。古いライカの35mm始まりのズームレンズを使うと、かなり狭く感じてしまうのは、スマホを含め広角レンズに対して、かなり慣れ親しんでいると感じられる。
さらにカメラのズームレンズは広角端の焦点距離を20mm始まりにする動きもあり、市場での売れ行き次第では各社追随するのであろうが、ズームレンズの場合歪みがどうしても気になるため少し画角を広げすぎているの印象はあるが、レンズ補正の進化などで気にならなくなる可能性も十分にある。
このレンズもすでに手元には無く、機会があれば再度使いたいレンズではある。
本レンズの中古市場における人気はそれほど高くはなく、状態によっては低価格の物を見かけることがあるが、2024年現在は他のライカMマウントレンズに吊られるように値上がりしている。
仕様
製造者 | LEICA | LEICA | Carl Zeiss | Voigtlander |
項目 | ELMAR | ELMARIT ASPH. | BIOGON | COLOR SKOPAR |
焦点距離(mm) | 24 | 24 | 25 | 25 |
最大絞り | 3.4 | 2.8 | 2.8 | 4 |
最小絞り | 16 | 16 | 22 | 22 |
絞り羽根 | 8 | 8 | 10 | 10 |
レンズ構成 | 6群8枚 | 7群9枚 | 7群9枚 | 5群7枚 |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 0.7 | 0.5 | 0.5 |
レンズ長(mm) | 40.6 | 46 | 46.6 | 25.4 |
レンズ最大径(mm) | 53 | 58 | 53 | 55 |
フィルター径(mm) | E46 | E55 | 46 | 39 |
フード | 12465 (21mmと共通) | 12592(21mmと共通) フードカバー14041(21mmと共通) | レンズシェード 21/25mm レンズシェード 25/28mm | LH-1 円筒フード |
重量(g) | 260 | 388(シルバー) 290(ブラック) | 260 | 144 |
リリース年 | 2008 | 1996 | 2005 | 2007 |
製造本数 | – | 約7,000- | – | – |
価格(税別) | ¥320,000- | – | ¥110,000- | ¥50,000- |
参考文献・参考リンク
- LEICA WikiによるElmarit M 24mm f/2.8 ASPH.の説明
- ライカのレンズ P48に紹介記事あり(リンク先はアマゾンアフィリエイト)
更新履歴
- 2024.03.21:改稿
- 2023.12.16:初稿
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