ELMARIT R 28mm (1st)
古き良き広角レンズ
LEICA ELMARIT R 28mm F2.8 1型のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA SL typ601
- 写真作例の撮影はLEICA R8 +lomography lady gray BW 400
レビュー
1.概要
1型エルマリートR 28mm F2.8は1970年から1992年までに5万本ほど作られた、ライカRマウント用の広角レンズ。
レンズ構成は、8群8枚で貼り合わせ面がない。絞り羽根は8枚でエルマリートシリーズにしては多い。これは焦点距離28mmのレンズが他になかったため、それなりにコストをかけた作りにしたためと考えられる。
最短撮影距離は0.3mと焦点距離28mmの一眼レフレンズとしては標準的な距離を採用している。
フィルターはフード12509に挿入する場合はシリーズ7を使用し、レンズ前方にねじ込む場合は48mmとなる。
2-CAM,3-CAM,R-Only-CAMが正式リリースでROM端子付きは別カムからの改造品で数が少ない、R-Only-CAMはおそらくリリースされていないと思っていたが、1987年版のエルマリートを手に入れたらR-Only-CAMだった。
2.使用感
1型エルマリート R 28mmは鏡筒形状の変更になった2型エルマリート28mmを入手するまでの短期間だけ使用した。2023年に再購入してLEICA R8にフィルムを詰め込んで使っている。白黒フィルムの撮影結果をみるとフィルムの情緒がよく似合うレンズと感じる。
写りは端正で隅まで不満のない解像度で、周辺光量落ちもほとんど感じない。後期型になるまで20数年売られた実力を実感できる。
コンパクトな筐体に8群8枚のレンズが詰まっており重量感があるレンズだ。
フードがないと、おちょぼ口の鏡筒は少し見えが悪く、12509フードを付けてデザインが完成するレンズだ。プラスチックのフードは比較的安く出回っているので、フードなしを購入してもそれほど追加の出費にはならない。
2023年に1987年製造の1型後期版レンズ(11247)を再購入した。そのときレンズフードを追加で購入したら7,000円ほどであった。
3.付加情報
20年にわたって作られた、1型エルマリート R 28mmは、年代毎に細かな意匠は異なるが、レンズの基本的なところは変わっていない。写りに疑問がある場合はレンズの曇りや劣化の可能性が疑われるためオーバーホールをお勧めする。
2型は1993年に製造開始された比較的新しいレンズだ。
1型は2型の値段に比べると中古価格は低めだが、R3サファリと一緒に売られたオリーブ色はレアなため通常の黒鏡筒よりかなり高価で取引されている。
レンズ全体としては5万本と製造本数が多いため、中古市場では常時数本見かけ、2023年現在いつでも購入できるレンズである。また、NIKON-Fマウントに改造されたレンズを見かけることもある。
型はSL typ601のような解像度の高いカメラに向いている。
先端にねじ込む48mmフィルターはライカ独自のフィルター径で市場の数が少なく、それほど綺麗でない中古品でもけっこうな高額で流通している。レンズフードは12509でエルマリート R 35mm II型と共通である。
仕様
項目 | I型 | II型 |
焦点距離(mm) | 28 | 28 |
最大絞り | 2.8 | 2.8 |
最小絞り | 22 | 22 |
絞り羽根 | 8 | 6 |
レンズ構成 | 8群8枚 | 7群8枚 |
最短撮影距離(m) | 0.3 | 0.3 |
レンズ長(mm) | 40 | 48 |
レンズ最大径(mm) | 63 | 67.5 |
フィルター径(mm) | シリーズ7、48 mm | 55 |
フード | 12509 | 組み込み |
重量(g) | 390 | 435 |
リリース年 | 1970〜 | 1993〜 |
製造本数 | 50,510(1992年まで) | 3,700(2002年まで) |
参考文献・参考リンク
- 参考文献:R型ライカのすべて/著者:中村信一/朝日ソノラマ編 Ads by Amazon
- 参考リンク:Elmarit 28mm F2.8 Leica wiki
更新
- 2024.1.3
- 2024.03.09:改稿
- 2023.11.19:初稿
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