ロングライフ ELMARIT R 28mm 1st

ロングライフ ELMARIT R 28mm 1st
eye catch

ELMARIT R 28mm 1stをフィルムとデジタルカメラで使用したレビューと写真作例

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目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

ELMARIT R 28mm 1stはRマウントレンズの中ではモデルライフの長い長寿なレンズで、1970年から1992年までの22年間に途切れること無く5万本ほど作られた。他のモデルライフが長いレンズは生産した在庫が無くならないためか、ときどき生産休止をしているレンズもみられるため、このレンズは息長く売れ続けたレンズということになる。

このレンズがリリースされた1970年はフィルムカメラLEICA FLEXの時代で、製造終了となる1992年はLEICA R7のリリース年となっているため、ライカ一眼レフカメラとともに歩んだレンズと言える。

レンズ構成は8群8枚ですべてのレンズが独立し貼り合わせ面はなく、絞り羽根は8枚、最短撮影距離は0.3m。

詳細な仕様とLEICA ELMARIT R 28mm-II型の比較は「仕様・考察など」に記載している。

2.使用感

ELMARIT R 28mm 1stの描写は、端正で隅まで不満のない解像度で、周辺光量落ちもほとんど感じない。これは、下に掲載したHASSELBLAD X2D-100Cの作例からも分かり、35mm判で使用するには必要十分な性能がある。

このことは、新しい後期型もしくはII型と呼ばれるレンズに変わるまで、このレンズが20数年売られ続けた実力を示していると言える。

このレンズは2度購入しており、2023年に再購入して、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ、LEICA R8にフィルムを詰め込んだりして使っている。いずれのカメラでも不満の無い描写をするが、白黒フィルムの撮影結果からフィルムの情緒がよく似合うレンズと感じる。

キヤノン製デジタル一眼レフカメラでマウントアダプターを介して使用する場合、35mmフルフレームセンサーのEOS 1Ds Mk-IIIはカメラミラーがレンズの後玉と干渉しエラー20(Err20)が表示され使用できなかった。CANON EOS 7DはAPS-Cサイズセンサーを搭載しカメラミラーが小さいため問題なく使用できる。x1.3のAPS-Hセンサーはほとんどのレンズで問題ないようだが大型のEOS-1Dシリーズしか選択肢がないため現状使用に至っていない。EOS-1D Mark-IVの1600万画素あればかなり遊べそうで、2025年現在かなり値が下がっているので、DMR(Digital Module R)の変わりカメラとして導入を考えるところだ。

ライカRマウントレンズのEOSデジタルで使用した結果をまとめたデータベースがリンク先にある。

35mmフルフレームセンサー以外のセンサーにおける35mm判換算焦点距離は以下のとおりだ。

  • APS-H= 28*1.3 =36mm
  • APS-C(CANON)= 28*1.6 =45mm
  • APS-C= 28*1.5 =42mm
  • APS-C +SPEED BOOSTER = 28*1.5*0.71 =30mm

コンパクトな筐体に8群8枚のレンズが詰まっており重量感があり、レンズにライカ 12509・プラスチックフードを付けて完成するデザインとなっている。フードがない見た目は先がすぼんだおちょぼ口でとなり、あまり格好良くは無い。

ライカ 12509・プラスチックフードは、中古市場でライカフードにしてはそこそこ安く、そして個数も多いためフードなしでレンズ購入してフードを探しててもそれほど大きな出費にはならない。

再購入時はフードが付属していなかったため、中古のレンズフードを探して購入したら7,000円ほどであった。
また、ライカ 12509・プラスチックフードエルマリート R 35mm II型と共通で使用できる。

中判デジタルカメラのHASSELBLAD X2D-100Cで使用したところ、周辺部でケラレがみられるが、35mm判よりは広いイメージサークルを持っており、35mm判では余裕があることがわかる。周辺部を落としても不自然で無い場面ではシーンによってはトリミングしなくても十分に使える。

下写真はHASSELBLAD X2D-100Cで撮影した結果で、撮影はセンサーシャッター(電子シャッター)を使用している。

夕暮れ・Twilight sky猫・Cat

3.まとめ

結論としてELMARIT R 28mm 1stをまとめると、フィルム時代の広角レンズで歪みも少なく、絞ればそれなりに解像するため、通常に使用には不満が無い。
デジタルカメラで撮影すると解像感や平坦性は現代レンズと比べると劣るが、それを描写の味として楽しむならアリのレンズだ。

20年にわたって作られた、1型エルマリート R 28mmは、年代毎に細かな意匠は異なるが、レンズの基本的なところは変わっていない。写りに疑問がある場合はレンズの曇りや劣化の可能性が疑われるためオーバーホールをお勧めする。

仕様・考察など

ELMARIT R 28mm 1stの絞り羽根は8枚あり、標準のエルマリートシリーズが絞り羽根6枚を採用しているのと比べると、少し贅沢な絞り羽根を採用している。これはライカRマウントレンズにおいて焦点距離28mmにより上位のズミクロン、ズミルックスが企画されなかったためと考えられる。
ライカRマウントの焦点距離28mmのレンズは、エルマリート 28mm以外では、特殊な「パースペクティブ・コントロール」機能を備えたPC-Super-Angulon 28mmだけだ。

フィルターはライカ 12509・プラスチックフードに挿入する場合、ネジの無いドロップインのシリーズ7フィルターを使用でき、それ以外に48mm径のフィルターをレンズ前方にねじ込むことができる。先端にねじ込む48mmフィルターはライカ独自のフィルター径で市場の数が少なく、それほど綺麗でない中古品でも高価格で流通している。

ライカRマウント特有のレンズCAMは、このレンズについて1-CAM、2-CAM、3-CAM、R-Only-CAMが正式にリリースされていることを確認している。

自身が知るかぎり正式なROM端子付きレンズはリリースされていないはずだが、R-Only-CAMについて以前はリリースされていないと思っていたが、1987年版のエルマリートを手に入れたらR-Only-CAMだったということがあるため、ROM端子付きも正式版についてもリリースされているかもしれない。なんにせよ、ELMARIT R 28mm 1stのROM端子付きレンズは数が少なく、中古市場に出るときはROM無しレンズとくらべて価格が高価になる。

通常の黒色レンズは総製造本数5万本と数が多いため、中古市場では常時数本見かけ、2020年代においても比較的いつでも購入できるレンズである。また、NIKON-Fマウントに改造されたレンズを見かけることもある。特別バージョンであるLEICA R3 サファリと一緒に売られたオリーブ色は生産数が少なくレアなため通常の黒鏡筒よりかなり高価で取引されている。

デジタルカメラのLEICA SL、TL、CLなどLマウントカメラでLEICA Rマウントレンズで使う場合、サードパーティー製の安価なマウントアダプターも使えるが、ROM付きのレンズであればLEICA純正の「LEICA L用Rレンズアダプター 16076」を使用すると、撮影画像のEXIFにレンズ名などの情報を記録することができる。

ライカ設計で新型カメラとなるLEICA R8、R9リリース時期にELMARIT R 28mm 2ndがリリースされており、これはレンズのデジタル対応を見据えてモデルチェンジがおこなわれたことが推測される。このレンズは、LEICA SL typ601のような解像度の高いカメラでも十分に使用できる。

Before imageAfter image
項目ELMARIT I型ELMARIT II型
焦点距離(mm)2828
最大絞り2.82.8
最小絞り2222
絞り羽根86
レンズ構成8群8枚7群8枚
最短撮影距離(m)0.30.3
レンズ長(mm)4048
レンズ最大径(mm)6367.5
フィルター径(mm)シリーズ7、48 mm55
重量(g)390435
フード12509組み込み
マウントライカRライカR
製造本数50,510(1992年まで)3,700(2002年まで)
リリース年1970〜1993〜

参考情報

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更新

  • 2025.9.19
  • 2025.7.1
  • 2025.1.3
  • 2024.03.09:改稿
  • 2023.11.19:初稿

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