ELMARIT R 35mm (1st)
ライカ製Rマウントの広角レンズ、初代エルマリート 35mmのレビューと写真作例
目次
<ギャラリー / SONY A7SII>
<レビュー>
初代エルマリートR 35mmはRマウント・焦点距離35mmの広角レンズ。
エルマリートR 35mmはRマウント35mmシリーズの中では一部マニアには人気だが、一般的にはズミクロン、ズミルックスの影に隠れた存在だ。鏡筒を変化させながら三代に渡ってリリースされている。
焦点距離35mm 開放絞り値F2.8のスペックは、ズームレンズでは大口径だが、単焦点としては明るくなく凡庸なスペックとみなされるためか市場人気は高くなく中古価格も安い。これは初代エルマリート R 35mmは、エルマリートの中でも古いことと製造本数が多いことも影響していると考える。
SONYのフルサイズセンサーカメラ、α7SIIで使用したかぎり、画質に大きな破綻は無く、半世紀前のレンズとしてよくできていると感じる。
フィルターはフードにはめ込むシリーズ6を使用することは知っていたが、手持ちのフィルターコレクションにシリーズ6がなかったので、レンズ前面に切ってあるネジを見て、何mmか合うねじ込みフィルターはあるかと、手元にあった43mm、46mm、48mmと試したが、いずれも嵌まらずどういう径なんだと調べたら43.5mmフィルターがねじ込めることがわかった。
43.5mmフィルターはMARUMI、KENKOが製品をリリースして2023年現在も普通に買うことができる。
同じくシリーズ6フィルターを使用する、初代ズミクロン-R 50mmもこれと同じ仕様である。
この初代エルマリート35mmはズミクロン50mmとよく似ているがフォーカスリングなどの幅が異なるので完全には共用ではないが、フードを含めさまざまな部品を共用しているようだ。ライカは同じ時期に製造する鏡筒をコストダウンのために、いくつかのレンズで共用することをよくるが、それのはしりのように感じられるレンズだ。
2020年台のSLレンズでは、非球面レンズ採用の21mm〜90mmの6本のレンズを同じ大きさの鏡筒でリリースしたため、35mmと50mmはあきらかに過剰な大きさになってしまった。
その反省からか、35mmと50mmは非球面レンズの採用をやめたコンパクトなレンズをリリースしているが、それも専用設計ではなく35mmと50mmで鏡筒を共有している。たくましいほどコストダウンの意識は徹底しているようだ。
<仕様>
レンズ名 | ELMARIT-R 35-I | ELMARIT-R 35-II | ELMARIT-R 35-III |
焦点距離(mm) | 35 | ← | ← |
最大絞り | 2.8 | ← | ← |
最小絞り | 22 | ← | ← |
絞り羽根枚数 | 6 | ← | ← |
レンズ構成 | 6群7枚 | 5群7枚 | 6群7枚 |
最短撮影距離(m) | 0.3 | ← | ← |
レンズ長(mm) | 40 | 41.6 | |
レンズ最大径(mm) | 63 | 66 | |
フィルター径(mm) | 43.5 シリーズ6 | 48 シリーズ7 | 55 |
重量(g) | 310 | 410 | 305 |
レンズフード | 12564 円筒・鉄爪・逆付け可能 SUMMICRON-R 50mmと共用 レンズキャップは14163 | 12509 角形・ピン固定 ELMARIT-R 28mmと共用 | 組み込み |
製造本数*1 | 31,950(1971まで) | 8,250(1977まで) | 15,000(1992まで) |
リリース年 | 1963 | 1972- | 1978- |
<参考文献・リンク>
<更新>
- 2023.11.23:初稿
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