エルノスター標準レンズ ELNOMAXIM 55mm

MS-Optics ELNOMAXIM 55mm F1.2のレビューと写真作例

ギャラリー

MS ELNOMAXIM 55mm F1.2は、Ms-optics（宮崎光学）のリリースした大口径標準レンズでレンズ形式にエルノスター型を採用する。

レンズの特徴として、中央の解像度は非常に高いが周辺部分は絞りを閉じてもほとんど改善しない。
焦点距離が55mmとなったのは、エルノスター形式で大口径の標準レンズを作りたかったとのことで、周辺部が悪くなりやすいエルノスター形式におけるネガティブを減らすための妥協点として55mmを採用したとのことだ。

レンズの説明書に記されているとおり、中心部がとても良いポートレイト向けのレンズである。カラーバリエーションとして、ブラック、シルバー、ゴールドが確認されている。

本レンズは歴史シリーズの一本になると思われるが説明書にその記載はない。

MS ELNOMAXIM 55mm F1.2は、レンズをコンパクトにするために前玉と鏡筒にはほとんど厚みが無い造りになっている。すこし大げさな表現だが正面から見ると前玉がそのまま鏡筒に張り付いているように見る。

写りは4群4枚のシンプルなレンズ構成から得られる抜けの良さと周辺部のにじみが合わる独特の描写をする。

イメージサークルは広く、中判デジタルセンサー（44x33mm）をカバーしている。しかし、周辺部の画質低下のため中央部に主題がきている場面以外は実用に耐えない。

所有している個体は、絞りリングに適度な粘りがあり、Ms-opticsのいくつかのレンズで問題になる、意図しないときにフォーカスリングが動くという難儀に遭遇しない。

結論としてMS ELNOMAXIM 55mm F1.2をまとめると、広いイメージサークルで周辺減光は亡いけれど、周辺部の崩れがみられるため、記録的な撮影には向かない。明るさを生かしたポートレート向けのレンズである。

MS ELNOMAXIM 55mm F1.2は、レンズ型式と焦点距離は異なるがKONICA HEXANON 50mm F1.2と比べて、最大径が14mm細く、全長が9mm短いことが分かる。