LEICA Fisheye Elmarit R 16mm
ライカR用魚眼レンズ、Fisheye Elmarit 16mm F2.8のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- LEICA SL Typ601(ミラーレス・デジタルカメラ)
- HASSELBLAD X2D
レビュー
フィッシュアイエルマリート 16mmは1974年にリリースされたライカ Rマウントの魚眼レンズ。
生産が終了する1979年までの五年間で約3千本が製造された。
製造は日本のミノルタで、光学系はミノルタのMC Fisheye Rokkor 16mm f2.8と同一だと言われている。
本レンズは、SUPER ELMAR 15mm、SUPER ELMART 15mm、ELMARIT 19mm(2型)同様に4色のフィルターを内蔵している。こちらはデジタル時代にはほぼ無用の長物となっている。
フードは花形で鏡筒前方に少しだけせり出しており、35mm判で撮影するときには余分な光線をカットできる。後述する中判デジタルセンサーではこのフードの影が確認できるので、35mm判では機能しているように思われる。逆光で太陽を入れてもそれほど怪しげなゴーストは出ないので逆光耐性は優秀だ。
あえて歪みを残した魚眼レンズは、それほど使用頻度が高いレンズでもなく、撮影の息抜きで少し使うようなゆるい要素が強いと思うが、0.3mの最短撮影距離を生かした近接撮影は面白い。
ギャラリーにあるように、スナップ的に都市部で建築と満開の桜を同時に納めるなどの使い方をしている。
レンズ価格はロシア製魚眼レンズだと2万円程度から売られているため、ライカのブランド代を含めるにしても高価なことは否めない。
こちらの個体はROM端子付きの改造レンズでライカ社はフィルムカメラのライカ R8 / R9がリリースされた際に従来カムのレンズに対して有償でROM端子を付加する改造をしていた。
魚眼レンズでROM端子付きというのは、かなり珍しくebayなどでもなかなか見かけない。
ROM端子付きレンズは、ライカ R8 / R9で現在の焦点距離や使用しているレンズ情報をカメラ側から認識できる。ライカ R8 / R9用のDigital Module R(DMR)はEXIFに撮影情報とレンズ情報を記録することができる。また、ミラーレスデジタルカメラになったLeica SL / SL2 / SL2-S / CLは、純正の「16076 [ライカ SL用 Rレンズアダプター]」を使用してカメラにROM端子付きRマウントレンズを取り付けると、レンズ名称、絞り値などをカメラに伝達し、その情報は撮影結果のEXIFに記録されるので、ROMレンズの救済とRカム以前のレンズを使う場合に比べると撮影結果の整理がしやすい。
同じLマウントのLEICA Tは16076純正アダプターを経由してライカR ROMレンズを装着しても、レンズ情報にアクセスすることができない。TL / TL2はテストしていないので不明である。
センサーサイズ44mm*33mmHASSELBLAD X2D *1に装着したところ、以下写真のようになり、円周魚眼に近くなるが横と縦の端にフードの影が映っているのが惜しい。一部使えない部分はあるが35mmフルサイズセンサーより広範囲に使用できる。正方形でクロップした場合、32mm x32mm程度は実用に耐える。
*1:FUJIFILM GFX、X1D、X1D2、907Xは同じセンサーサイズ
仕様
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 16 | |
最大絞り | 2.8 | |
最小絞り | 16 | |
レンズ構成 | 8群 11枚 | |
最短撮影距離(m) | 0.3 | |
レンズ長(mm) | 60 | |
レンズ最大径(mm) | 71 | |
フィルター径(mm) | ー | レンズ前部に固定フードがあるためフィルターは装着できない。 4種類のカラーフィルターをレンズに内蔵している。 |
重量(g) | 470 | |
リリース年 | 1974(*2) | |
製造本数 | 2950(*2) |
参考文献・参考リンク
- R型ライカのすべて/著者:中村信一/朝日ソノラマ編(Amazonアフィリエイトリンク)
- FISHEYE ELMARIT-R 16mm F2.8 Leica wiki
更新履歴
- 2024.2.13:改稿
- 2022.12.07:初稿
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