HASSELBLAD HC Macro 120mm F4

XH-Converter 0.8が使えない旧型マクロレンズ
ハッセルブラッド HC Macro 120mm F4(FUJINONラベル)のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影は
- HASSELBLAD X2D
- HASSELBLAD X1D-II
- HASSELBLAD X1D-II +HC-x1.7 Converter
レビュー


1.概要
HASSELBLAD HC Macro 120mm F4は、ハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の焦点距離120mmのマクロレンズで、I型と改良されたII型が存在する。ここでは改良前のI型について紹介する。
II型についてはリンク先に記した。
HC 120mm Macro所有時に使用していたカメラ、HASSELBLAD X1Dで使用すると、レンズのオートフォーカスが動作しないことをあらかじめ知っていたので、HC 120mm MacroはFUJINONラベルのレンズを安価で購入した。
中判カメラHxDで使用する場合、フィルムはセンサーサイズ 40.2×53.7mmまでカバーし、そのとき焦点距離は約82.5mmになる。
X1D/X1DII(907X)では、X H Lens Adapterを経由してマニュアルフォーカスで本レンズを使用できる。XH-Adapterを使用した場合、焦点距離96mm
しかし、ここに別の誤算があり、HC 120mmはファームウェアが17以前のレンズはマウントアダプター XH CONVERTER 0.8を使用して、HASSELBLAD XカメラのX2D、X1D、X1DII、907Xに接続するとレンズを認識しないため撮影をおこなうことができないのだ。対応表は以下のようになる。
XH-adapter +HASSELBLAD Xカメラ | XH-Converter x0.8 +HASSELBLAD Xカメラ | |
HC 120mm I型 ファームウェア17以前 | ○:撮影可 | ×:撮影不可 |
HC 120mm I型 ファームウェア19.1 | ○:撮影可 | ○:撮影可 |
HC 120mm II型 ファームウェア17以前 | ○:撮影可 | ×:撮影不可 |
HC 120mm II型 ファームウェア19.1 | ○:撮影可 | ○:撮影可 |
マニュアルフォーカスで撮影するため、安いレンズでもよいと思っていたので大きな誤算であった。
HC Macro 120mm F4はテレコンバーター(CONVERTER H1,7X)に対応している。
X H Lens Adapter*にH1,7Xを挟んで本レンズを取り付けると、最短撮影距離0.39mそのままで、6.3/202mmの望遠マクロになる。コンバータのページで紹介しているが、少しレンズは暗くなるが少ない画像劣化でより拡大した撮影ができる。
繰出し量を稼ぐ必要のあるマクロレンズなので、レンズ本体は大きく重量は重い。本レンズと4.5-5.6/35-90ズームはほぼ同じ重量である。
2.使用感
HASSELBLAD HC Macro 120mm F4はHC/HCDレンズとしては7本目に入手した。入手したレンズをX1Dに装着してレンズ情報を確認すると、ファームウェアは13.0.0でシャッター回数は約4000回だった。
操作性は、幅広のフォーカスリングでマニュアルフォーカスはしやすい。とレンズ先端が狭まったおちょぼ口が外観の特徴となっているレンズだ。
また、本I型レンズは現像するときには表れないが、EVFで拡大した際には、葉っぱや陶器等の被写体でパープルフリンジが見えることがある。
X1D/X1DII/907XとX H Lens AdapterでHC Macro 120mmを使用する場合、フジノンブランド、ハッセルブラッドブランドにレンズとしての機能の差は無く、故障時の修理対応の可否をどう考えるかであり、MFマクロレンズとして使用するならば、より低価格で購入できるFUJINONブランドを選ぶことも悪くない選択だろう。
3.まとめ
結論としてHASSELBLAD HC Macro 120mm F4をまとめると、巨大で重い等倍マクロレンズ。
持ち出すのはそれなりの気合いがいるけれど、写りは間違いないので、接写をする際は持ち出すレンズだ。
ただし、I型は絞り開放だと少し乱れが気になることがあるため、F8程度に絞って使うのが良い。
○アクセサリー互換性
- Converter H 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できる。
- Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる。
- HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できない。
- イメージサークルは645判フィルムサイズをカバーする。
○AF対応について(HC120)
HC Macro 120mmレンズは、旧ファームウェアといわれる17.0以前、拡張ファームウェアといわれる19.1を搭載したレンズのどちらも、HASSELBLAD Xシリーズカメラ、X1D、X1DII、X2D、X907でオートフォーカスは動作しない。
HASSELBLAD HシリーズカメラとLEICA Sシリーズはオートフォーカスの動作が可能。
○FUJINONレンズについて
HC 120mm Macroはフジフィルムブランド・SUPER EBC FUJINONのものがあり、HASSELBLAD HシリーズとXシリーズカメラで使用できるが、最高シャッタースピードが1/800のレンズしかなく、最新の最高シャッタースピード1/2000と比べると表現の幅が狭まる。
フジフィルムブランドのHCレンズは、ハッセルブラッドの修理サポート対象外であり、フジフィルムによる修理対応も終了しているため故障時はどうすることもできない。
フジフィルムブランドのHCレンズは格安で売られているが購入時はそのことを意識する必要がある。ハッセルブラッドブランドのHCレンズであれば、古いレンズでもハッセルブラッドにて有償だが修理対応してもらえる。
HCレンズは富士フイルム製造なので、X1D、X1DII、907X、X2Dと同じセンサーサイズの富士フイルムGFXシリーズもマウントアダプター(H MOUNT ADAPTER G)を用意している。こちらはMF(マニュアルフォーカス)専用となるが、カメラ側のメカシャッターだけでなく、レンズの搭載しているレンズシャッターも使用できる。
仕様・比較
HC120mmのI型とII型の違いだが、基本的なレンズ構成は同じで、レンズ配置、レンズ厚さなどが異なっているようにハッセルブラッド配布のPDFから確認できる。また、レンズ性能指標の一つであるMTF曲線も異なる。MTF曲線図からはII型は絞り開放時など全般的に性能が向上しているように見える。海外のレビューサイトでは絞り開放時の描写はII型が優れているが、F8程度まで絞ると差は感じないとの記述されていた。

項目 | I型 | II型 |
焦点距離(mm) | 118.7 | 118.7 |
最大絞り | 4 | 4 |
最小絞り | 45 | 45 |
レンズ構成 | 9群9枚 | 9群9枚 |
最短撮影距離(m) | 0.39 | 0.39 |
レンズ長(mm) | 166 | 166 |
レンズ最大径(mm) | 96 | 96 |
フィルター径(mm) | 67 | 67 |
重量(g) | 1410 | 1410 |
参考情報
- HASSELBLAD HC MACRO 120mm 公式紹介ページ
- HASSELBLAD Hシリーズ用エクステンションチューブ公式紹介ページ
- ハッセルブラッドレンズ製造年確認サイト
- HASSELBLAD HC 120mm Macro II・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.6.4
- 2024.04.21:記載修正
- 2022.02.26:最初の投稿
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