Hシリーズ中望遠レンズ HASSELBLAD HC150mm

Hシリーズ中望遠レンズ HASSELBLAD HC150mm

HASSELBLAD HC 150mm F3.2をハッセルブラッド Xシリーズカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のとおり。

  • HASSELBLAD X2D-100C +XH-adapter
  • HASSELBLAD X2D-100C +XH-Converter0.8
  • HASSELBLAD X1D-50C +XH-Converter0.8
  • HASSELBLAD X1D-50C +XH-adapter
  • HASSELBLAD X1D-50C +XH-adapter +Extender13mm
  • HASSELBLAD X1D-50C +XH-adapter +Extender26mm

レビュー

  1. 概要
  2. 使用感
  3. まとめ
Before imageAfter image

1.概要

HASSELBLAD HC 150mm F3.2は、ハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の焦点距離150mmのレンズで、HCシリーズなので、中判カメラHxDで使用する場合、センサーサイズ 40.2×53.7mmまでカバーし、そのとき焦点距離は約101mmになる。

HASSELBLAD Xシリーズカメラ、X1D、X1DII、907X、X2Dでは、XH AdapterXH CONVERTER 0.8のどちらかを経由して使用する。CONVERTER H x1.7テレコンバーターを併用することも可能で、3種類のEXTENSION TUBES H(13mm/26mm/52mm)を使用した近接撮影も可能である。作例に13mmと26mmで撮影結果を載せている。

使用するマウントアダプターによって35mm判換算の焦点距離は異なり以下のとおりとなる。

  • X H Lens Adapterを使用した場合、焦点距離120mm。
  • XH CONVERTER 0.8を使用した場合、焦点距離96.8mm

また、HASSELBLAD X2Dを含むXシリーズでは、x1.7テレコンを使用することができ、X H Lens Adapterを介してx1.7テレコンを使用した場合、焦点距離204mm、最大絞りF5の望遠レンズとして使用できる。
3種類のEXTENSION TUBES H(13mm/26mm/52mm)を使用した近接撮影も可能である。ギャラリーに26mmの延長チューブH26を使用した作例を追加した。

本レンズはオレンジドットのついた新型には、HC 150mm/3.2Nと旧型と異なるネーミングになっている。古いカタログの旧型レンズ構成図と新しいカタログの新型レンズ構成図を比べたが両者の違いはわからなかった。コーティングなどが違っているのかもしれないが詳細は確認できていない。

○アクセサリー互換性のまとめ

2.使用感

HASSELBLAD HC 150mm F3.2は、HC/HCDレンズとしては2本目に購入したレンズで、カメラに装着してレンズ情報を確認すると、ファームウェアは10.0.0でシャッター回数は約7000回。1万回には届いていないのでシャッター数には余裕がある。レンズ単体重量が1kgと重く、コンバータとカメラを足すと2kg近くになるため手持ちで長時間使うのは少々つらい。

シリアルナンバーからハッセルブラッド Xシリーズではオートフォーカスが使えないことはわかって購入した。それは、このレンズの使用頻度から考えて、オートフォーカスが使える高価なオレンジドットを買うまでは決断できなかったためである。

もちろん、旧型のレンズでも、ハッセルブラッド Hシリーズ、ライカ Sシリーズではオートフォーカスの使用が可能である。

150mmレンズは一般的なファインダーではピント確認が難しい場合があるが、X1D、X1DII、X2DのEVFは精細な表示で部分拡大機能に助けられマニュアルフォーカスで問題なく使用している。

3.まとめ

結論としてHASSELBLAD HC 150mm F3.2をまとめると、大口径の望遠レンズ。HASSELBLAD Xシリーズカメラでは2種類のアダプターにより、120mmと96mmの焦点距離となる。

しかし、所有しているレンズが古いためHASSELBLAD Xシリーズカメラではオートフォーカスが使用できないため使用頻度が低い。このレンズはもっぱら、LEICA Sシリーズで使用している。こちらでは古いHレンズでもカメラがレンズを認識すればオートフォーカスが使えるためである。

○オートフォーカス対応について

HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(XH AdapterXH CONVERTER 0.8)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカスを動作させるには、レンズファームウェア19.1.0が必要である。レンズファームウェア19.1.0を適用するためには条件があり、ファームウェア18.0.0以降のレンズが必要である。古いファームウェアの17.0.0以前のレンズはファームウェア19.1.0を適用することができない。

Xシリーズカメラにおける、オートフォーカス対応状況をまとめると以下の通りである。

  1. オレンジドット レンズ
    • レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり、ファームウェア19.1.0に更新することによりオートフォーカスが動作する。
    • HC120、HC120-IIはハッセルブラッド社の制限により、ファームウェア 19.1.0でもAFは動作しない。
  2. 非オレンジドット レンズ
    • AF可能なレンズ
      • レンズファームウェア18.0.0以降の場合、ファームウェア19.1.0に更新してAFが動作する。
      • 非オレンジドットレンズは、シリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズの一部レンズがレンズファームウェア18.0.0以降となっている。
    • AF不可能なレンズ
      • レンズファームウェア17.0.0以前のレンズ
      • シリアルナンバーがSから始まるレンズ(2000年~2009年に製造)
      • フジノンブランドのレンズ

上述にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。

ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。

○FUJINONレンズについて

HCレンズはフジフィルムブランド・SUPER EBC FUJINONのものがあり、両レンズ共にHASSELBLAD HCカメラで使用できる。FUJINONブランドのレンズは最高シャッタースピードが1/800が最高速度なので最新の最高シャッタースピード1/2000と比べると表現の幅が狭まる。

また、レンズファームウェアが古いため、XCDマウントカメラ・X1D、X1DII、907X、X2Dにおいてオートフォーカスを利用するために必要なHCレンズ・ファームウェア19.1.0を適用することができない。
そのため2種類のマウントアダプター、X H Lens Adapter、XH CONVERTER 0.8を経由してXCDマウントカメラに装着してもオートフォーカスは使用できない。

フジフィルムブランドのHCレンズは、ハッセルブラッドの修理サポート対象外で、フジフィルムによる修理対応も終わっているため故障時はどうすることもできない。フジフィルムブランドのHレンズは格安で売られているが購入時はそのことを意識する必要がある。ハッセルブラッドブランドのHCレンズであれば、古いレンズでもハッセルブラッドにて、有償だが修理対応してもらえる。

HCレンズは富士フイルム製造なので、X1D、X1DII、907X、X2Dと同じセンサーサイズの富士フイルムGFXシリーズもマウントアダプター(H MOUNT ADAPTER G)を用意している。
このアダプターはフォーカスはマニュアルフォーカスのみで、シャッターはレンズシャッターとカメラ側のメカシャッターを使用できる。

仕様・比較

Before imageAfter image
項目HC 150CONTAX 645 SONNAR140mm
焦点距離(mm)150140
最大絞り3.22.8
最小絞り3232
絞り羽根9
レンズ構成8群9枚5群7枚
最短撮影距離(m)1.31.3
レンズ長(mm)12498
レンズ最大径(mm)8681
フィルター径(mm)7772
重量(g)970688
リリース年1999
HC 150mmN レンズ仕様書(英語)

参考情報

更新履歴

  • 2025.6.14
  • 2024.9.18
  • 2024.04.21:記載修正
  • 2022.02.15:最初の投稿

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