HASSELBLAD HC 150mm F3.2
HASSELBLAD HC 150mm F3.2のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はX2D
- 写真作例の撮影はX1D
レビュー
HC 150mm F3.2は、ハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の焦点距離150mmのレンズで、HCシリーズなので、中判カメラHxDで使用する場合、センサーサイズ 40.2×53.7mmまでカバーし、そのとき焦点距離は約101mmになる。
X1D/X1DII(907X)では、X H Lens Adapter*かXH CONVERTER 0.8*を経由して本レンズを使用できる。
- X H Lens Adapter*を使用した場合、焦点距離120mm。
- XH CONVERTER 0.8*を使用した場合、焦点距離96.8mm
- *リンク先はrakutenのMapcamera
HC/HCDレンズとしては2本目に購入したレンズで、カメラに装着してレンズ情報を確認すると、ファームウェアは10.0.0でシャッター回数は約7000回。1万回には届いていないのでまだまだシャッター数には余裕があると思う。
シリアルナンバーからX H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*でオートフォーカス(以下、AF)が使用できないことはわかっていたが、このレンズの使用頻度から考えて、AFが使える高価なオレンジドットを買うまでは決断できずに安い旧型レンズを購入した。150mmレンズは一般的なファインダーではピント確認が難しい場合があるが、X1D、X1DII、X2DのEVFは精細な表示で部分拡大機能に助けられマニュアルフォーカスで問題なく使用している。
通常はX H Lens Adapter*を使用して120mmレンズとして使用している。
レンズ単体重量が1kgなので、コンバータとカメラを足すと1.5kgを超えるため手持ちで長時間使うのはつらい。
X1D、X1DII、907X、X2Dにおいて、x1.7テレコンを使用することができ、X H Lens Adapter*を介してx1.7テレコンを使用した場合、焦点距離204mm、最大絞りF5の望遠レンズとして使用できる。
3種類のEXTENSION TUBES H(13mm/26mm/52mm)を使用した近接撮影も可能である。ギャラリーに26mmの延長チューブH26を使用した作例を追加した。
本レンズはオレンジドットのついた新型には、HC 150mm/3.2Nと旧型と異なるネーミングになっている。古いカタログの旧型レンズ構成図と新しいカタログの新型レンズ構成図を比べたところ、そこからは両者の違いはわからなかった。コーティングなどが違っているのかもしれないが詳細は確認できていない。
仕様
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 150.2 | |
最大絞り | 3.2 | |
最小絞り | 45 | |
レンズ構成 | 8群9枚 | |
最短撮影距離(m) | 1.3 | |
レンズ長(mm) | 124 | |
レンズ最大径(mm) | 86 | |
フィルター径(mm) | 77 | |
重量(g) | 970 |
アクセサリー互換性
- Converter H 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できる。
- Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる。
- HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できない。
- イメージサークルは中判フィルムサイズまでカバーする。
AF対応について
HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカス(以下、AF)を駆動させるためには、レンズファームウェア領域が拡張された18.0.0以降のレンズが必要である。17.0.0以前のレンズに18.0.0以降のファーウウェアを適用しても書き込み領域が足りないため変更できない。
レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり100%AFに対応している。
しかし、オレンジドットのないレンズでも、AF対応可能なものはあり、レンズシリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズについてはファームウェア領域が拡張されているレンズが多くAFに対応できる可能性が高い。
シリアルナンバーがSから始まるレンズは2000年代に製造されたレンズで、オレンジドットのないファームウェア17.0.0以前のレンズとなる。
上記にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。
ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。
FUJINONレンズについて
HCレンズはフジフィルムブランド・SUPER EBC FUJINONのものがあり、HASSELBLAD HCカメラで使用できるが、最高シャッタースピードが1/800のレンズしかなく、最新の最高シャッタースピード1/2000と比べると表現の幅が狭まる。また、レンズファームウェアが古いため、XCDマウントカメラ・X1D、X1DII、907X、X2Dにおいてオートフォーカス(以下、AF)を利用するために必要なHCレンズ・ファームウェア19.1.0を適用することができない。
そのため2種類のマウントアダプター、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*を経由してXCDマウントカメラに装着してもAFは使用できない。
*リンク先はrakutenのMapcamera
フジフィルムブランドのHCレンズは、ハッセルブラッドの修理サポート対象外で、フジフィルムによる修理対応も終わっているため故障時はどうすることもできない。フジフィルムブランドのHレンズは格安で売られているが購入時はそのことを意識する必要がある。
ハッセルブラッドブランドのHCレンズであれば、古いレンズでもハッセルブラッドにて、有償だが修理対応してもらえる。
HCレンズは富士フイルム製造なので、X1D、X1DII、907X、X2Dと同じセンサーサイズの富士フイルムGFXシリーズもマウントアダプター(H MOUNT ADAPTER G)を用意している。こちらはMF(マニュアルフォーカス)専用となるが、カメラ側のメカシャッターだけでなく、レンズシャッターも使用できる。
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.04.21:記載修正
- 2022.02.15:最初の投稿
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