HASSELBLAD HC 300mm F4.5

ハッセルブラッド HC 300mm F4.5のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

ハッセルブラッド HC 300mm F4.5は、ハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の焦点距離300mmのレンズ。
HCシリーズなので、中判カメラHxDで使用する場合、センサーサイズ 40.2×53.7mmまでカバーし、そのときセンサー倍率をかけた焦点距離は約197mmとなる。

X1D、X1DII、907X、X2Dは、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*のどちらかを経由して使用する。CONVERTER H x1.7テレコンバーター(以下、H x1.7)を併用することも可能である。

  • X H Lens Adapter*を使用した場合、焦点距離240mm F4.5
  • XH CONVERTER 0.8*を使用した場合、焦点距離192mm F3.5
  • X H Lens Adapter*とH x1.7を使用した場合、焦点距離408mm F7.1
    • 焦点距離は44x33mmセンサー使用時の換算焦点距離
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中判カメラで使用できるAF対応の望遠レンズは、本レンズとCONTAX 645用のTele-Apotessar T*350mm F4がある。レンズスペックの違いは仕様の表をご覧いただくとして、Tele-Apotessar T*350mm F4は購入して使用したことはないが、カメラ屋で実際にカメラ(LEICA S Typ007)につけて試させて貰ったところ、わかりきったことであるがレンズが重い。テレコンを装着すると4kgをこえるためより重さを実感する。カメラシステム全体で1kg程度の差だがHC 300mmのほうが、手持ちで撮影するにはすこしマシだと感じた。

HC300mmは2度購入して、最初の購入はFUJINONブランドのレンズをそれなりの価格で購入した。オレンジドットがないモデルなので、シャッター速度は1/800に制限され、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*でオートフォーカス(以下、AF)が使用できなかった。
MFフィールは良好で、EVFのピント拡大機能を使い問題なく狙った位置での撮影ができた。
X H Lens Adapter*を使用した場合、逆光下でも特に問題は無く、Phocusを介して出力される画像は周辺部まで乱れなく結像しており、周辺減光も見られないので、44×33センサーで使用するのに十分な性能があることがわかった。
レンズ単体重量が2kgでコンバータ(175g か 430g)とカメラ(766g)を足すと約3kgとなり、手持ちで気軽に持ち運びたくはなくなる。そこにx1.7テレコンを付けると+500gで3.5kgとさらに重量がかさむ。
古いHC300mmは、レンズとボディの通信不良が頻発したので、残念ながらレンズは返品となり、2週間程度の使用で終わってしまった。

二度目の購入は、馴染みのカメラ屋にほぼ未使用のオレンジドットが並んでおり、価格的にも非常に魅力的だったので購入を決断した。
オレンジドットと呼ばれる、レンズファームウェア19.1.0のHC300は、X1DIIにH x1.7テレコンバーターを装着しAFを使用できた。AFの合焦速度は昔のコンパクトデジタルカメラのようにのんびりとした合焦速度だ。
AFが改良されたX2DでAFの合焦速度を確認したところ、X1DIIとそれほどかわらない印象だ。月を撮影する際の合焦にそれなりの時間がかかるため、白樺峠の空を渡りで飛んでいく鷹をAFで撮影するのは難しいと感じている。2023年は峠を訪問できなかったが2024年はどうだろうか?

X2Dでは、2023.12.1のファームウェア v3.1.0でテレコン併用時のAFに対応した。しかしX2Dのボディ内手ぶれ補正・IBIS(In body Image Stabilizer)は、HC300+ HC1.7テレコン併用時にIBISが機能しない。ハッセルブラッドには改善を注文し続けているので、次のファームウェアで改善されることを願っている。

仕様

項目HC300Tele-Apotessar T*350mm F4
対応カメラハッセルブラッド HCONTAX 645
焦点距離(mm)292.0349.4
最大絞り4.54
最小絞り4545
レンズ構成7群9枚8群9枚
最短撮影距離(m)2.451.9
レンズ長(mm)198273
レンズ最大径(mm)
三脚座を除く
100114
フィルター径(mm)9595
重量(g)21203610
オプション・テレコンバーターx1.7x1.4
テレコン装着時スペック
焦点距離 / F値 / 重量(g)
510 / F7.1 / 2585490 / F5.6 / 4120
定価(円・税別)738,815
HC 300mm レンズ仕様書(英語)

アクセサリー互換性

  • Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる。
  • イメージサークルは中判フィルムサイズまでカバーする。
  • Converter H 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できる。
  • X H Lens Adapter*とXH CONVERTER 0.8*は使用できる。
  • X2Dファームウェア3.1.0(2023.12.1リリース)はXH CONVERTER 0.8*との組み合わせでIBISが機能する。
  • X2Dファームウェア3.1.0(2023.12.1リリース)はX H Lens Adapter*との組み合わせでIBISが機能する。

  • HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できない。
  • X2Dファームウェア3.1.0(2023.12.1リリース)は、X H Lens Adapter*とXH CONVERTER 0.8*のどちらのアダプターを使用しても、Converter H 1.7x(x1.7 テレコンバーター)との組み合わせでIBISが機能しない。
  • 2022.09.22現在、X2DとConverter H 1.7xの組み合わせでレンズエラー46が発生する。
  • 上記は2022.12.15リリースのX2Dファームウェア1.0.5にて改善した。
  • 旧ファームウェアではX H Lens Adapter*とXH CONVERTER 0.8*との組み合わせでIBISが機能しない。

AF対応について

HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカス(以下、AF)を駆動させるためには、レンズファームウェア領域が拡張された18.0.0以降のレンズが必要である。17.0.0以前のレンズに18.0.0以降のファーウウェアを適用しても書き込み領域が足りないため変更できない。

レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり100%AFに対応している。

しかし、オレンジドットのないレンズでも、AF対応可能なものはあり、レンズシリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズについてはファームウェア領域が拡張されているレンズが多くAFに対応できる可能性が高い。

シリアルナンバーがSから始まるレンズは2000年代に製造されたレンズで、オレンジドットのないファームウェア17.0.0以前のレンズとなる。

上記にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。

ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。

FUJINONレンズについて

HCレンズはフジフィルムブランド・SUPER EBC FUJINONのものがあり、HASSELBLAD HCカメラで使用できるが、最高シャッタースピードが1/800のレンズしかなく、最新の最高シャッタースピード1/2000と比べると表現の幅が狭まる。また、レンズファームウェアが古いため、XCDマウントカメラ・X1D、X1DII、907X、X2Dにおいてオートフォーカス(以下、AF)を利用するために必要なHCレンズ・ファームウェア19.1.0を適用することができない。

そのため2種類のマウントアダプター、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*を経由してXCDマウントカメラに装着してもAFは使用できない。

*リンク先はrakutenのMapcamera

フジフィルムブランドのHCレンズは、ハッセルブラッドの修理サポート対象外で、フジフィルムによる修理対応も終わっているため故障時はどうすることもできない。フジフィルムブランドのHレンズは格安で売られているが購入時はそのことを意識する必要がある。

ハッセルブラッドブランドのHCレンズであれば、古いレンズでもハッセルブラッドにて、有償だが修理対応してもらえる。

HCレンズは富士フイルム製造なので、X1D、X1DII、907X、X2Dと同じセンサーサイズの富士フイルムGFXシリーズもマウントアダプター(H MOUNT ADAPTER G)を用意している。こちらはMF(マニュアルフォーカス)専用となるが、カメラ側のメカシャッターだけでなく、レンズシャッターも使用できる。

参考リンク

更新履歴

  • 2024.03.20:改稿
  • 2022.12.29:初稿

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