HASSELBLAD HCD f4.8 24mm
Hレンズシリーズ最広角のレアレンズ
ハッセルブラッド HCD 24mm F4.8のレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
レビュー
1.使用感
ハッセルブラッド HCD 24 F4.8は、Hシリーズカメラ用レンズで、中古で購入したがカメラに装着してシャッター回数を確認すると約4000回であった。
X1DII、X2Dで使用したときのオートフォーカス(以下、AF)の合焦速度はHC、HCDレンズとしては標準的な速度で、AF動作に若干のピーキーさを感じることはあり、ピントが抜けるとモーターの嫌な音がすることがある。
最短撮影距離が全域で38cmで必要十分な近接撮影能力をもっているが、HCD28mmの35cmには負けており、オプションの延長チューブは使用対象外となっている。
レンズには立派なフードが付属しているが、普段の使用ではフードをしなくても逆光耐性が十分であることから装着することは少ない。
レンズ単体重量が810gで、同じ広角レンズカテゴリーに属するHCD 28mmmより少し全長が短く、重量が軽い。
撮影結果をPhocusで現像する限り歪みや周辺減光を感じることはない。撮影中のEVFでは若干の歪みが認識できることがあるのでソフト補正がはいっているのは間違いないが、それでも十分なクオリティの画像を得ることができる。
ほぼ同じ焦点距離になる、XCD 21mmを所有していたが、そちらのほうがPhocusを通しても歪みが気になることがあった。専用品なのでXCD 21mmの方が軽くて取り回しは良い。AF速度はそれほど変わらない。
2.レンズ概要
HCD 24mm F4.8はハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の短焦点レンズで、レンズ名のとおり焦点距離28mmの広角レンズ。
HCDレンズシリーズなのでセンサーサイズは48 x 36mmサイズのセンサーに最適化されており、それより大きいサイズのセンサー53.7 x 40.2mmではレンズのイメージサークルが足りず周辺部がけられる。オレンジドットのついたレンズは最高速度1/2000のレンズシャッターを備えており、無印のレンズは1/800のレンズシャッターを備えている。
X1D(4116 edtion)、X1DII、X2D、X907は、X H Lens Adapter1かXH CONVERTER 0.82を経由して本レンズを使用でき、使用するアダプターによって35mm判換算の焦点距離は異なり、X H Lens Adapterを使用した場合、焦点距離19mm、XH CONVERTER 0.8を使用した場合、焦点距離16mmになる。
XH CONVERTER 0.8で撮影した場合、レンズのイメージサークルが足りず周辺が少しけられる。専用の撮影現像ソフトウェア Phocusは自動で周辺部をクロップ(トリミング)する。
クロップ前のフルサイズイメージを確認することもでき、Phocusの画像メニューから【クロップ解除】を選択する。
本レンズはライカ SシリーズでHC/HCDレンズを使用するための、ライカ純正マウントアダプターS-Adapter H3に対応しない。装着できるが絞り開放での撮影のみとなり、ときどきカメラがフリーズする。カメラとレンズは物理的に装着できるため、カメラ側のファームウェアアップデートで本レンズに対応して欲しいが、ライカ Sシリーズが終焉を迎えた2024年現在、その希望は叶いそうにない。
フジフィルムのGFXシリーズは、 FUJIFILM純正のH MOUNT ADAPTER G4を使うと、レンズシャッターとマニュアルフォーカスでHシリーズ レンズを使用することができる。
3.アクセサリー互換性
- 延長チューブはすべて(H13、H26、H52)使用できない。
- HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できる。
- レンズのイメージサークルは中判フィルム(41.5 x 56mm)をカバーしない。
- Converter 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できない。
- S-Adapter Hに対応する。
- H MOUNT ADAPTER Gに対応する。
4.AF対応について
HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter、XH CONVERTER 0.8)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカス(以下、AF)を動作させるには、レンズファームウェア19.1.0が必要である。レンズファームウェア19.1.0を適用するためには条件があり、ファームウェア18.0.0以降のレンズが必要である。古いファームウェアの17.0.0以前のレンズはファームウェア19.1.0を適用することができない。
Xシリーズカメラにおける、AF対応状況をまとめると以下の通りである。
- オレンジドット レンズ
- レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり、ファームウェア19.1.0に更新することによりAFが動作する。
- HC120、HC120-IIはハッセルブラッド社の制限により、ファームウェア 19.1.0でもAFは動作しない。
- 非オレンジドット レンズ
- AF可能なレンズ
- レンズファームウェア18.0.0以降の場合、ファームウェア19.1.0に更新してAFが動作する。
- 非オレンジドットレンズは、シリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズの一部レンズがレンズファームウェア18.0.0以降となっている。
- AF不可能なレンズ
- レンズファームウェア17.0.0以前のレンズ
- シリアルナンバーがSから始まるレンズ(2000年~2009年に製造)
- フジノンブランドのレンズ
- AF可能なレンズ
上述にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。
ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。
5.FUJINONレンズについて
- HCD 24mmレンズは、フジノンブランドを市場で見たことが無いのでおそらく存在しない。
仕様・比較
項目 | HCD 24 | HCD 28 |
焦点距離(mm) | 24.3 | 28.9 |
最大絞り | 4.8 | 4 |
最小絞り | 32 | 32 |
レンズ構成 | 11群14枚 | 9群12枚 |
最短撮影距離(m) | 0.38 | 0.35 |
レンズ長(mm) | 99 | 102 |
レンズ最大径(mm) | 100 | 100 |
フィルター径(mm) | 95 | 95 |
重量(g) | 810 | 850 |
参考リンク
更新履歴
- 2024.8.28
- 2024.03.22:改稿
- 2022.04.05:初稿
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