Hシリーズ最広角 HASSELBLAD HCD24mm

ハッセルブラッド HCD 24mm F4.8のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
写真作例の撮影は以下のとおり。
- HASSELBLAD X2D-100C +XH-adapter
- HASSELBLAD X2D-100C +XH-Converter0.8
- HASSELBLAD X1DII-50C +XH-adapter
- HASSELBLAD X1DII-50C +XH-Converter0.8
レビュー


1.概要
ハッセルブラッド HCD 24 F4.8はハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の最広角レンズ。
HCDレンズシリーズなのでセンサーサイズは48 x 36mmサイズ以下のセンサーに最適化されており、645版フィルムやより大きなサイズの53.7 x 40.2mmセンサーで使用するとレンズのイメージサークルが足りず画面の周辺部にケラレが発生する。
オレンジドットのついたレンズは最高速度1/2000のレンズシャッターを備えており、無印のレンズは1/800のレンズシャッターを備えている。
ハッセルブラッド XシリーズのX1D(4116 edtion)、X1DII、X2D、X907などでは、マウントアダプターのXH AdapterかXH CONVERTER 0.8を経由して本レンズを使用できる。
使用するマウントアダプターによって35mm判換算の焦点距離は異なり以下のとおりとなる。
- XH Adapterを使用した場合、焦点距離19mm
- XH CONVERTER 0.8を使用した場合、焦点距離15mm
XH CONVERTER 0.8で撮影する際はレンズのイメージサークルが足りず画面の周辺部にケラレが発生するのは、645フィルム、中判デジタルでは大きめのセンサーとなる53.7 x 40.2mmセンサーと同じである。
この撮影結果は専用の撮影現像ソフトウェア Phocusで処理をすると、自動で周辺部がクロップ(トリミング)される。もちろん、クロップ前のフルサイズイメージは保存されており、 Phocusの画像メニューから【クロップ解除】を選択すると周辺部を含めた画像を扱うことができる。
本レンズはライカ純正マウントアダプターS-Adapter Hに未対応のレンズで、カメラに装着可能だが絞り制御ができず、絞り開放での撮影のみとなる。その場合は焦点距離19mmとなる。
フジフィルムのGFXシリーズは、 FUJIFILM純正のH MOUNT ADAPTER Gを使うと、レンズシャッターとマニュアルフォーカスで本レンズを使用することができる。
○アクセサリー互換性のまとめ
- あおり撮影をおこうHTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERを使用できる。
- FUJIFILM純正のH MOUNT ADAPTER Gに対応する。
- <NG>
- 延長チューブはすべて(H13、H26、H52)使用できない。
- Converter 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できない。
- ライカ純正マウントアダプターS-Adapter Hを使用してLEICA S シリーズカメラで使用できない
- レンズのイメージサークルは645判フィルム(41.5 x 56mm)をカバーしない。
2.使用感
ハッセルブラッド HCD 24 F4.8は撮影結果をPhocusで現像する限り歪みや周辺減光を感じることはない。撮影中のEVFでは若干の歪みが認識できることがあるのでソフト補正がはいっているのは間違いないが、それでも十分なクオリティの画像を得ることができる。
X1DII、X2Dで使用したときのオートフォーカス(以下、AF)の合焦速度はHC、HCDレンズとしては標準的な速度だ。しかし、AF動作に若干の癖とピーキーさを感じることがあり、ピントが抜けるとモーターの嫌な音がすることがある。
レンズ単体重量が810gで、同じ広角レンズカテゴリーに属するHCD 28mmmより少し全長が短く、重量が軽い。
最短撮影距離が全域で38cmで必要十分な近接撮影能力をもっている。しかし、近い焦点距離のHCD28mmの35cmにはすこし負けている。また、オプションの延長チューブは使用対象外となっているため、近接撮影能力は制限される。
レンズには立派なフードが付属しているが、普段の使用ではフードをしなくても逆光耐性が十分であることから装着することは少ない。
ほぼ同じ焦点距離になる、XCD 21mmを所有していたが、そちらのほうがPhocusを通しても歪みが気になることがあった。専用品なのでXCD 21mmの方が軽くて取り回しは良い。AF速度はほぼ同等である。
中古で購入したがカメラに装着してシャッター回数を確認すると約4000回であった。このレンズは入手性に難があり、HASSELBLAD Hシリーズレンズとしては後発で市場に出た数が少ないため、中古市場で見かけることも希である。
3.まとめ
結論としてハッセルブラッド HCD 24 F4.8をまとめると、Xシリーズで最広角焦点距離15mmを実現できるレンズ。
2025年現在、Xシリーズの最広角レンズはズームレンズのXCD 20-35mmで、16mmなのでこちらの方がわずかに広い。
レンズが新しすぎるため、LEICA Sシリーズでは絞り開放でしか使えないのがとても残念だ。
○オートフォーカス対応について
HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(XH Adapter、XH CONVERTER 0.8)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカスを動作させるには、レンズファームウェア19.1.0が必要である。レンズファームウェア19.1.0を適用するためには条件があり、ファームウェア18.0.0以降のレンズが必要である。古いファームウェアの17.0.0以前のレンズはファームウェア19.1.0を適用することができない。
Xシリーズカメラにおける、オートフォーカス対応状況をまとめると以下の通りである。
- オレンジドット レンズ
- レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり、ファームウェア19.1.0に更新することによりオートフォーカスが動作する。
- HC120、HC120-IIはハッセルブラッド社の制限により、ファームウェア 19.1.0でもAFは動作しない。
- 非オレンジドット レンズ
- AF可能なレンズ
- レンズファームウェア18.0.0以降の場合、ファームウェア19.1.0に更新してAFが動作する。
- 非オレンジドットレンズは、シリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズの一部レンズがレンズファームウェア18.0.0以降となっている。
- AF不可能なレンズ
- レンズファームウェア17.0.0以前のレンズ
- シリアルナンバーがSから始まるレンズ(2000年~2009年に製造)
- フジノンブランドのレンズ
- AF可能なレンズ
上述にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。
ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。
○FUJINONレンズについて
- HCD 24mmレンズは、フジノンブランドを市場で見たことが無いのでおそらく存在しない。
仕様・比較


項目 | HCD 24 | HCD 28 |
焦点距離(mm) | 24.3 | 28.9 |
最大絞り | 4.8 | 4 |
最小絞り | 32 | 32 |
レンズ構成 | ? | ? |
絞り羽根 | 11群14枚 | 9群12枚 |
最短撮影距離(m) | 0.38 | 0.35 |
レンズ長(mm) | 99 | 102 |
レンズ最大径(mm) | 100 | 100 |
フィルター径(mm) | 95 | 95 |
重量(kg) | 810 | 850 |
フード | 専用バヨネットフード | 専用バヨネットフード |
マウント | HASSELBLAD-H | HASSELBLAD-H |

参考情報
更新履歴
- 2025.6.11
- 2024.8.28
- 2024.03.22:改稿
- 2022.04.05:初稿
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