Last updated on 2025-11-23
LEITZ HEKTOR135mm F4.5をデジタル一眼レフカメラと中判デジタルミラーレスカメラ HASSELBLAD X2D-100Cで使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例の撮影は以下のカメラで撮影した。
- LEICA S typ007
- CANON EOS 1Ds Mk-III
- LEICA M9
- HASSELBLAD X2D-100C
- 写真はクリックで拡大する
レビュー


1.概要
HEKTOR M 13.5cm F4.5は1933年にリリースされた、ライカMマウントの望遠レンズ。
主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。
- 開放F値 4.5
- レンズ構成 3群4枚
- 絞り羽根 15枚
- 最短撮影距離 1.5m(一部古いレンズは距離計に連動しない)
- ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 1.5m
- フィルター 39mm
- レンズカラーバリエーション ブラック&シルバー
2.使用感
HEKTOR M 13.5cm F4.5はMマウントのレンズだが焦点距離135mmのレンズは、ライカMレンジファインダーカメラの二重像合致では目的の位置にピントをあわせるのが難しいため、VISOFLEX-L39にマウント変換して一眼レフカメラで使用していた。2020年代は高性能な電子ビューファインダーを搭載したミラーレスカメラによって、Mマウントのままで快適に使うことができる。
このショートヘリコイド ZOOANは、中古店ではときどき見かけるアイテムで、いずれも中古では1万円程度から入手できる。しかし、古いものなのでヘリコイドの繰り出し状態に注意が必要で、グリスが抜けたスカスカの個体をみかけるため現物を確認してからの購入をお勧めする。適正なグリスが入っているヘリコイドは、スムーズな繰り出しが可能である。
デジタル一眼レフカメラとミラーレスカメラで撮影した結果を記す。
LEICA S typ007
HEKTOR M 13.5cm F4.5の写真作例の撮影にデジタル一眼レフカメラはライカSマウントのLEICA S typ007を使用した。VISO-L39マウントはフランジバックが91mmと長いためマウントアダプターがあればほとんどの一眼レフカメラで使用できる。
LEICA S Typ007は、レンズ本体+専用ショートヘリコイド(14071)+ VISOFLEX-L39 to MAMIYA645 +MAMIYA645 to LEICA Sアダプターを経由している。
HEKTOR M 13.5cm F4.5をLEICA S Typ007で使用するとセンサーサイズが35mmフィルム判よりも大きいため、35mmフィルム判換算で135mmを0.8倍した108mm相当となる。
また、LEICA S typ007が搭載する45 x 30mmのイメージセンサーサイズを完全にカバーしており、フィルム時代に645フィルム判をカバーすると言われたイメージサークルの広さを実感できる。
絞り開放値が4なので、一眼レフのファインダーで見たさいに暗さもそれほど気にならず、より明るいエルマリート135 F2.8ほどピントにシビアではないため、F4.5を我慢できればデジタル時代にも通用するキレのある解像度を楽しむことができる。
写真作例は絞り開放で撮影しており、後述の通り中判デジタルセンサーで使用する場合でもイメージサークルには問題はない。前後のボケはなだらかでザワつくような描写も見られず、ピント位置のシャープな描写からの繋がりも非常によい。ボケ形状には若干円形が崩れラグビーボール形状がみられるが見苦しいと言うことはない。発色はデジタルカメラの場合調整のしようでどうにでも変わるわけだが、適正露出でストレートに現像して不満の無い像を得ることができる。
前ボケ、後ボケともに癖は無く、グルグル回るような怪しいボケ方はしない。F4.5でもピントは薄く合焦部を強調した撮影が可能だ。

CANON EOS 1Ds Mk-III & LEICA M9
上記両カメラは35mmフルフレームセンサーを搭載したデジタルカメラで、CANON EOS 1Ds Mk-IIIはデジタル一眼レフカメラ、 LEICA M9はデジタルレンジファインダーカメラだが、VISOFLEX3型を使用して一眼レフカメラとして使用した。
このレンズは、より大きなセンサーサイズを搭載したLEICA S typ007でイメージサークルをカバーしているので、35mmフルフレームセンサーを搭載したカメラでの撮影結果はレンズ中央部の描写のよい部分を使用するため、撮影される画像の均質性はよくみえる。
HASSELBLAD X2D-100C
HEKTOR M 13.5cm F4.5の写真作例の撮影にミラーレスカメラとして中判デジタルセンサーを搭載したHASSELBLAD X2D-100Cを使用した。ミラーレスカメラはフランジバックが短いため、本レンズをMマウントのまま使用することもできる。
今回はLEICA S typ007と共用するためにVISOFLEX-L39マウントでHASSELBLAD X2D-100Cに接続するために、レンズ本体+専用ショートヘリコイド(ZOOAN)+ VISOFLEX-L39 to VISOFLEX-M +VISOFLEX-M to LEICA R +LEICA R to HASSELBLAD Xアダプターを経由してカメラと接続している。
HEKTOR M 13.5cm F4.5をHASSELBLAD X2D-100Cで使用するとセンサーサイズが35mmフィルム判よりも大きいため、35mmフィルム判換算で135mmを0.8倍した108mm相当となる。
また、HASSELBLAD X2D-100Cが搭載する44 x 33mmのイメージセンサーサイズを完全にカバーしており、フィルム時代に645フィルム判をカバーすると言われたイメージサークルの広さを実感できる。
HASSELBLAD X2D-100Cはボディにシャッター機構を持たないため、HEKTOR M 13.5cm F4.5を使用する場合は電子シャッターを利用する。電子シャッターは動体を撮影する際にローリング歪みが発生する可能性が高い。富士フイルム製のGFXシリーズ中判デジタルミラーレスカメラはボディにシャッターを持っているため、ローリング歪みの危険性はないので、動体撮影する場合は富士フイルム GFXの方が使い勝手がよい。
3.まとめ
結論としてHEKTOR 13.5cm F4.5をまとめると、VISOFLEX-L39マウントにコンバートできる最も古い135mmレンズ。
VISOFLEX-L39対応のより新しいELMAR 135mm F4と比べると、レンズ枚数が少ないた目各種収差補正に劣ると考えられるため、厳密に比べると描写は落ちるはずだ。実際のフィールドでは大きな差はないはずで、どちらを使うかは撮影者の好み次第だろう。
VISOFLEX-L39にするためのショートヘリコイドは(ZOOAN)を使用する。ELMAR 135mm F4向けの(14071)は接続できないため注意が必要だ。
仕様・考察など
ライカMマウントの焦点距離135mmのレンズは以下4本の他に、エルマリート M 135mm F2.8(1962)、アポテリート M135mm F3.4(1998)などがある。
最新のアポテリートを除くと、いずれのレンズもリーズナブルな価格で売られている。
135mmレンズはレンジファインダーカメラではピント精度の問題で扱いづらいレンズだが、ミラーレスカメラであれば電子ビューファインダーによって正確にピント合わせができるため、いずれかのレンズを手頃な値段で見かけたら使ってみるのもいいだろう。
レンズを無限遠から使用するためには、カメラのフランジバックが重要で、以下にライカマウントのフランジバックを記した。
| マウント | フランジバック | 備考 |
| Lマウント | 20mm | |
| Mマウント | 27.8mm | |
| L39マウント | 28.8mm | Mマウントアダプターは厚み1mm |
| Rマウント | 47.4mm | R-Mマウントアダプターは各社より提供 |
| Sマウント | 53.3mm | フランジバックの公式値が見当たらないため、CONTAX 645マウントの64mmからS-C645アダプターの厚み10.7mmを引いた値を記載する。 |
| VISO-M | 68.8mm | 14127でRマウント |
| VISO-L39 | 91.1mm | OUBIO/16466でVISO-Mマウント |
焦点距離の135mmと13.5cmに性能的な違いは無く、表記だけの違いである。
| 項目 | テレ・エルマー | エルマー | ヘクトール | エルマー |
| 焦点距離 | 135(mm) | 135(mm) | 13.5(cm) | 13.5(cm) |
| 最大絞り | 4 | 4 | 4.5 | 4.5 |
| 最小絞り | 22 | 32 | 32 | 32 |
| 絞り羽根 | 10 | 12 | 15 | 15 |
| レンズ構成 | 3群5枚 | 4群4枚 | 3群4枚 | 3群4枚 |
| 最短撮影距離(m) | 1.5 (M-mount) | 1.5 (M-mount) | 1.5 (M-mount) | 1.5 (L39-mount) |
| レンズ長(mm) | 63.6 (VISOFLEX-M) | 62.5 (VISOFLEX-L39) | 63.6 (VISOFLEX-L39) | 124 (L39) |
| レンズ最大径(mm) | 60 | 52 | 52 | 52 |
| フィルター径(mm) | 39 | 39 | 39 | A36被せ |
| レンズフード | IUFOO 12575 | IUFOO 12575 | IUFOO 12575 | IUFOO 12575 |
| レンズマウント | VISO-M | VISO-L39 | VISO-L39 | LEICA L39 |
| フランジバック(mm) | 40 | 62.5 | 62.5 | 28.8 |
| 重量(g) | 342 (VISOFLEX-M) | 165 (VISOFLEX-L39) | 247 (VISOFLEX-L39) | 517 (L39) |
| 製造本数 | 28,300- | 25,900- | 108,088- | 5,500- |
| リリース年 | 1964〜 | 1960-1963 | 1933-1960 | 1931 |
参考情報
- Leica Wiki ELMAR 4.5 / 13.5
- LEICA ELMARIT M 135mm F2.8・Shige’s hobby
- LEICA ELMAR M 135mm F4・Shige’s hobby
- LEICA TELE ELMAR 135mm F4・Shige’s hobby
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更新履歴
- 2025.11.22


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