レンズ固定ハイエンド・KONICA MINOLTA DiMAGE A2

レンズ固定ハイエンド・KONICA MINOLTA DiMAGE A2

ディマージュ A2のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

ディマージュ A2はコニカミノルタが2004年に発売したレンズ一体型デジタルカメラ。

カメラの主な仕様として、800万画素CCDセンサー、92.2万画素EVF、35mm版換算で28mm~200mmをカバーするレンズを搭載している。センサー移動式手ぶれ補正のAntiShakeは初期の装置でブレの補正は3段分となっている。詳細な仕様は下表にまとめている。

アクセサリーシューは、MINOLTAオリジナルの形状で、フラッシュを探す場合は、MINOLTA製を探す必要がある。PROGRAM FLASH 3600HS(D)、同5600HS(D)、同2500(D)が対応製品となっている。2023年現在いずれも格安で入手できる。

記録メディアは、コンパクトフラッシュでファームウェアを1.1.3j以降では4GB以上のメディアを利用することができる。Raw画像形式はMRW(Minolat RaWの略?)で1枚が12.1MBになる。8GBのメディアを使用するとRawのみ記録で600枚程度撮影ができる。しかし、カメラ本体の撮影枚数カウンターは352以上にはならない。

バッテリーはα7 Digitalなどと共通のリチウムイオン電池 NP-400を使用しており、SIGMA SD14、PENTAX K20Dなど様々な機種において、このバッテリーと同じ電圧、形状が採用されているため、2024年現在でも市場で入手が容易なのはありがたい。少しヘタったバッテリーで150枚程度撮影ができたので、枚数を撮る撮影者の場合、予備が必要になると思われる。

ファームウェアについては、所有している個体はファームウェア1.1.4jと最終版だ。
メンテナンスを引き継いだKENKO TOKINAのサイトは2023年1月現在、KONICA MINOLTA製品の情報をすべて削除してしまったようでファームウェアの入手などもできなくなっている。

英語表記になってしまうことと、リージョン(地域)管理されていれば適用できない可能性があるけれど、KONICA MINOLTA EUROPEにはDimage A2のファームウェアの情報が存在している。
日本のメーカーも旧製品の情報を可能な限り保管して欲しいと思う。あなたの生み出した製品がまだまだ現役である可能性はゼロでは無いのだ。

2.使用感

ディマージュ A2はコニカミノルタ製デジタルカメラ

このカメラは、某カメラ屋の新年ジャンク市で4桁円で売られていたので捕獲した。このカメラはリリース当初価格14万円しており、旧機種故のお手頃価格で使用することができた。

ジャンクの理由はEVFの不調でWebで情報を探すと同じようなEVF関係の不具合が散見され、自慢の92.2万画素EVFが経年劣化で駄目になるのはこの機種の特徴のようだ、幸い背面液晶が正常に利用できるので撮影や設定で困ることは無い。
9ヶ月後にリリースされた後継機のDiMAGE A200はコストダウンのためかEVFがDiMAGE A1と同スペックに退行しているので、A2のEVFは当時の最先端で高価だったことがうかがえる。

レンズは広角28mm(7.2mm)は遠景をRaw撮影すると4%程度の樽形歪みあり、建物撮影では歪みが目立つため現像時に補正が必要になる。あまり使わないが50mm〜200mm(13mm〜50mm)は歪み無くすっきりとした描写である。

レンズの作りはMINOLTA 1眼レフ用レンズと同じ意匠にしてあり、金ラインを含めとても好みの意匠である。ディマージュの高倍率ズームシリーズはシリーズ型番、DiMARGE 5、7、7Hi、A1、A2、A200と発売された。シリーズでずっと同じレンズを使い続けているため、2001年から変わっていないことになり、A2の発売された2004年になると広角側歪みなど設計の古さを感じる。

AF速度はのんびりしたもので、夜間や判別しづらい被写体の場合は、合焦していなくてもAF合焦マークが点灯してシャッターは切れてしまう。13万画素の背面液晶では合焦状態の判別は難しく、92万画素のEVFが使えれば問題は軽減されるのだが手持ちの個体は前述のとおりEVFは死んでいるので使えない。
晴天下の描写は満足できるけれど、センサーサイズの小ささはいかんともし難く、白飛び、黒つぶれ、暗所でのノイズが気になる場面はある。

マニュアルフォーカスは可能で、カメラ本体のモードをMFに変更して、レンズ付け根の回転リングでフォーカスを操作する。ミノルタのオートフォーカス一眼レフ用レンズは、根元にズームリング、レンズ先端にフォーカスリングとなっており、せっかく意匠を似せたレンズだけれどリング配置が異なるのは操作に戸惑う点だ。

また、この付け根のフォーカスリングはカメラボディのすぐ前の窮屈な位置にあるため、操作性が今一つでマニュアルフォーカスを積極的に使う気にはならない。基本的にオートフォーカスで使うカメラだ。

センサーシフト式の手ぶれ補正機構を装備している。しかし、初期の手ぶれ補正機構なので、効果を期待しすぎるととブレた写真を量産する。

3.まとめ

結論としてディマージュ A2をまとめると、晴天下にオートフォーカスで使うにはよいカメラだ。

カメラに多数のボタンが配置されており、ほとんどの操作はメニュー画面に入らずにできるのはよい。しかし、マニュアルフォーカスの操作は、コンパクトデジカメと一眼レフカメラの折衷のような操作系で中途半端だ。

2004年の小さなセンサーなので暗所の撮影結果にはノイズが目立つ。

仕様・考察など

2004年はレンズ一体型デジタルカメラの頂点に当たる時期で、ニコンからはCoolPix 8400,8700、オリンパスからは、C-8080など、各社から同じ2/3インチセンサーを搭載してリリースされた。また、この時期はα7 Digitalなどレンズ交換式 APS-Cサイズセンサーのデジタルカメラが少し上の価格でリリースされ、少し大きめのセンサーを積んだレンズ一体型カメラの販売数は厳しい状況に追い込まれつつあった。

このボディで1インチ以上のセンサーを積んでいれば、カメラの立ち位置は異なったかも知れない。
その形はミノルタ直系のソニーRX100シリーズ、家電の雄 PanasonicのTZ、FZ、TXシリーズ、Panasonic-OEMのLEICA V-LUXシリーズなどが引き継いでいる。
2024年現在もこの形式のカメラが存在していることは、このカメラの高倍率ズーム搭載レンズ一体型カメラという狙いは悪くなかったことを証明している。

項目DiMARGE A1DiMARGE A2DiMARGE A200
カメラ有効画素数500万画素800万画素800万画素
焦点距離7.2〜50.8mm F2.8〜3.2
(35mm判換算:28mm〜200mm)
7.2〜50.8mm F2.8〜3.2
(35mm判換算:28mm〜200mm)
7.2〜50.8mm F2.8〜3.2
(35mm判換算:28mm〜200mm)
レンズ構成13群16枚13群16枚13群16枚
撮像素子2/3センサー2/3センサー2/3センサー
画像処理SUPHEED
CxProcess III
SUPHEED
CxProcess II
SUPHEED II
CxProcess III
背面液晶1.8型・11.8万画素
チルト
1.8型・13.4万画素
チルト
1.8型・13.4万画素
バリアングル
ファインダー0.44型・23.5万画素
チルト
0.44型・92.3万画素
チルト
0.44型・23.5万画素
チルト
バッテリーリチウムイオンバッテリー
(NP-400)
リチウムイオンバッテリー
(NP-400)
リチウムイオンバッテリー
(NP-400)
外形寸法(mm)幅 x 高さ x 奥行
117 × 85 × 113.5
幅 x 高さ x 奥行
117 × 85 × 113.5
幅 x 高さ x 奥行
114 × 80 × 115
重量(g)約560g (ボディのみ)約565g (ボディのみ)約505g (ボディのみ)
リリース年2003年9月2004年2月2004年11月
価格13万円(Open)14万円(Open)10万円(Open)

オプション

  • 縦位置グリップ
  • テレコン ACT-100
  • ワイコン AWT-100
Before imageAfter image
テレコンバーターACT-100ワイドコンバーターACW-100
レンズ構成3群5枚3群3枚
コンバーター倍率1.5倍※10.8倍※2
合成焦点距離76.2mm(35mmフィルム換算 約300mm)5.8mm(35mmフィルム換算 約22mm)
合成絞り値変化無し
サイズφ89×80mmφ89×36mm
質量(重さ)500g250g
対応機種DiMAGE 7i、7Hi、A1、A2
備考本体レンズのテレ端での使用本体レンズのワイド端での使用

カメラ購入後にオプションのレンズコンバーター、テレコン(AWT-100)とワイコン(ACT-100)手に入れた。20年近く前のカメラオプションだがヤフオク、メルカリにはそれなりに出品があり、ヤフオクにて数千円で入手することができた。入手した品は外観の傷、レンズのふき傷などみられたが写りに影響するものは無かった。
どちらも巨大なコンバーターでカメラに装着するとカメラの印象がかわる。

ワイコンは画角を0.8倍するため28*0.8=22.4mmの広角レンズとなり、28mm時点で4%あるの歪曲が8%へさらに悪化して魚眼レンズのような歪みになる。
ワイコンの注意書きには、レンズの焦点距離は28mm位置でマクロスイッチを入れて固定するように記載があるため、これを装着すると22.4mmの単焦点レンズカメラになる。歪曲の増幅は気になるが広角レンズとしては楽しい。

テレコンはテレ端でのみ使用するように注意書きがあり、推奨外の使用方法だけがテレコンを装着してズーミングさせると焦点距離42mm〜150mm(35mm換算・実焦点距離28mm〜100mm)では大きな蹴られが確認できた。ズーム時はテレコンを支えつつズームリングを回した。ワイコン以上に重いテレコンをレンズを伸ばした状態(焦点距離200mm位置)で装着して野外で撮影するとレンズがポッキリと折れそうで恐ろしい。

テレコンとワイコンは、定価では49,800円のプライスタグで売られていた。カメラとセットで購入すると2割引程度入れても20万円近くになるはずで、リリース当時に購入した方はシステムに惚れて思い切った趣味人かお金持ちだろう。。レンズコンバーターは径49mmのねじ込み式なので他のレンズにも転用は可能だ。しかし、コンバーターの性能はそれほど高くないためあえてやる必要は無い。

参考情報

更新履歴

  • 2025.4.23
  • 2024.10.19
  • 2024.7.24
  • 2023.1.24

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