フィルム to デジタル LEICA Digital Module R(DMR)

フィルム to デジタル LEICA Digital Module R(DMR)

LEICA R8にDMR(Digital Module R)を装着して、Rマウントレンズで使用したレビューと写真作例

ギャラリー

写真作例は以下のシステムを使用した。

  • SUMMILUX R 80mm +Digital Module R(DMR) +LEICA R8
  • SUMMILUX 50 E60 +Digital Module R(DMR) +LEICA R8
  • SUMMICRON R 90mm +Digital Module R(DMR) +LEICA R8
  • Vario-Elmar-R 21-35mm +Digital Module R(DMR) +LEICA R8
  • ELMARIT-R 19mm-II +Digital Module R(DMR) +LEICA R8

レビュー

Fisheye Elmarit 16mm +LEICA DMR

1.概要

DMR(Digital Module Rは2002年にライカがフィルムカメラLEICA R8 & LEICA R9をデジタルカメラにするためにリリースした追加モジュール。
取付はカメラのフィルムカバーを取り外し、 KODAK製KAF-10010CEを搭載したモジュールをそこにはめ込む、1眼レフカメラのバッテリーグリップのようにレンズ下部を延長した空間にデジタル関連の機械が詰まっている。

現在も販売されている、I’m back シリーズと同じようなシステムだ。I’m backは大きなセンサーを積んだモデルでも4/3インチだが、、DMR(Digital Module RはAPS-H(焦点距離倍率1.37倍)サイズセンサーを積んでいる。
このように、DMR(Digital Module Rのセンサーサイズは35mm判フィルムよりも小さいため、周辺がマスクされた専用のフォーカシングスクリーンがDMR(Digital Module Rに付属しており、LEICA R8 & LEICA R9に取り付けられたスクリーンと交換して使用する。
フォーカシングスクリーンはオプションで格子模様や十字など、通常のLEICA R8 & LEICA R9と同じ形式で周囲をマスクしたDMR用スクリーンも売られたようだが、2016年頃にDMRを入手したときには、そのようなオプションスクリーンを市場で見かけることはなかった。

DMR(Digital Module Rで使用できる記録メディはSDカードだけで最大容量は4GBに止まり、SDHCやSDXCに対応していない。また、4GBのSDカードはほとんど売られていないため、入手可能な選択肢としては2GBが上限となる。
2GBのSDカードを使用すると、約100枚撮影でき、36枚撮りフィルム約3本分の勘定で個人的にはちょうどいい枚数で撮りきれる。

使用上の注意点としては、LEICA R8 を母艦に使用した場合、使用するときはカメラの電源スイッチとDMR(Digital Module Rのそれぞれの電源スイッチを入れる必要がある。
LEICA R9を母艦に使用した場合はカメラの電源をオンにすると、それと連動してDMR(Digital Module Rも起動する。
これは両方のカメラで共通だが、LEICA RレンズのROM端子付きレンズを使用して撮影すると、Exifに使用したレンズ情報が記録される。

2.使用感

DMR(Digital Module Rを装着したLEICA R8 は、CANON EOS 1Dシリーズ、NIKON D一桁シリーズに匹敵するとても大きな図体となり、レンズを装着した状態ではカメラバックへの収納性はすこぶる悪い。しかし、大柄なことを除けば普通の一眼レフカメラとして使用できる。

DMR(Digital Module Rそのものにはデジタル記録機能しかなく、カメラは母体となるLEICA R8 & LEICA R9の機能に依存する。DMRを先に購入したため、母艦となるLEICA R8 & LEICA R9を探したが、LEICA R9はほとんど中古市場で見かけず、比較的シリアル番号の大きなLEICA R8を購入した。DMRが壊れたあとはフィルムカメラとして使用するという歴史を遡る使い方をしている。

これはLEICA R8 & LEICA R9側の問題であるが、撮影時のシャッター音はかなり大きい。DMR(Digital Module Rは中古の完動品をそれなりの値段で購入したが、経年劣化には勝てず、すでに内部電池は消耗しきって時計の記録ができず、本件をライカ銀座に相談したところ、「内部電池はもうない」とあっさりと言われた。そして、壊れても修理はできないとのことだ。
また、ISOダイヤルも不調でISO100に設定するとかろうじて使えるが、実質はほぼ文鎮状態である。デジタル機器の寿命は短く修理が難しいのは困ったものだ。

バッテリーは専用の特殊な形状で互換品はなく、2018年頃はLEICA銀座にて古いバッテリーを持って行くと中身を新品にリフレッシュしたバッテリーと有償で交換してくれた。うちの2本も有償にて交換していただいたバッテリーとなっている。購入したDMRにはバッテリーが1本だけ付属していたため、予備としてeBayで中古バッテリーを購入した。

リフレッシュしたバッテリー1本で、2GB-SDカードの記録限界である約100枚くらい撮影できるため、偶然だろうがなかなかよくできている。

14447 [リチウムイオンバッテリー DMR]

3.まとめ

結論としてDMR(Digital Module Rをまとめると、フィルムカメラのLEICA R8 & LEICA R9をデジタルカメラに変身させる画期的なアイテムだ。専用品なので、I’m back シリーズのような後付け感が見られない。

電子機器に弱い時代のライカが作った製品なので肝心の基板や電気系統が壊れやすく、ライカ自身がすでに部品在庫を持っていないため、修理できないのが最大の難点だ。

DMRの仕様

項目備考
センサー KODAK / KAF-10010CE焦点距離は x1.37
記録メディアSDカード4GBまで対応
バッテリー14447 [リチウムイオンバッテリー DMR]
外形寸法(mm)幅 x 高さ x 奥行 165 x 42 × 70〜83突起部を除く
重量(g)約605本体のみ
リリース年2002年2006年終売

R8/R9の仕様

項目備考
ファインダー実像式逆ガリレオ透視ファインダー
ファインダー倍率0.7倍
シャッター機械制御式縦走りメタルフォーカルプレンシャッター
シャッター速度1/8000〜1秒Bulbモードあり
測光中央部重点TTL平均測光
バッテリーCR2 x2
外形寸法(mm)幅 x 高さ x 奥行 158 × 101 × 62突起部を除く
重量(g)R8:890 R9:790 本体のみ
リリース年R8:1996-2002 / R9:2002-2003

オプション

  • 14447 [リチウムイオンバッテリー DMR]
  • 14392 [標準スクリーン DMR]
  • 14387 [十字クリアグラス・スクリーン DMR]
  • 14343 [ファインダースクリーン ユニバーサルスクリーンR8/R9]
  • 14344 [グランドグラス・スクリーンR8/R9]
  • 14345 [マイクロ・プリズム・スクリーンR8/R9]
  • 14346 [方眼グランドグラス・スクリーンR8/R9]
  • 14347 [十字クリアグラス・スクリーンR8/R9]

個人的にはR8/R9のスクリーンにそれほど問題は感じないが、こだわる人にとってはスクリーンの詳細について、参考リンクのCosmos Photo Galleryに詳しい情報が記載されている。個人作成スクリーンTalbergをRシリーズで使用されているようでスクリーンについて豊富に情報がある。

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参考情報

更新履歴

  • 2025.7.23
  • 2025.1.4
  • 2024.02.09:改稿
  • 2023.07.30:初稿

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