2代目FF&SUMMILUX 28mm LEICA Q2

2代目FF&SUMMILUX 28mm LEICA Q2

LEICA Q2のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

画像をクリックすると拡大表示

レビュー

1.概要

LEICA Q2は2019年にライカからリリースされた、35mmフルフレーム(フルサイズ)センサーSUMMILUX 28mm F1.7レンズ、368万ドットEVFを搭載したレンズ一体型コンパクトデジタルカメラ。

詳細な仕様は表に載せているが、主な仕様を抜粋すると以下の通りである。

  • 4730万画素・35mmフルフレームセンサー
  • SUMMILUX 28mm F1.7レンズ
  • 368万ドット 有機EL ビューファインダー
  • 背面ディスプレイ 3.0インチ(固定)104万ドット
  • 最短撮影距離 マクロモード時0.17m
  • バッテリー BP-SCL4
  • フィルター径 49mm

ライカ Qの正常進化版で画素数が増えた以外はそれほど大きな変更はなく、カメラバリエーションとして、モノクロームセンサーのQ2 Monochromeが存在する。Q2にはQ2-Pモデルは存在しない。

2.使用感

LEICA Q2の描写は、LEICA Qの画素数を増やした描写であり、Q2の撮影画像を縮小するとQとの違いを見つけるのは困難だ。

レンズはライカ Qからほぼ同じ仕様で持ち越されており、このズミルックス 28mm F1.7は4700万画素にも十分耐えられるクオリティをしている。

4700万画素センサーの作るDNGデータは約85MBとなるため、撮影データの保管には相応のディスクスペースを用意する必要がある。

ボディ部分はレンジファインダーがないだけで基本的な機能はM10-Rと同じで、0.3mまで寄れるズミルックスレンズ込みでの販売価格は撮影用途がはまるならかなりお買い得だろう。

使用して感じるのは、ライカ Qの時から見られたオートフォーカスのピントが抜ける現象は、LEICA Q2になってもそれなりに経験したので、オートフォーカスを全面的に信用はせずにEVFでピント位置を確認しながら撮影する必要がある。

EVFは画素数は据え置きでディスプレイパネルが有機ELに変わったが、ライカ Qのファインダーと比べて大きく進化したとは感じなかった。
EVFの視度調整ダイヤルは改良され、変更するときボタン上の操作ダイヤルを押し出して変更し、変更後は押し戻す方式となった。これにより誤操作による視度の変更がなくなるのはよい改善だが、どうせ改善するならハッセルブラッド X2Dのようにメニューで内部的に調整する方法がスマートだと感じる。
同じ撮影者が使い続けるかぎり、EVFの視度調整は一度実施すれば何度も変更するものではない。

Q2の画像クロップ機能は4700万画素への画素数向上にともない、35mm、50mm、75mmと3種類にバリエーションが増えたが、指定サイズでトリミングした結果が記録されるのは相変わらずのJPEG画像限定で、Raw画像はフルサイズの28mmで記録される方式はライカ Qから変更はない。

レンズに手ぶれ補正機構が入っているため、高画素化しても手ブレに悩まされることは少なかった。
バッテリーがBP-SCL4になり、ライカSLシリーズと共通化されたのは良い点で、ライカ QのBP-DC12よりバッテリー容量が大きくなったため撮影枚数も増えたことは好ましい。しかし、BP-SCL4バッテリーは互換バッテリーの入手が難しいため純正品を購入すると高価という欠点があるけれど、このカメラを買うユーザーには価格の話は関係ないとも思われる。

シンプルな外観からドレスアップ性にも優れており、革ケースや、グリップ、サムレスト、別売フードなど、好みの外観にして使うことができる。Q、Q2、Q3とバッテリー型番は変わっていることは残念だが、外観寸法は維持されており、外装関連のオプション品は概ね使い回すことができることは好ましい。

レンズフードはLIM’S Designからリリースされた角形レンズフード「LIM’S LEICA Q2/Q用 Aluminium LENS HOOD」を使用していた。これはカメラに付属している化粧リングを取り除いてそこにねじ込むフードで、それなりの価格をするだけのことはあり純正と同等のクオリティで、LEICA Q2を手放すまで装着して使っていた。

3.まとめ

結論としてLEICA Q2をまとめると、LEICA Q typ116から順当に性能アップした後継カメラだ。

このカメラを普段使いする場合、4700万画素データは過剰感があり、Q typ116の2400万画素でも十分に感じていたため、画素数アップの恩恵を感じることはほとんど無かった。強いて言えば、クロップした際に、残る画素数が多いため画像切り出しをする際には余裕があると感じられる。

仕様・考察 など

LEICA Qシリーズは、紹介したQ2から4年後に順当に進化したLEICA Q3が発売される。Q3はレンズ仕様は旧カメラから持ち越しているけれど、画素数が6000万画素にアップし、EVFの画素数アップ、可動式液晶を採用するなど基本的な性能が向上している。

また、焦点距離43mmのアポ・ズミクロンを搭載した、LEICA Q3-43も2024年に発売された。

しかし、広角好きとしては、レンズラインナップが増えるのであれば、焦点距離21mmか24mmを追加して欲しかった。望遠側はクロップ機能で簡易に対応できるが、広角側を広げるためにはワイドコンバーターを装着するなど物理的な措置が必要となる。であれば、最初から広角レンズを搭載したカメラの方が汎用的に使えると考えるからである。

Q3シリーズは6000万画素のセンサーだが、LEICA M11から導入されたトリプルレゾリューションテクノロジーにより、6000万画素から画素合成をして、3600万画素、1800万画素で記録することができ、撮影用途によって記録解像度を変更する機能が加えられた。

Qシリーズは、カメラサイズは同じだけれど、バッテリーはモデル毎に異なっている。初代QのBP-DC12は角形でそれ以降のカメラのバッテリーと互換性はないが、LEICA Q2で採用されたBP-SL4LEICA Q3で採用されたBP-SL6は形状は同じだけれど電池容量が異なっている。また、BP-SL6対応カメラにBP-SL4を装着すると警告が表示されるとのことで、バッテリー種別を判定するチップが組み込まれていると考えられる。

項目LEICA QLEICA Q2LEICA Q3LEICA Q3-43
レンズズミルックスズミルックスズミルックスアポ・ズミクロン
レンズ構成9 群11枚 非球面レンズ:3 枚9 群11枚 非球面レンズ:3 枚9 群11枚 非球面レンズ:3 枚8群11枚、非球面レンズ7面
焦点距離28282843
開放F値1.71.71.72
最小F値16161616
最短撮影距離0.3cm~∞ 0.17cm~∞(マクロ)0.3cm~∞ 0.17cm~∞(マクロ)0.3cm~∞ 0.17cm~∞(マクロ)0.6~∞ 0.265~0.6
疑似焦点距離35/5035/50/7535/50/75/9060/75/90/120/150
画素数(MP)24.247.360.360.3
センサー35mm フルサイズ35mm フルサイズ35mm フルサイズ35mm フルサイズ
ファインダー368万ドット LCD368万ドット 有機EL576万ドット 有機EL576万ドット 有機EL
液晶3.0(固定) 104万ドット3.0(固定) 104万ドット3.0(上下チルト) 162万ドット3.0(上下チルト) 162万ドット
シャッター30~1/2000 秒60~1/2000秒120秒~1/2000秒120秒~1/2000秒
電子シャッター1/2500~1/16000 秒1~1/40000秒1秒~1/16000秒1秒~1/16000秒
フィルター径49494949
バッテリーBP-DC12
7.2V 1200mhA 8.7Wh
BP-SCL4
8.4V 1860mAh 15.6Wh
BP-SCL6
8.4 V 2200mAh 18.5Wh
BP-SCL6
8.4 V 2200mAh 18.5Wh
ワイヤレス給電○ 10W充電パッド要○ 10W充電パッド要
メディアSDXCSDXCSDXCSDXC
サイズ(幅 x 高 x 奥)mm130 × 80 × 93130 × 80 × 91.9130 × 80.3 × 92.6130 × 80.3 × 92.6
重量(バッテリー込み)g640718743793
リリース年2015.6.202019.4.162023.5.262024.9.27
カラー黒、シルバー、チタン、サファリ、etc

オプション

  • サムレスト:19543
  • プロテクター:19566(B)、19567(BR)、19568(R)、19569(P)
  • ハンドグリップ:19540
  • ホルスターケース:19577

参考情報

広告

更新履歴

  • 2025.7.21
  • 2025.3.22
  • 2024.04.23
  • 2023.08.01

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA