LEICA R8

ライカオリジナル一眼レフカメラ

LEICA R8のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例は、フィルムにFUJIFILM COLOR100、KODAK Pro Image100 KODAK COLORMAX 200
  • レンズは、SUMMILUX-R 35mm、SUMMICRON-R 35mmm、SUPER ELMAR-R 15mm、SUPER ELMARIT-R 15mmを使用した。ギャラリーのキャプションに詳細を載せている。

レビュー

  1. カメラ概要
  2. 使用感
  3. LEICA Rについて

1.カメラ概要

ライカ R8(以下、R8)は1996年から2002年までの約4万台製造されたフィルムカメラ。

R8は4代に渡り小改良され、初期に生産された第1世代がもっとも流通しているようだ。カメラがどの代に該当するかはシリアル番号でわかるようになっており、1996-1997年の228万台から242.2万台(1.35万台)までが1代目、1997-1998年の242.7万台から243.58万台(6000台)までが2代目、1998年の246.4万台から247.7万台(4000台)までが3代目、1998-2002年の255万台から285万台(8050台)までが4代目となっている。
R8はAFの無い電子カメラとしてほぼ完成の域にあったため、4代に渡る改良は耐久性など小改良で、部品の違いは「RLFC R8マイナーチェンジ」で紹介されているが、その差はわずかであり、シリアル番号以外で見分けるのは難しい。古いシリアルでも修理の際に修理した時代の部品が使われていることもあり、一概に古いシリアルのカメラが耐久性で劣るとも言えないと考えられる。

モーターワインダーを装備していない場合、手動で巻き上げ、フィルムの戻しをする必要がある。
日本のカメラと同じように、フィルムのDXを読み込む機能があるので、ISO設定は自動でおこなうことができる。

R8/R9を自動巻き上げにするオプションは、モーターワインダー(2コマ/秒)とモータードライブ(4.5コマ/秒)の2種類があるが、大阪・松本カメラのご主人の話によると、モータードライブはカメラを傷める(故障する)ので使用は止めた方がよいとのことだった。カメラ部品がモータードライブの高速連写(4.5コマ/秒、36枚撮りだと8秒で終了)で発揮される駆動力に耐えられないためと推測する。

カメラを使用する際の電池が異なるため、以下に必要な電池を記した。

  • 素のR8は使用するために電池はリチウム電池のCR2が2本必要になる。
  • モーターワインダーを使用するときは、CR123Aが2本必要となる。
  • モータードライブを使用するときは専用のNi-MH(ニッケル水素)バッテリーが必要となり、これはDMRのリチウムイオンバッテリーとは電池方式と形状が異なる。

ファインダースクリーンはR7以前とファインダー倍率が異なるためか、R8/R9専用となっており、標準以外に5種類が提供されており、マイクロプリズムスクリーン、方眼スクリーンなど、必要なスクリーンは提供されている。2010年代はそれなりに品を見かけたが、2023年現在は中古でもあまり見なくなっている。以下はファインダースクリーン一覧表である。

スクリーン番号スクリーン名称備考
14343/14392(DMR)Universal Split Wedge Micro Prism中央部がスプリット+マイクロプリズム
14344/14393(DMR)Plain Matte均一マット
14345/14394(DMR)Microprism中央マイクロプリズム
14346Matte with Grid & TV Mark均一マットに方眼模様
14347Clear with Crosshairs十字模様
14387/14395(DMR)Ground-Glass Screen with Grid 方眼・すりガラス

2.使用感

DMRが壊れて以降、R8は我が家で文鎮状態(置物)になってしまったが、2023年にレアレンズの一つであるELMARIT R 15mm F2.8を手に入れたため、ライカのカメラでこのレンズを使うために、所有していたシリアル番号247万台の3代目R8をフィルムカメラとして使うことにした。フィルムで撮影するのは約10年ぶりで、フィルムの装填と巻き上げに少々苦労したが、なんとか36枚撮りを1本取りきることができた。

フィルムで使う楽しさを思い出したので、275万台の4代目R8・シルバーをモーターワインダーとともに手に入れた。フィルムでR8を使っていると、手動巻き上げの煩わしさもあり、モーターワインダーに興味がでてきて、R8、R9用のモーターワインダーは中古でも手に入るが、単品で2万円程度するため、旅先の大阪にて、R8シルバーがボディとモーターワインダーのセットで5.7万円だったのをみつけて購入した。

モーターワインダーは、最初の3コマを自動的に巻き取ってしまうので、フィルムの最初に真っ黒なコマが2~3コマできる。また、撮影時はシャッターを押すと瞬時にチャージが終わるため、シャッターボタンの離しが遅いと、続けて2コマ撮れてしまうことがあった。何事も使ってみないとわからない。

シャッター音はDMRで使っていたときと変わらないと思うが、4代目の方が少し静かな印象もある。そして、R8、R9などの電子化されたRシリーズ・カメラは、2024年現在、いずれの場合も修理が不可であり、故障したら破棄か部品取りとなってしまう。

3.LEICA Rについて

Rマウントは歴史が長く、物理的な機構をマウントに追加しつつ、最終的にはオートフォーカスの搭載はかなわなかったが、電子接点を搭載するところまで進化しており、レンズとカメラの対応がR型ライカ入門者には非常にわかりづらい。

以下のR LEICA FAN CLUB(略称 RLFC)の情報がもっとも正確と思われるため紹介する。現在のウェブサイトにあるR型ライカに関する情報は、こちらが元になっていることが多い。通販サイトにてRLFCの説明内容を丸写ししたサイトも見かけたことがある。

ライカRマウントレンズのカムとカメラの対応について

ミラーレスカメラを使用してマウントアダプター経由でレンズを使う場合でも、マウント状態とRマウントアダプターの精度によっては、レンズが外れなくなる場合もあるため、スムーズにはまらないレンズとアダプターは無理しないことをお勧めする。

Rマウントのレンズは、広角レンズに多いが、後玉が一眼レフカメラのミラーボックスに入り込む設計のレンズもあり、そのことによって、マウントアダプターを介して物理的な装着は可能だが、使用時にミラーがレンズと接触するような場合もあり、カメラ、レンズにダメージを与えることもあるため、注意が必要である。とくにキヤノンの一眼レフカメラで35mmフルサイズセンサーを搭載したカメラに、EOS_Rマウントアダプター経由でRマウントレンズを装着した場合、エラー表示となり撮影ができないレンズもある。これは、カメラ側のセンサーによってミラーとレンズが接触する可能性が高いと判定されている状態である。

RマウントレンズをニコンFマウント、ソニー(ミノルタ)αマウントに換装する部品も売られているが、レンズによっては前述のようにミラーとレンズが干渉する可能性は同様にあるため注意が必要である。

仕様・比較

モデル名R7R8R9
フィルムサイズ35mm
ファインダー0.8倍0.75倍
最高シャッター速度1/20001/8000
フィルムカウンターボディ右上ファインダー内ファインダー内+ボディ右上
バッテリーSR44*2CR2*2
スクリーン5種類
対応CAM3/R/ROM
リリース年199219962002
サイズ
(高さ x 幅 x 奥行き)
94.8 x 138.5 x 62.2101 x 158 x 62
重量 (本体のみ)670890790
製造数29,62938,5518,050
カラーブラックブラック、シルバーブラック、アンスラサイトグレー

オプション

  • 14209 [モーター・ワインダー R8/R9] ¥76,500(税別)
  • 14313 [モーター・ドライブ R8/R9] ¥125,000(税別)
  • 14250 Leica Power-Pack MW-R8(モーターワインダー用NiCad(ニッケルカドミウム)バッテリー)

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.8.9
  • 2023.12.4

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