LEICA R8
ライカ製一眼レフ・フィルムカメラ、LEICA R8のレビューと写真作例
<ギャラリー>
写真作例は、フィルムにFUJIFILM COLOR100、KODAK Pro Image100 KODAK COLORMAX 200
レンズは、SUMMILUX-R 35mm、SUMMICRON-R 35mmm、SUPER ELMAR-R 15mm、SUPER ELMARIT-R 15mmを使用した。ギャラリーのキャプションに詳細を載せている。
<レビュー>
DMRが壊れて文鎮になってしまい、2023年にELMARIT-R 15mmを手に入れたので、約10年ぶりにフィルムカメラとして使用した。LEICA R8はDMR用として購入したため、フィルムで使うのは2023年が初めてである。使用しているのは247万台のブラックである。
その後、275万台(第4世代)のR8シルバーをモーターワインダーとともに手に入れた。
モーターワインダーに興味があり、単品で2万円程度するが、シルバーのボディ込みで5.7万円だったので買ってみた。モーターワインダーは、最初の3コマを自動的に巻き取ってしまうので、真っ黒フィルムが1コマ2コマでるのと、押した瞬間にチャージが終わるので、シャッターボタンを押しすぎると続けて2コマ撮れてしまうのが難点だとわかった。何事も使ってみないとわからない。
シャッター音はDMRで使っていたときと変わらないと思うが、第4世代の方が少し静かかもしれない。
<仕様>
LEICA R8は1996年から2002年までの約4万台製造されたカメラで、中古市場でもかなり数をみる。後継のLEICA R9はフィルムカメラ終焉時期とも重なり8,050台の製造にとどまっている。
R8は4世代に渡り小改良され、初期に生産された第1世代がもっとも流通しているようだ。
世代は、シリアル番号でわかるようになっており、1996-1997年の228万台から242.2万台(1.35万台)までが第一世代、1997-1998年の242.7万台から243.58万台(6000台)までが第二世代、1998年の246.4万台から247.7万台(4000台)までが第三世代、1998-2002年の255万台から285万台(8050台)までが第4世代となっている。
R8はAFの無い電子カメラとしてほぼ完成の域にあったため、4世代に渡る改良は耐久性など小改良で、部品の違いはこちらで紹介されているがわずかな差であり、シリアル番号以外で見分けるのは難しい。古いシリアルでも修理の際に修理した時代の部品が使われており、一概に古い製造の物が耐久性が劣ると言うことも無いはずである。
モーターワインダーを装備していない場合、手動で巻き上げ、フィルムの戻しをする必要がある。
日本のカメラと同じように、フィルムのDXを読み込む機能があるので、ISO設定は自動でおこなうことができる。
R8/R9を自動巻き上げにするオプションは、モーターワインダー(2コマ/秒)とモータードライブ(4.5コマ/秒)の2種類があるが、大阪・松本カメラのご主人によると、モータードライブはカメラを傷める(故障する)ので使用は止めた方がよいとのことだった。カメラ部品がモータードライブの高速連写(4.5コマ/秒、36枚撮りだと8秒で終了)で発揮される駆動力に耐えられないと思われる。
素のR8は使用するために電池はリチウム電池のCR2が2本必要になる。
モーターワインダーを使用するときは、CR123Aが2本必要となる。
モータードライブを使用するときは専用のNi-MH(ニッケル水素)バッテリーが必要となり、これはDMRのリチウムイオンバッテリーとは電池方式と形状が異なる。
ファインダースクリーンはR7以前とファインダー倍率が異なるためか、R8/R9専用となっており、標準以外に5種類が提供されており、マイクロプリズムスクリーン、方眼スクリーンなど、必要なスクリーンは提供されている。2010年代はそれなりに品を見かけたが、2023年現在は中古でもあまり見なくなっている。以下はファインダースクリーン一覧表である。
スクリーン番号 | スクリーン名称 | 備考 |
14343/14392(DMR) | Universal Split Wedge Micro Prism | 中央部がスプリット+マイクロプリズム |
14344/14393(DMR) | Plain Matte | 均一マット |
14345/14394(DMR) | Microprism | 中央マイクロプリズム |
14346 | Matte with Grid & TV Mark | 均一マットに方眼模様 |
14347 | Clear with Crosshairs | 十字模様 |
14387/14395(DMR) | Ground-Glass Screen with Grid | 方眼・すりガラス |
また、R8/R9などの電子化されたRシリーズは、2023年現在、修理が不能なので、使えるところまで使うのみとなっている。
モデル名 | R7 | R8 | R9 |
フィルムサイズ | 35mm | ← | ← |
ファインダー | 0.8倍 | 0.75倍 | ← |
最高シャッター速度 | 1/2000 | 1/8000 | ← |
フィルムカウンター | ボディ右上 | ファインダー内 | ファインダー内+ボディ右上 |
バッテリー | SR44*2 | CR2*2 | ← |
スクリーン | 5種類 | ← | ← |
対応CAM | 3/R/ROM | ← | ← |
リリース年 | 1992 | 1996 | 2002 |
サイズ (高さ x 幅 x 奥行き) | 94.8 x 138.5 x 62.2 | 101 x 158 x 62 | ← |
重量 (本体のみ) | 670 | 890 | 790 |
製造数 | 29,629 | 38,551 | 8,050 |
カラー | ブラック | ブラック、シルバー | ブラック、アンスラサイトグレー |
<オプション>
- 14209 [モーター・ワインダー R8/R9] ¥76,500(税別)
- 14313 [モーター・ドライブ R8/R9] ¥125,000(税別)
- 14250 Leica Power-Pack MW-R8(モーターワインダー用NiCad(ニッケルカドミウム)バッテリー)
<参考文献・リンク>