LEICA MACRO ELMAR M 90mm
マクロ・エルマー M 90mm F4のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- LEICA MACRO ELMAR-M 90mm F4 写真例
レビュー
マクロ・エルマー 90mmはMマウント唯一の「マクロ」の名前を冠したレンズ。
レンジファインダーカメラでマクロ撮影を実現するために、レンズとアダプターをセットで販売された。
眼鏡の付いたアダプター「MACRO-ADAPTER-M 14409 *eyes” version」は、マクロ・エルマー90mm専用で、フィルムカメラを含むレンジファインダーMカメラでマクロ撮影ができる。
レンズ単体では焦点距離90mm、開放絞り値F4、4群4枚のシンプルなレンズ構成で、絞り開放から歪み無く抜けの良い写真を得ることができる。作例はすべて絞り開放である。
90mmの中望遠レンズにしては,絞り開放値がF4と少しくらいため、撮影時に油断していると手ぶれ写真を量産する。ISO100フィルムなどは要注意で、しっかりとカメラをホールドして撮影しなければならない。デジタルカメラの場合はISO感度を上げてシャッタースピードを高速にすることができるので、手ぶれ問題はかなり軽減される。
マクロ・エルマー M 90mmはレンズ単体でも満足はできると思うが、マクロアダプターとセットで使うとより楽しい。マクロアダプターを使用した場合、近接撮影では絞り開放のF4で十分なボケが得られ、90mmの焦点距離を生かし、被写体をクローズアップした作品を得ることができる。
しかし、マクロアダプターを使用した撮影では、当然だが被写体に接近するほど、ファインダーとレンズの位置関係からファインダーの見た目と撮影結果の差(パララックス / 視差)が大きくなるため実用性は低くなる。デジタルカメラではプレビューで確認しながら撮影すればイメージ通りの結果を得ることができるが迂遠な感じがする。かといって、ライブビューで撮影するならば、眼鏡付きのアダプターはいらなくなるのでなかなか悩ましい。
このアダプターは本来フィルムカメラで使うアイテムだが、前述のようにパララックスの問題は克服するのが難しいため、このレンズをISO100の36枚撮りフィルムを詰めたM6 TTLで一度だけ使用したが、マクロアダプターは数枚撮影しただけで使用を諦めた。
眼鏡の付いたアダプター「MACRO-ADAPTER-M 14409 *eyes” version」をカメラに装着するときは、まずレンズを周方向に180°回転させて、アダプターに装着してから、カメラに装着する。
マクロエルマー90mmは、レンズ上面(マクロアダプター無しでカメラに装着した際に上側にくる面)に通常使用時の深度メモリとフォーカス範囲、逆側の裏面にはマクロアダプター使用時の深度メモリとフォーカス範囲が刻印されている。普通のレンズは鏡筒下側には製造国の記載くらいしかないので、少々新鮮に感じる。
マクロ・エルマー 90mmの鏡筒は、2003年から2013年の間に製造されたレンズはブラックとシルバーが用意されている。マクロアダプターはブラックのみで、シルバーのレンズもブラックのアダプターを使用する。2014年以降はブラックのみになり、絞りリングの径が大型化されたビッグトップと呼ばれるレンズ鏡筒に変わっている。
「MACRO-ADAPTER-M 14409 *eyes” version」の後継モデルとして、アダプターからめがねが除去された「14652 “universal” version」がリリースされているが、こちらはEVF専用でただの延長リングである。
注記:DR-SUMMICRONは、眼鏡を装着すると近接撮影できるが、名称はDual-Reange(2焦点)であり「マクロ」とは呼んでいない。
仕様
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 90 | |
最大絞り | 4 | |
最小絞り | 22 | |
レンズ構成 | 4群4枚 | |
撮影距離(m) | ∞〜0.77 | 全域カメラ距離計連動 |
マクロアダプター使用時(m) | 0.76〜0.5 | 全域カメラ距離計連動 |
レンズ長(mm) | 59 | 沈同時41mm |
レンズ最大径(mm) | 52 | |
フィルター径(mm) | 39 | |
重量(g) | 230(ブラック) | 320(シルバー) |
マクロアダプター重量(g) | 96 |
参考文献・参考リンク
- LEICA MACRO-ELMAR-M 90mm 公式ページ
- LEICA WikiによるMACRO-ELMAR-M 90mm・説明ページ
- LEICA WikiによるMACRO-ADAPTER-M・説明ページ
更新履歴
- 2024.02.20:改稿
- 2022.04.27:初稿
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