ほぼズミクロン M ROKKOR 40mm(CLE)

MINOLTA M ROKKOR 40mmをEPSON R-D1で使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はEPSON R-D1
レビュー

1.概要
M ROKKOR 40mmはミノルタがレンジファインダーカメラ・CLE向け開発した、焦点距離40mmのレンズ。
基本設計はCL時代のロッコール、ズミクロンCとおなじである。CLE向けのロッコール40mmは一般的な並行カムを採用しており、他のライカMマウントカメラとの互換性が保たれている。
フィルター径は40.5mmでMINOLTA Mマウントの28mm、40mm、90mmで共通している。しかし、ライカのSUMMICRON-C 40mmは39mmで異なるため注意が必要だ。
フードはねじ込み式のラバーフードがあるけれど、40.5mmの汎用ネジ込みフードのほうが見栄えはよい。
参考文献の「世界のライカレンズ P158(リンク先はアマゾンアフィリエイト)」によると、古いCL向けの40mmとはレンズコートが異なるとの記述がある。両レンズの発売年は10年程度違うため、コート用の素材は進化しているであろうから、レンズコートが異なるという見解は正しいと思える。
レンズコートは拭きや経年劣化によって痛んでいくため、現在の中古レンズで比較してもあまり意味は無いと思われる。
2.使用感
M ROKKOR 40mmはEPSON R-D1で使っていた。そのEPSON R-D1はAPS-Cサイズセンサーなので、このレンズは35mm判換算で60mmと標準50mmより少し長めの焦点距離になる。EPSON-R-D1のファインダー枠では、35mmか50mmのファインダー枠を表示して撮影していた。ファインダー枠35mmの場合はその内側、50mmの場合はその外側を意識して撮影することで撮影対象の想定を見誤ることはほとんど無かった。枠の内側を使うファインダー枠35mmを表示して撮影することが多かった。どちらを使うかは好みの問題だ。
HEXANON L39 60mm F1.2を所有していたので、外付けファインダーの60mmは所有しているが、あえて外付けのファインダーを使うメリットは無かった。
ミノルタCLEと一緒に手に入れたレンズで、コンパクトな鏡筒はR-D1にはよくマッチしていた。撮影結果をみても、色のりと解像感はよく侮れないレンズだと感じられる。
3.まとめ
結論として、MINOLTA M ROKKOR 40mmをまとめると、コンパクトな鏡筒で互換カメラを含むM型ライカとよくマッチしている。描写もズミクロン譲りのシャープな描写で高価なSUMMICRON-Cを買うよりも実用レンズとして使える。それも、2020年代にはそれなりに価格高騰しているため、焦点距離40mmが欲しければ、Voigtlanderも視野に入れるのがよい。
仕様・レンズ比較
項目 | SUMMARIT | SUMMICRON C | ROKKOR for CL | ROKKOR for CLE |
焦点距離(mm) | 40 | ← | ← | ← |
最大絞り | 2.4 | 2 | ← | ← |
最小絞り | 16 *1 | 16 | ← | ← |
レンズ構成 | 4群6枚 | ← | ← | ← |
絞り羽根 | 12 *1 | 10 | ← | ← |
最短撮影距離(m) | 0.8 *1 | 0.8 | 0.8 | ← |
レンズ長(mm) | 21 *1 | 23.5 | 22.5 | 24.5 |
レンズ最大径(mm) | 49 *1 | 50 | 51 | ← |
フィルター径(mm) | 37 *1 | 39 | 40.5 | ← |
フード | 円筒ねじ込みフード (Ms-Optics提供) | ゴム製ラッパ型ねじ込みフード・12518 | ゴム製ラッパ型ねじ込みフード | ← |
ヘリコイド・カム | ?・平行カム | シングル・傾斜カム | ← | ダブル・平行カム |
リリース年 | 1995 *2 | 1972 | 1973 | 1981 |
製造本数 | 120,000 *2 | 54,350- | – | – |
重量(g) | 54 *1 | 120 | 125 | 105 |
*2:数字はいずれもコンパクトカメラ、ライカ MINILUXの数字、Ms-Optics改造品の製造本数は数十本と推測される。
参考文献・参考リンク
- MINOLTA CLE WIKI
- 世界のライカレンズ P158に紹介記事あり・Ads by Amazon
- KONICA L39 HEXANON 60mm F1.2・Shige’s hobby
新履歴
- 2024.06.03