NIKON COOLPIX 990

紫のワンポイント

ニコン製デジタルカメラ・クールピックス990のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

クールピックス990(以下、CP990)は2000年に発売された、ニコン製・レンズ一体型デジタルカメラ。
リリースから20年以上経過しているため立派なオールドコンデジだ。

このカメラは某カメラ屋のジャンク市でそれほど高くない値段で売られていたので、興味があり捕獲した。筆者はニコン・クールピックスシリーズをそれなりに買って使用していたが、このCP990は初購入である。

クールピックスは、ソリッドな形状が美しい初代のクールピックス900、ブラックボディに赤ラインが印象的な3代目クールピックス950の2台はリリース時に購入した。CP990は画素数は上がったが、カメラのボディ色がグレーになり、グリップのアクセント色が紫へ変更され、全体的に微妙でリリース時に買うことはなかった。

余談だが日本のメーカーでありがちだが、毎回デザインや配色を変えないと気が済まないのかはわからない。海外のようにしつこく良いデザインを続けるのもブランドとして必要なことだと思う。
また、時期的にもデジタル一眼レフカメラ、レンジファインダーカメラに傾倒していたことも大きい。今に続く大きなセンサーサイズ好きゆえのデジカメ変遷である。

CP990が搭載する300万画素のイメージセンサーは、4:3のセンサーを採用しており、最大解像度 2,048×1,536を記録できる。横方向が2000ピクセルを超えてくると、それなりに使える印象になってくる。

スイバル式クールピックスの持つ実像式光学ファインダーはレンズのズームに連動して撮影範囲は変わるが、撮影者に確認できるのは撮影範囲だけでピント位置は確認できない、フィルムカメラ時代のAFコンパクトカメラと同じ方式である。背面液晶はライブビューなので撮影範囲、ピントが確認できるが、モニターサイズが1インチと小さく解像度も10万ドットなので、正確さにはかける。

ニコンのスイバル式デジカメクールピックスシリーズはCP990まで、単3電池四本でカメラは動作し、エネループなどの比較的電圧の低いニッケル水素電池でも動作する。おそらく一本の電池電圧が1.2V程度で駆動するように作られている。
起動時間は比較的のんびりしており、電源を入れてから撮影可能になるまで2〜3秒程度間があく、スリープ復帰も遅いので、電源を再投入した方が早いと感じる。

記録メディアはコンパクトフラッシュ、画像保存形式はTIFFとJpegで、記録画質はHI/FINE/NORMAL/BASICの4種類から選択できる。HIはTIFF保存となり、1枚10MB程度と大きなサイズになる。FINEがJPEGで1MB程度なのと比べるとファイルサイズが10倍となり、書き込みも10秒程度待つ必要がありかなりの忍耐を要求される。
写りは古いデジタルカメラなので、昨今のスマートホンにも遠く及ばない画質で、ISO100の昼光時でも写真は若干眠く緩い感じがし、夜間のISO400は激しくノイズが発生し解像感も落ちる。夜間は手ぶれ補正機構もないため手ぶれの影響も大きい。AF速度もかなりゆっくりした物で、とっさの場面ではまったくフォーカスが追いつかない。最近のカメラになれた身には相当堪える仕様だと思う。

ニコンのカメラオプションは比較的長く売られることと、様々な機種で使えるように設計されているため、0.63倍ワイドコンバーター(以下、ワイコン)と2倍、3倍テレコンバーター(以下、テレコン)を入手した。テレコンバーターはほとんど使い道がないのだが、値段が安かったのでおまけとして購入した。

0.63倍のワイドコンバーターは、周辺が少しけられるが、24mm相当の画角になるのは、広角レンズ好きとしては必須といいたいところだが、カメラがとても大きくなってしまうのは欠点だ。ワイコンの装着状態は下の写真にあるとおり、頭にキノコが生えたような、なんとも言えないフォルになる。
フィッシュアイは品数が少なく高価ななので手に入れていない。さらに調べていると、TC-E3PF(位相フレネルレンズ採用)などという、いろんな意味で超絶コンバーターも発売されていた。
これはキヤノンでいうところのDOレンズ(積層型回折光学素子)と同じ原理を使用した製品で、レンズに特殊な加工をすることで従来よりもコンパクトなサイズで焦点距離稼ぐことができる。
このTC-E3PFは後付けテレコンにもかかわらず、カメラとほぼ同じ価格の定価8万円という値付けに恐れ入る。残念ながらTC-E3PFはあまり売れなかったようで、市場に出た数は少なく中古で見かけることもほとんど無い。見かけてもかなりイイ値段をしている。
それにしても、ニコンのレンズ一体式カメラにおけるカメラオプション製品の充実ぶりに驚かされる。

仕様・比較

項目COOLPIX 900COOLPIX 950COOLPIX990COOLPIX995COOLPIX4500
カメラ有効画素数100万画素200万画素300万画素300万画素400万画素
焦点距離3 倍ズームニッコールレンズ
f=7~21mm (35 mm 判換算:38~115mm 相当)
F2.6~F4
3 倍ズームニッコールレンズ
f=8~24mm
(35 mm 判換算:38~115mm )
F2.5~F4
4 倍ズームニッコールレンズ
f=8~32mm
(35 mm 判換算:38~152mm )
F2.6~F5.1
4 倍ズームニッコールレンズ
f=7.85 ~32mm (35mm 判換算38 ~155mm )
F2.6 ~5.1
レンズ構成8群9枚8群10枚8群10枚
絞り羽根7枚
撮像素子1/2.7 型 CCD1/2 型 CCD(?)1/1.8 型 CCD 
最大ISO320400800
背面液晶2型・?万画素2型・13万画素1.8型・11万画素1.5型・11万画素
ファインダー実像式
バッテリー単三形4本
1.2V*4
EN-EL1
記録メディアコンパクトフラッシュ
外形寸法(mm)幅 x 高さ x 奥行
157×75×35143×76.5×36.5149×79×38138×82×40130×73×50 
重量(g)360(ボディのみ)350 (ボディのみ)390 (ボディのみ)390(ボディのみ)360(ボディのみ)
リリース年1998.41999.32000.42001.62002.6
価格110,000125,000125,000113,000OpenPrice
(105,000)

WC-E63装着(24mm)

ワイドコンバーター無し(38mm)

TC-E2装着(230mm)

テレコンバーター無し(115mm)

オプション

  • フィッシュアイコンバーター:FC-E8(0.2倍)
  • ワイドコンバーター:WC-E63(0.63倍)
  • ワイドコンバーター:WC-E75(0.75倍)
  • テレコンバーター:TC-2E(2倍)
  • テレコンバーター:TC-E3ED(3倍)
  • テレコンバーター:TC-E3PF(3倍)
  • PC接続キット
フィッシュアイ
FC-E8
ワイド
コンバーター
WC-E63
テレ
コンバーター
TC-E2
テレ
コンバーター
TC-E3ED
テレ
コンバーター
TC-E3PF
レンズ構成4群5枚4群4枚3群4枚3群6枚3群6枚
コンバーター倍率0.2倍0.63倍2倍3倍3倍
合成絞り値変化無し
サイズ?75*29.564*75*78.661*64.3
取付径28mm
フィルター径72mm62mm72mm?
重量(g)205150240260175
対応機種COOLPIX P5100
COOLPIX P5000
COOLPIX 8400
COOLPIX 5000
COOLPIX 4500
COOLPIX 4300
COOLPIX 995
COOLPIX 990
COOLPIX 950
COOLPIX 885
COOLPIX 880
COOLPIX 8400
(アダプタリングUR-E15併用)
COOLPIX 5000
(同UR-E6併用)
COOLPIX 4500 /4300
(同UR-E4併用)
COOLPIX 900シリーズ
価格(¥/税別)45,000-14,000-14,000-29,000-80,000-
備考?焦点距離35mm以降はテレコンを付けない方が画質が良いワイド側でけられが発生する

参考文献・参考リンク

新履歴

  • 2023.07.19
  • 2023.10.03

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