3代目大口径標準 NOCTILUX 50mm F1

LEICA NOCTILUX M 50mm F1 3rdをライカMデジタルで使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影は、LEICA SL typ601、LEICA M10。
レビュー


1.概要
ノクチルックス 50mmは、絞り開放値F1.2からはじまり、F1.0、F0.95と進化している
レンズの区切り様々あるが、筆者は以下の区切りでレンズを認識している。
最初の絞り開放F1のノクチルックスは1975年リリースで、ここで紹介するレンズは、3代目・後期となり、1989年から1992年の間に2400本製造されている。レンズシリアル番号356万台の1991年製造であった。
重量は630gあり、レンズ径は69mm、最短撮影距離は1mとなっている。
初代 | ノクチルックス F1.2 | フック式フード |
2代目 | ノクチルックス F1.0 | フィルター径 58mm ピンひねり式フード |
3代目・前期 | ノクチルックス F1.0 | フィルター径 60mm ピンひねり式フード |
3代目・後期 | ノクチルックス F1.0 | フィルター径 60mm フック式フード |
4代目 | ノクチルックス F1.0 | フィルター径 60mm 内蔵フード |
5代目 | ノクチルックス F0.95 | フィルター径 60mm 内蔵フード |
2.使用感
ノクチルックス 50mmは、ライカMマウント向け大口径標準レンズだ。
絞り開放から使えるレンズを目指しているため大きく重い。
M型ライカに装着するとレンズの存在感が大げさとなり、フードを付けるとファインダー枠にかなりかぶってくる。
このレンズをフィルムカメラで使うことは無かった。デジタルカメラで無駄打ちを気にすることなく、絞り開放のF1で気軽に使った。LEICA M10、LEICA M-P typ240で使うかぎり、それほどピントを外すことなく撮れていた。
独特の描写はファンが多いのもうなずけるけれど、絞り開放ではピント面以外はボケすぎてぼやぼやになる。また、被写体によっては周辺部に偽色があらわれるため使いづらい場面もある。それはある程度絞ると改善する。
光量が少なくなる暗所でシャッター速度を稼ぐために絞り開放F1で撮影すると、玉ボケがラグビーボールになるためあまり好みではない。また、周辺部における像崩れをみて悲しくなることもあった。
最短撮影距離は1mで寄るような使い方をするレンズではないけれど使いどころが制限される。これはミラーレスカメラの延長ヘリコイドを使えば問題を回避できる。
ボディが薄くなったM10に装着したら、撮影機械としてバランスが悪くレンジファインダーカメラの軽快さはなくなる。M Typ240は本体が厚く剛性感があるため、このような重量級レンズを装着する際には頼もしい。


3.まとめ
結論としてNOCTILUX 50mmをまとめると、絞り開放の描写は前後がボケすぎて使いづらい。F2程度に絞ったときの画像は整うけれど、それならばSUMMILUXかSUMMICRONを開放で使うのが実用的だ。
35mmフルサイズセンサーで使用すると、絞り開放のF1では周辺が若干蹴られがみられるため、イメージサークルはギリギリでより大きなセンサーで使う用途には適さない。
仕様・レンズ比較
明るい焦点距離50mmのレンズはいくつかの会社から発売されているが、大口径競争が激しかった1960年代に各社からF1.1、F1.2のレンズは発売されたが、キヤノンの50mm F0.95が1961年に発売されて以降、F1クラスのレンズは発売されなかった。ライカは1966年にF1.2、1975年にF1.0を発売してから継続的にレンズをリリースしている。
Ms-opticsが2019年、コシナ・フォクトレンダーが2022年にそれぞれ、F1.0レンズを発売している。
Ms-opticsのISM-GAは所有しているが、絞り開放での画質はなかなかきびしい物が有り余り使うことがない。
NOCTILUX 50mmとISM-GA 50mmを比較すると、両レンズ共にダブルガウス型の変形となっているが、レンズの位置がかなり異なる。NOCTILUXは通常の大口径レンズと同様に周辺光量のことを考慮してフィルム面から距離をとる形になっている。それに比べて、ISM-GAは小型化を優先するため、レンズ位置をフィルム面に近くしている。このため、絞り開放において周辺減光、収差補正で苦戦している。


項目 | NOCTILUX-3rd | MS-ISM-GA |
焦点距離(mm) | 50 | 50 |
最大絞り | 1.0 | 1.0 |
最小絞り | 16 | 16 |
絞り羽根 | 10 | 16 |
レンズ構成 | 6群7枚 | 5群7枚 |
最短撮影距離(m) | 1.0 | 0.8 |
レンズ長(mm) | 62 | 41 |
レンズ最大径(mm) | 69 | 54.7 |
フィルター径(mm) | E60 | 55 |
重量(g) | 600 | 178 |
フード | 円筒スリット入り、フック式 | ラッパ型ネジ込み |
マウント | ライカM | ライカM |
リリース年 | 1989 | 2019.08 |
定価(税別) | – | -120,000 |
製造者 | LEICA | Ms-optics |
参考リンク
- Leica Wiki NOCTILUX 1 / 50
- MS-ISM-GA 50mm F1 ・Shige’s hobby
- NOKTON 50mm F1・Voigtlander公式ページ
更新履歴
- 2025.4.25
- 2024.10.10
- 2024.03.05
- 2023.10.27
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