復刻フォクトレンダー NOKTON 50mm F1.5 L39

Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical L39(復刻Voigtlander版)をLEICA M8とSONY α NEX-3で使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
写真作例の撮影はLEICA M8とSONY α NEX-3
レビュー


1.概要
NOKTON 50mm F1.5 Aspherical L39は、1999年にコシナからりリースされたフォクトレンダー・ブランドのL39スクリューマウント標準レンズ。
主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。
- 開放F値 1.5
- レンズ構成 5群6枚
- 非球面レンズ1枚
- 絞り羽根 10枚
- 最短撮影距離 0.7m
- ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 0.7m
- フード 専用ネジ込みフード
- レンズカラーバリエーション シルバーとブラック
2.使用感
NOKTON 50mm F1.5 L39 Asphericalの描写は、大口径レンズらしいボケを楽しめるレンズだが、場面によっては初期Voigtlander 非球面レンズを採用したレンズの弱点であるボケの汚さがみえることがある。また、色補正も甘いところがあり、被写体の縁に偽色がでることがある。
このレンズはフォクトレンダー初期L39スクリューマウントの標準レンズで、絞り開放値F1.5の標準レンズとしては大柄なレンズだ。レンズ付け根にフォーカスリング、レンズ先頭に絞りリングがあるデザインとなっている。レンズ径が大きく太いけれどフォーカスリングに指掛かりが無いため、フォーカスしづらさを感じる。
標準添付のレンズフードは深さがなくおまけ程度の遮光性だ。
レンズ構成としては変形型のダブルガウスで、前群は光量確保のために大径化しており、後群は収差補正のため最後端に非球面レンズ(Aspherical)を採用している。
3.まとめ
結論としてNOKTON 50mm F1.5 Aspherical L39をまとめると、設計に古さのみられる大口径標準レンズ。
数多くある50mmのなかで、このレンズを選ぶモチベーションはあまりない。
高ISO感度も手軽に使えるデジタル時代なので、絞り開放値F2程度のよりコンパクトで描写のよいレンズを選択したほうが幸せになれる。個性的な大口径レンズを求めるなら、SUMMILUX 50mmなどが選択候補になる。
仕様・考察
このNOKTON 50mmを含め2000年初頭のコシナ・フォクトレンダーレンズは、レンズ貼り合わせ面のバルサム切れをおこして曇っているレンズが散見される。曇りの影響は曇りの程度に寄るけれど、許容可能か購入前の確認は必要だ。
同時期にリリースされたULTRON 35mm f1.7も非球面レンズを搭載している。
オリジナルのVoigtlander NOKTON 50mm F1.5はVoigtlander PROMINENT向けのレンズだ。PROMINENT向けレンズは比較的安価に出回っており、中華製かMs-Opticsのヘリコイドユニットを装着するとLEICA L39/Mマウントで使用可能となる。レンズ自身がLEICA L39マウントのものもあるが数が少なく非常に高価である。
2代目NOKTON 50mm F1.5 Vintage Lineは、初代NOKTON 50mmとレンズ構成は同じだが、レンズ鏡筒の意匠は先ほどの高価なLEICA L39マウント版 オリジナル NOKTON 50mmを模している。
3代目となるNOKTON 50mm F1.5 Vintage Line IIからレンズ構成が7群8枚へと変更され、本レンズの前後に2枚レンズを足した構成となっている。
初代NOKTONのフィルター径は52mmで3代目は43mmと径が小さくなり、レンズ全長も3代目は37mmと13mm程度短くなっている。レンズ枚数を増やつつも全体を小型化、軽量化しているのはレンズ設計が進歩していることの証左である。
コシナのフォクトレンダーシリーズは多くの焦点距離50mmレンズがリリースされている。そのため、どれを選択するか迷うことも多い。焦点距離50mmはどのレンズを使っても不満のある描写をすることはほぼ無いため、外観デザインの気に入ったレンズを購入するのも一つの手である。
下図のレンズサイズと位置は推測であるため実際とは異なる可能性がある。図はCOSINA配布PDFより引用した。


項目 | NOKTON(初代) | NOKTON Vintage Line | NOKTON Vintage Line II |
焦点距離(mm) | 50 | 50 | 50 |
最大絞り | 1.5 | 1.5 | 1.5 |
最小絞り | 16 | 16 | 16 |
絞り羽根 | 10 | 10 | 12 |
レンズ構成 | 5群6枚 | 5群6枚 | 7群8枚 |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 0.7 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 54.5(49.5) | 45.7 | 36.9 |
レンズ最大径(mm) | 60 | 53.8 | 55.3 |
フィルター径(mm) | 52 | 49 | 43 |
フード | 専用フード | 専用フード | LH-6 |
重量(g) | 243 | 293(シルバー) 220(ブラック) | 198(シルバー・ブラック) 255(ニッケル・ブラックペイント) |
マウント | L39 | VM | VM |
リリース年 | 1999.10 | 2013.06 | 2020.10.22 |
価格(定価・税別) | 65,000(シルバー) 68,000(ブラック) | 125,000(シルバー) 100,000(ブラック) | 100,000(シルバー・ブラック) 115,000(ニッケル・ブラックペイント) |
参考情報
- COSINA PDF(NOKTON 50mm F1.5 Aspherical)
- NOKTON 50mm F1.5 Aspherical・WebArchive 保存ページ
- COSINA PDF(NOKTON 50mm F1.5 Aspherical Line Vintage)
- NOKTON 50mm F1.5 Aspherical Line Vintage・WebArchive 保存ページ
- NOKTON 50mm F1.5 Vintage Line II
- Voigtlander NOKTON 50mm F/1.5 LSM・LENS.DB
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- Photo Yodobashi Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical II VM SC
- Photo Yodobashi Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical II VM MC
- Photo Yodobashi Voigtländer Nokton 50mm F1.5 Aspherical VM
更新履歴
- 2025.7.11
- 2024.9.10
- 2024.04.21
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