中判対応レンズ XENOMAX 50

Ms-Optics XENOMAX 50mm F3.5(宮崎光学)をデジタルカメラで使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
写真作例の撮影は、HASSELBLAD X1DII-50CとLUMIX GM5
レビュー


1.概要
Ms-Optics XENOMAX 50mm F3.5は、2022年にリリースされた、デジタル中判センサー(44x33mm)をカバーするライカMマウントを採用した焦点距離50mmの標準レンズ。
レンズ長33mm、重量63gとデジタル中判センサーをカバーしながら、従来のMs-opticsレンズ同様にコンパクトなレンズ。MS-Optics(宮崎光学)の歴史シリーズのレンズの一つでレンズ構成にクセノタール型を採用し、収差や解像度において高性能を追求したレンズとのこと。
主な仕様は以下の通りで、詳細な仕様は表に載せている。
- 4群5枚のレンズ構成
- 絞りはF3.5〜16
- 絞り羽根は12枚
- 最短撮影距離はミラーレスカメラの場合0.5m
- レンジファインダーカメラの距離計には0.8mまで連動
- フィルター径30.5mm
- フードは30.5mm径逆ネジフードが付属
- 鏡筒は沈胴式
2.使用感
Ms-Optics XENOMAX 50mm F3.5は焦点距離50mmのレンズで、焦点距離50mmは35mm判フルサイズセンサーで使用したとき、デジタル中判センサー(44x33mm)は焦点距離40mm、APS-Cサイズセンサーは75mm、マイクロフォーサーズセンサーは100mmとなる。
写真作例は一番小さなセンサーのマイクロフォーサーズカメラ LUMIX GM5を掲載している。
中判デジタルカメラのHASSELBLAD X1DIIの撮影結果はリンク先に作例を載せている。
マイクロフォーサーズは前述のとおり焦点距離100mmとなるが、画面端まで端正な描写はレンズ中央の描写の良いところだけを使うメリットを感じさせる。
中判デジタルセンサー(44 *33mm)の場合は、画像周辺部の乱れや光量不足をほとんど感じないが、青空を撮影した際に画面の極隅にはケラレが見られる。
操作に関しては、シンプルな鏡筒と無限から最短撮影距離0.5mまで30度程度の浅い回転角から二重像合致のレンジファインダーカメラでは素早い操作が期待できる。EVF系のカメラでは回転角の少なさからピント調整が難しい場合がある。
Raw画像をストレート現像すると、色調はナチュラル、コントラストは少し低めで、派手目の絵にしたい場合は、現像ソフトにてコントラストと彩度を少しあげると印象が変わる。
3.まとめ
結論としてMs-Optics XENOMAX 50mm F3.5をまとめると、デジタル中判センサーをカバーする標準レンズ。
50mmのレンズは極められている存在であり、他社との差別化は難しい。このレンズも描写に飛び抜けた特徴があるわけでは無く、このレンズならではという個性は感じられない。
仕様・考察
このレンズの名前はテスト時はXENORという名称だったが、レンズ性能がMs-optics史上もっとも高性能であるため、リリース時にXENOMAXに変更された。
Ms-opticsは標準レンズを多くリリースしており、ライカ、フォクトレンダー同様に、撮影目的に応じて絞りの明るさを選ぶ事ができる。以下レンズ名称と絞り開放値を記載する。いずれのレンズも他社の同スペックのレンズと比較すると、軽量、コンパクトに仕上がっている。
- GA-ISM=1.0
- SONNEATR=1.1
- SONNETAR(MS-MODE-S)=1.3
- VARIO PRASMA=1.5
- APOQUALIA-H=3.5
- XENOMAX =3.5
- LUMITAR =3.5
ライカ・エルマーなどと同じ仕様の絞り開放F値 F3.5のレンズは構造的な限界により、他社のレンズとそれほどサイズは変わらずMs-Opticsの特徴がだしづらいレンズだ。
Ms-opticsの標準レンズには絞り開放値:F2のレンズがないが、ペッツバールオマージュのレンズ、Ms-Optics PETZ が57mm F2のスペックとなっている。

項目 | XENOMAX | APOQUALIA-H | MS-MODE-S |
焦点距離(mm) | 50 | 50 | 50 |
最大絞り | 3.5 | 3.5 | 1.3 |
最小絞り | 16 | 22 | 22 |
絞り羽根 | 12 | 12 | 12 |
レンズ構成 | 4群5枚 | 3群5枚 | 4群5枚 |
最短撮影距離(m) | 0.5 | 0.85 | 1.0 |
レンズ長(mm) | 33 | 38 | 36 |
レンズ最大径(mm) | 50 | 50 | 51 |
フィルター径(mm) | 30.5 | 30.5 | 49 |
重量(g) | 63 (M) | 90 (L39) | 165 (L39) |
フード | 30,5mm逆ネジ込み | 30,5mmネジ込み | 専用スリット付き49mmネジ込み |
マウント | ライカM | ライカL39 | ライカL39 |
リリース年 | 2022 | 2009 | 2006 |
定価(円・税別) | ¥80,000 | ¥65,000 | ¥100,000 |
参考情報
- Wikipediaによるクセノタールレンズの説明
- XENOMAXをX1DIIで使用したレポート・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.7.12
- 2025.3.6
- 2024.11.12
- 2024.03.10:更新
- 2023.05.29:更新
- 2022.12.27:初稿
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