大口径標準レンズ NOKTON VM 50mm F1.1

大口径標準レンズ NOKTON VM 50mm F1.1
eye catch

Voigtlander NOKTON 50mm F1.1 ライカVMマウントをフィルムレンジファインダーカメラとデジタルレンジファインダーカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。

レビュー

Voigtlander NOKTON 50mm F1.1Voigtlander NOKTON 50mm F1.1 +LEICA M8.2

1.概要

Voigtlander NOKTON 50mm F1.1はコシナ・フォクトレンダーの大口径標準レンズ。
2022年に発売されるNOKTON 50mm F1.0発売までは、コシナ Voigtlanderブランドでもっとも明るいレンズだった。

主な仕様は以下のとおりで、詳細は仕様と考察などに記した。

全球面レンズ、絞り羽根 10枚、最短撮影距離 1m、レンズ径 約70mm、レンズ全長 57mm、重量 428g。

オプションで専用フードLH-7が発売されている。リンク先のアマゾンアフィリエイトリンク・リンク先はプレミア価格で定価は5000円くらいだ。

2.使用感

Voigtlander NOKTON 50mm F1.1は、フィルムカメラ HEXAR-RF、デジタルレンジファインダーカメラ LEICA M9、LEICA M8.2、EPSON R-D1 xGとさまざまなカメラで使用した。
大柄でしっかりとした作りの鏡筒とマニュアルレンズらしいしっとりとしたヘリコイドでフォーカス操作は気持ちよくできる。この太く大柄な鏡筒のためレンジファインダーカメラのファインダー覗き窓に鏡筒がかぶるため、ファインダーの見通しがよくないという欠点がある。

撮影結果はいずれのカメラにおいても満足のいくもので、その描写は大口径レンズらしく絞り開放ではピント位置を外れると崩れるようにボケていくが、撮影結果をみると絞り開放の後ボケが美しくない場面も存在する。

各カメラで35mmフィルム判換算焦点距離は以下のとおりとなる。

  • HEXAR-RF:50mm
  • LEICA M9:50mm
  • LEICA M8.2:67mm(換算係数 x1.33)
  • EPSON R-D1 xG:75mm(換算係数 x1.5)

■フィルムカメラ

フィルムカメラの撮影結果は中央部の解像感は申し分なく、リバーサールフィルムも余裕で使える。気になる点は絞りをF4程度にしていても、場面によっては周辺四隅に減光が感じられることだ。

■デジタルレンジファインダーカメラ

35mmフルフレームセンサーを搭載したLEICA M9の撮影結果は、フィイルムカメラ同様に周辺四隅にわずかに乱れと減光がみられるため、風景など全面をクリアに撮りたい場合不満が残るかもしれない。対策としては少し広めにとっておき周辺部は必要に応じてカットしてしまった方が結果としてはよいかもしれない。

これに比べてセンサーサイズが小さくなるAPS-Hサイズセンサー、APS-Cサイズセンサーの撮影結果は、問題となる周辺四隅はセンサーサイズによって強制的にカット(クロップ)されるため、画面全体の均質性はよくなる。その分35mm換算の焦点距離は長くなってしまうので撮影場所の後方に余裕が必要になる。APS-Hサイズセンサーの67mmはそれほど狭く感じないが、APS-Cサイズセンサーの75mmは使用時の印象が50mmとはかなり異なる。

3.まとめ

結論としてVoigtlander NOKTON 50mm F1.1をまとめると、明るく大きく重い標準レンズ。
この明るさが必要な撮影者にはリーズナブルなレンズだ。

描写についてはレンジファインダーカメラ向けの大口径50mmレンズは選択肢が多いため、実際に使用して描写が気に気に入るレンズを使うのがよいだろう。

仕様・考察など

Voigtlander NOKTON 50mm F1.1の上に存在するVoigtlander NOKTON 50mm F1を比較すると、新型の50mmF1は非球面レンズを採用しレンズ鏡筒が短くなり径は大きくなっている。レンズ構成図を見るかぎり鏡筒径も同等か細くできそうだがレンジファインダーカメラのファインダー枠に邪魔になりそうで、ミラーレスカメラに照準を絞っているのかもしれない。

しかし、新型レンズは20万円近くするため、ずいぶん高くなった印象があり、使ってみたいところではあるがいまところ入手するのはためらわれる。

Voigtlander NOKTON 50mm F1.1は、中古市場でこのレンズの価格を見ると驚きのプライスで並んでいることがある。そもそも定価の時点でノクチルックスの1/10程度と破格のプライスなのだが、安めの中古では定価の半額程度と更に安くなっている。

この不人気については以下のような理由が考えられるが、ネガティブな条件を振り払って大口径レンズを手にするのは生粋の大口径レンズマニアのみで中古価格が下がっていくものと考えられる。

  • レンズが2009年発売と中途半端に古い。
  • 明るくて大きなレンズは普段使いには向かない。
  • よりコンパクトで写りに不満のない50mmレンズは星の数ほどある。
  • 50mmはズームレンズでまかなえる。焦点距離
Voigtlander NOKTON 50mm F1.1Voigtlander NOKTON 50mm F1.0
項目Voigtlander NOKTON 50mm F1.5Voigtlander NOKTON 50mm F1.1Voigtlander NOKTON 50mm F1
焦点距離(mm)505050
最大絞り1.51.11.0
最小絞り221616
絞り羽根101012
レンズ構成5群6枚6群7枚7群9枚
最短撮影距離(m)0.91.00.9
レンズ長(mm)54.557.255
レンズ最大径(mm)6069.673.6
フィルター径(mm)525862
マウントL39VMVM
重量(g)243428484
リリース年1999.102009.6.292022.1.26
価格(定価・税別)¥65,000¥131,250¥225,000

参考情報

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更新履歴

  • 2025.10.14
  • 2025.6.24
  • 2024.05.16:更新
  • 2024.02.19:更新
  • 2023.10.22:初稿

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