RICOH GXR
世界初レンズユニット交換式デジタルカメラ
リコー製デジタルカメラ GXRのレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
レビュー
1.使用感
リコー GXRは、リコーの変わり種デジタルカメラの一つだ。
すべてのユニットについて使用したわけではないが、28mm相当レンズユニットA12-28mm1、ライカMマウントユニットMount-A122について記す。
GXRは2度購入していて、最初に購入したのは2011年、二度目は2017年である。一度目はライカMマウント用ユニットMOUNT-A12、リコーと言えばGRの系譜に連なる28mm相当は外せないと言うことでレンズユニットA12-28mmを購入した。
2017年は、ちょうど価格が底の時期で、S10 24-72mm F2.5-4.4 VC3とMOUNT-A12を購入した。
GXR自身が古いカメラなので、A12-28mm、MOUNT-A12など、データ処理量が大きいAPS-Cサイズセンサーを積んだユニットはすべての動作がもっさりしており、町中でスナップを軽快に撮るフィルムのGR1と同じような感覚で撮影することはできなかった。
MOUNT-A12は2011年に発売されライカMマウント、L39マウントレンズが使えて、exif記録のためにレンズ焦点距離を入力できるなど良い点もあった。撮影したの画像を見ていると、さすがにレンズの特徴をよく引き出したセンサーだと感心する。もっさりとした動作でなければもう一度使いたくなる画質だ。
2011年は、35mmフルサイズセンサーを搭載したLEICA M9が主力カメラであったため、APS-Cサイズセンサー +ライカMマウントにそれほどありがたみもなく、液晶ビューファインダー VF-24の視認性の悪さと、動作の遅さからすこし使ってGXRシステムはすべて売ってしまった。
デジタルカメラにおいて液晶表示などのボディ部分がもっとも高価であれば、このコンセプトも成立したのだろうが、デジタルカメラでもっとも高価なのはシャッター、センサー、画像処理装置ということで、GXRはレンズユニットを買うたびにデジカメ1台を買うような感じで、このコンセプトは残念ながら失敗であった。プリンターユニットまで企画されていたのは、リコーがそれなりに本気だったことの証かもしれない。
2.カメラ概要
GXRはリコーが2009年に発売した、レンズユニット交換式のデジタルカメラ。
GXR自身はバッテリーと液晶ディスプレイを搭載した電子機器となる。
デジタルカメラの核となる、画像処理チップ、レンズ、シャッターなどをまとめたユニットは以下の6種類が発売された。
- S10 24-72mm F2.5-4.4 VC(1/1.7,1000万画素)
- A12 50mm F2.5 MACRO(APS-C,1200万画素)5
- P10 28-300mm F3.5-5.6 VC(1/2.3,1000万画素)6
- A12 28mm F2.5(APS-C,1200万画素)
- MOUNT-A12(APS-C,1200万画素)
- A16 24-85mm F3.5-5.5(APS-C,1600万画素)7
GXRレンズユニット仕様一覧
焦点距離 | A12 50 | A12 28 | A16 24-85 | MOUNT A12 | S10 24-72 | P10 28-300 |
センサー | APS-C | ← | ← | ← | 1/1.7 | 1/2.3 |
画素数 | 1230 | ← | 1620 | 1230 | 1000 | ← |
焦点距離 | 50 | 28 | 24-85 | – | 24-72 | 28-300 |
開放F値 | 2.5 | ← | 3.5-5.5 | – | 2.5-4.4 | 3.5-5.6 |
手ぶれ補正 | なし | ← | ← | ← | あり | ← |
最短撮影距離(mm) | 70 | 200 | 250 | – | 10 | ← |
オプション1 | – | 外部ファインダー GV-1 | 自動開閉式レンズキャップ LC-3 | – | 自動開閉式レンズキャップ LC-2 | ← |
オプション2 | – | 外部ファインダー GV-2 | レンズフード LH-2 | – | テレコンバージョンレンズ TC-1 | – |
オプション3 | – | レンズフード LH-1 | – | – | ワイドコンバージョンレンズ DW-6 | – |
オプション4 | – | – | – | – | フード&アダプター HA-3 | – |
カメラを駆動させる電池は、リチャージャブルバッテリーDB-908 (3.6V)を採用しており、こちらはフジフィルムのNP-95と形状、電圧が同じであるため互換性がある。また、各社から互換バッテリーは販売されており、2024年現在も入手は容易である。
3.競合との比較
MOUNT-A12の競合は、ライカMマウントレンズを使用できる、EPSON R-D1とAPS-Cサイズセンサーを積んだミラーレスカメラだろう。マイクロフォーサーズはセンサーサイズが小さいため同じ土俵に乗ることは難しいと考えられる。
EPSON R-D1は2004年の発売、2010年にソニーがミラーレスカメラNEX-3、NEX-5というAPS-Cサイズセンサーを積んだミラーレスカメラを発売され、ソニーEマウント向けのライカMマウントレンズアダプターが各社からリリースされている。
APS-CサイズセンサーでライカMマウントを使うというユーザーの多くは、ソニーかエプソンユーザーであったと推測される。自身もR-D1は使っていたし、NEX-5とMマウントアダプターでMマウントレンズを使うことはやっていた。
フジフィルムのX-Pro1は2012年の2月の発売で、それよりはGXR MOUNT-A12は先行していたことになる。結果論だが他社の競合プロダクト発売時期から考えると、MOUNT-A12が2009年にGXRと同時リリースされている、もしくは1年遅れの2010年であれば、市場へのインパクトがあり,もう少し販売量も伸びたように思われる。残念ながら2011年発売のMOUNT-A12は発売時期が遅すぎた。
もしくは、2011年に35mmフルサイズセンサーを積んで、10万円程度の価格が実現できれば、そうとうなインパクトをもって市場に受け入れられたかもしれないが、比較的低価格な35mmフルサイズセンサーのキヤノン EOS06Dが2012年末の発売で、コンパクトな35mmフルサイズセンサー搭載のミラーレスカメラ、ソニーのα7が2015年発売なので、2011年当時の技術でGXRに搭載できるサイズで低価格な35mmフルサイズユニットの開発は困難であったと考える。
仕様・比較
モデル名 | GXR | GX100 | GX200 |
有効画素数(万画素) | 可変 | 1000 1/1.75 | 1240 1/1.7 |
焦点距離(mm) 35mm判換算 | 可変 | 24-72 | 24-72 |
ファインダー | 外付け | ← | ← |
最高シャッター速度 | 可変 | 1/2000 | ← |
バッテリー | DB-90 | DB-60 | ← |
背面液晶 | 3.0型カラー液晶 92万画素 | 2.5型カラー液晶 23万画素 | 2.7型カラー液晶 46万画素 |
記録メディア | SD/SDHC | ← | ← |
サイズ(mm) (高さ x 幅 x 奥行き) | 70 x 114 x 38 | 58 x 112 x 25 | ← |
重量 (本体のみ) | 160+レンズユニット | 220 | 208 |
カラー | ブラック | ← | ← |
リリース年 | 2009年 | 2007年 | 2008年 |
オプション
- 液晶ビューファインダー VF-2
- ケーブルスイッチ CA-1
- ACアダプター AC-5
- リチャージャブルバッテリー DB-90
- バッテリーチャージャー BJ-9
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.8.30
- 2024.03.24:初稿
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- RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC・アマゾンアフィリエイトリンク ↩︎
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