SIGMA 18-50mm F2.8-4.5 DC OS HSM

大柄な手ぶれ補正機能付き標準レンズ

シグマ・18-50mm F2.8-4.5 DC OS HSMのレビューと作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はSIGMA SD15

レビュー

  1. レンズの概要
  2. 使用感
  3. APS-Cサイズセンサー向け・標準レンズ

1.レンズ概要

18-50mm F2.8-4.5 DC OS HSMは、2009年にシグマがリリースした、APS-Cサイズセンサー向け、手ぶれ補正機能付き標準ズームレンズ。

レンズ名にDC OS HSMがついており、”DC”記号はAPS-Cサイズセンサー向けレンズ、”OS”はOptical Stabilizerの略で光学式手ぶれ補正搭載、”HSM”は超音波モーター駆動となっている。

焦点距離は18mm~50mmとなっており、APS-Cサイズセンサーは各社で微妙にサイズが異なるため、35mm判換算焦点距離を以下表にまとめた。

実焦点距離35mm版換算焦点距離手ぶれ補正機構
SIGMA(x1.7)18~5031~85あり
NIKON(x1.5)18~5027~75あり
CANON(x1.6)18~5028.8~80あり
SONY(x1.5)18~5027~75なし
PENTAX(x1.5)18~5027~75あり

絞りは最広角の18mmがF2.8で、最望遠の50mmがF4.5と焦点距離によって変化する。

シグマSAマウント版は、カメラ側から絞り値を操作するため絞りリングは無く、ズームリング、フォーカスリング、AF/MFの切り替え、OS切り替えのスイッチがついてる。レンズ位置指標は印刷のみの簡素なものである。

手ぶれ補正のOptical Stabilizer(以下、OS)表記だが、鏡筒側の印刷は上面にあるものと、側面にあるものが存在し、これはロットの違いと思われる。レンズ正面に”OS”と表記もある。
また、ソニー・一眼レフα向け(Aマウント)のレンズは「18-50mm F2.8-4.5 DC HSM」となっており、レンズから光学式手ぶれ補正機構が省かれている。
おそらくソニーカメラはボディ側に手ぶれ補正機構(昔はKONICA MINOLTAの名称でAnti Shakeと呼んでいた)を搭載しているため、このレンズがリリースされた時代、ボディ側とレンズ側の手ぶれ補正を協調動作させるなどの制御が難しかったため、ソニーAマウント版は機構が取り外されたと考えられる。

しかし、ペンタックスも同様のボディに手ぶれ補正機構を搭載しているが、こちらのマウントにはOS機構を搭載しており、ソニーとペンタックスで両メーカーで対応が別れている理由は不明だ。

2.使用感

ズームリング、フォーカスリングともにシグマのオートフォーカス(以下、AF)レンズの流れを汲んだレンズで、それなりにスカスカの回転トルクである。AF時のマニュアルフォーカス割り込みもないため、基本的にAFで使うことを想定したレンズだ。

AFモーターにはHSM、超音波モーター駆動

写りはごく普通に使えるズームレンズで、大きな不満は無い。場面によっては歪むと思われるが、ソフトウェア的に補正できるため大きな問題にはならないだろう。

SD14、SD15の時代には十分なレンズの描写クオリティと感じるが、SD15の処分時にレンズも一緒に処分したため、SD1、SD quattroで使用したことはない、より高画素のカメラにおいて描写性能が満足するかは不明である。

同時代にいくつか、APS-Cサイズセンサー向けの標準レンズは存在するが、このレンズを選んだ理由は、シグマSDシリーズのカメラは手ぶれにシビアであり、撮影時に光学式手ぶれ補正機構を搭載していることが、その保険になると考えてこのレンズを選んだ。

その購入の決め手となった、手ぶれ補正の効き具合だが、シャッター速度が稼げる晴天時にはほとんど恩恵を感じない。夜間や薄暗いときに使うと恩恵があるのかもしれないが、SD15では夜景を撮ることも少なく、残念ながら光学式手ぶれ補正の恩恵にあずかることはほとんど無かった。他社を含めの標準ズームレンズで光学式手ぶれ補正のついたレンズを使用した経験があるが、その恩恵を実感したことはそれほどない。やはり手ぶれ補正機構は中望遠レンズでこそ恩恵が感じられる。

3.APS-Cサイズセンサー向け・標準レンズ

シグマはデジタル向け標準ズームレンズを数多くリリースしている。この同じ焦点距離のレンズとして、F値が暗い最廉価レンズ「18-50mm F3.5-5.6 DC  *1」、F値がズーム全域でF2.8の高級レンズ「18-50mm F2.8 EX DC *1」が存在している。

シグマは、APS-Cサイズセンサー向けの標準レンズにも大口径のレンズを積極的に投入しており、廉価レンズしか投入しないカメラメーカー、他のサードパーティと一線を画している。これはシグマ自身がカメラメーカーであり、自社カメラ向けに高性能なレンズを供給する必要性のためと考える。

18-50mm F2.8-4.5 DC OS HSMは、OS機構を搭載したためか、このレンズより望遠端が明るいF2.8通しの18-50mm F2.8 EX DCよりも大きなレンズになってしまったのは残念なところである。

また、シグマには似たような名称のレンズが多いため、中古で見かけたときはよく確認しないと思っていたレンズと異なる物を手にする可能性があるので注意が必要だ。

仕様・比較

項目18-50mm F3.5-5.6 DC18-50mm F2.8-4.5 DC OS HSM18-50mm F2.8 EX DC
焦点距離(mm)18-50
最大絞りF3.5-5.6F2.8-4.5F2.8
最小絞り22
絞り羽根7
レンズ構成8群8枚12群16枚13群15枚
最短撮影距離(m)0.250.30.28
レンズ長(mm)6088.684.1
レンズ最大径(mm)67.57474.1
フィルター径(mm)5867
重量(g)250395445
フード専用丸形フード
LH630-02
花形フード
LH730-02
リリース年2003.11
2008.8(Nikon用HSM搭載版)
2009.52004.8
対応マウントCANON EF
NIKON-F
SIGMA-SA
PENTAX-K
SONY-A
価格(税別)20,000-31,000-70,000-

参考文献・参考リンク

更新

  • 2025.06.30

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