MS-MODE-Sを復刻 SONNETAR 50 F1.3

MS-MODE-Sを復刻 SONNETAR 50 F1.3

ゾンネタール 50mm F1.3のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • SONNETAR 50mm F1.3 写真例(Leica M-P使用)
Budda image・仏像
Ms-optics Sonnetar f1.3 50mm LEICA M-P Typ240-Iso: 200
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レビュー

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1.概要

ゾンネタール 50mm F1.3は2022年にMs-Optics(宮崎光学)からリリースされた大口径標準レンズ。
本レンズはMs-opticsが2009年に初めてリリースしたMS-MODE-S 50mm F1.3のリニューアルバージョンとなる。

主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。

  • 開放F値 1.3
  • レンズ構成 4群6枚
  • 絞り羽根 10枚
  • 最短撮影距離 0.7m
  • ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 0.8m
  • フード 専用の逆ネジ・ネジ込みフード
  • レンズカラーバリエーション シルバー、ブラック、ブラックペイント
  • レンズ長35.5mm
  • レンズ最大径49mm
  • 重量123g
  • レンズフィルター 49mmで通常と逆方向に装着。

2.使用感

ゾンネタール 50mm F1.3は旧型のMS-MODE-Sとくらべて、外観は専用の鏡筒でコンパクトになっており、描写は絞り開放時、絞ったときの両方で撮影画像の解像度が上がりキレが増している。
これは旧型とレンズ構成が同じなので設計変更による改善では無く、2022年最新のレンズコーティング、鏡筒、レンズを含めた製造精度の向上などが性能改善に寄与していると考えられる。

絞りはMs-Opticsレンズ共通のクリックレス仕様となっており、絞り環の設置位置に不満はないけれど、絞り環が若干ゆるいため意図しない変更がおこることがあるため、もう少し絞り環の回転に重さがあればよい。

後玉部にコマ収差を補正をする機能がついており、標準では3mに位置しており、この位置ではライカレンジファインダーの距離計連動が可能である。コマ収差補正機能には、0.75、1、1.5、3、∞位置に指標が打ってあり、ミラーレスカメラの場合、収差の違いによる描写の違いを楽しむことができる。

3.まとめ

結論としてSONNETAR 50mm F1.3をまとめると、その特徴はMs-Opticsレンズに共通するコンパクトな鏡筒と軽さだ。

2025年現在、Ms-Opticsレンズを中古市場でも見かけることは少ないので、購入する機会が少ないという問題があるため、見かけたときに納得できる価格であれば買うというスタンスが適当だろう。

2010年代中頃のMs-Opticsレンズは、レンズ仕様の割に価格が安いという特徴があり、他メーカーとくらべて購入するモチベーションがあった。
2020年代に入ると様々な事情から価格は上昇しており、価格はライカ以外のメーカーレンズと同等、中華レンズにくらべると割高になっていることは認識する必要があるだろう。

Ms-Opticsのゾナー型50mmレンズにはMS-SONNETAR 50mm F1.1があり、2つのレンズのどちらかを所有するかを考えるとMS-SONNETAR 50mm F1.1を選択する。それはMS-SONNETAR 50mm F1.1をF1.4程度に絞ると、SONNETAR 50mm F1.3の解放よりよい描写をするためだ。

・旧型MS-MODE-S

概要に記載したとおり、2009年発売のMS-MODE-SはSONNETAR 50mm F1.3のベースとなるレンズだ。

両レンズの大きな仕様の違いは最短撮影距離が、MS-MODE-Sの1mからSONNETAR 50mm F1.3は0.7m(距離計連動は0.8m)に短縮されたことだ。

MS-MODE-Sの描写は絞れば高解像度になるけれど、絞り開放は画面にフワフワしたぼやけが、SONNETAR 50mm F1.3よりも目立つ。

また、MS-MODE-Sはレンズ鏡筒に既存レンズを改造するための、MS-50ヘリコイドが使われている。そのため、レンズ部とヘリコイド+マウント部を分離することができ、マウント部はL39スクリューマウントとニコンS、コンタックスCマウントの2つが提供されている。

この旧型MS-MODE-S 50mm / F1.3はリンク先記事で紹介している。

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・兄貴分:SONNETAR 50mm F1.1

Ms-Opticsの宮崎氏はゾナー型のさらなる大口径化を目指して設計をおこない、MS-MODE-Sの2009年の4年後にMS-SONNETAR 50mm F1.1をリリースする。このレンズは明るさを向上させるために、レンズ直径は5mm増えているが全長はほぼ同じでF1.1のレンズとしては破格にコンパクトにできている。下のレンズ構成図を見てもほぼ同じサイズなことが確認できる。

  • レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
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仕様・レンズ比較

項目SONNETAR 50mm F1.3SONNETAR 50mm F1.1
焦点距離(mm)5051.7
最大絞り1.31.16
最小絞り1616
絞り羽根1014
レンズ構成4群5枚4群5枚
最短撮影距離(m)0.7(0.8距離計連動)0.85
レンズ長(mm)35.536
レンズ最大径(mm)5055
フィルター径(mm)4955
重量(g)110190
フード専用ラッパ型49mm逆ネジ込み専用ラッパ型55mm逆ネジ込み
マウントライカMライカM
リリース年20222013.6
価格¥100,000¥108,000

参考リンク

更新履歴

  • 2025.4.10
  • 2024.11.29
  • 2024.07.09:改稿
  • 2024.02.16:改稿
  • 2022.03.08:初稿

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