赤目盛り SUMMARON 28mm F5.6

赤目盛り SUMMARON 28mm F5.6

LEICA SUMMARON 28mm F5.6(ライカL39スクリューマウント版)をデジタルカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はLEICA M8.2、EPSON R-D1、RICOH GXR A12

レビュー

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1.概要

SUMMARON 28mm F5.6は、1954年にリリースされたライカL39スクリューマウントの広角レンズ。
正式名称は、Ernst Leitz Gmbh Wetzler Summaron f=2.8cm 1:5.6
マウントはスクリュー(L39)マウントで、Mマウントカメラで使用する場合は、L/Mアダプターを使用する。

レンズ構成は4群6枚でガウス型となっており4群のレンズのうち、前後の2群に貼り合わせレンズを採用している。

レンズフードは専用のSOOBK、フィルターは34mmのネジ込みと、A36のかぶせを使うこともできる。

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2.使用感

SUMMARON 28mm F5.6はコンパクトでまとまりのよいデザインで、レンズスペックは低いが文字に入れられた赤色のアクセントから赤ズマロンとも呼ばれる人気レンズだ。

所有していたレンズは167万台で1961年ドイツ製造、古いレンズのため鏡筒は少しガタつき、レンズは曇り、絞り羽に油が付着していた。

描写はガラス6枚のシンプルな構成をもち、作例にあるように桜の花びら、猫の毛などピント合焦部分は緻密な描写をし、ピントを外したところはF5.6とは思えないほどボケる。

絞り開放F値5.6は日中の撮影では問題ないけれど、夕暮れや夜になるシャッタースピードが低下し手ブレをおこしやすい。とくに、ISO感度を余り上げたくないデジタルカメラであるLEICA M8、EPSON R-D1などは要注意だ。

フード込みで購入したズマロン 28mm、専用フードSOOBKは結構レア縮緬塗装がとても美しい。所有していたフードを見るかぎり縮緬塗装の表面は丈夫なようでフード全体にスレは見らたが、フード表面におおきな傷はなかった。
しかし、持っていたフードは板バネを押し込んでフードをレンズに固定するネジを緩む方向にに回していくと外れてしまった。通常このようなネジは紛失防止のため抜け防止加工がされている。ネジ底部のストッパーが破損していたのかもしれない。

製造本数は1万本弱で年月の経過から良個体は減少し2020年代は中古市場で見かける頻度もへってきた。そのため中古価格は上昇傾向だ。

3.まとめ

結論としてSUMMARON 28mm F5.6をまとめると、絞り開放からピント位置はシャープに描写し、絞り値がくらいけれどに素直にボケる。コンパクトで取り回しのよいレンズで小さなカメラに装着して、晴天下でスナップ撮影をすることに向いたレンズだ。

仕様・レンズ比較

SUMMARON 28mm F5.6と次にリリースされたELMARIT 28mm F2.8 初代を比べると、レンズ外観はELMARITの大きさがよくわかる。これは絞り2段分明るいためだ。
販売時期はオーバーラップしており市場に両製品が並んでいたはずで、当時市場で両レンズがどのような評価だったのか興味深い。

2016.11.02にLEICAからレンズマウントをMマウントに変更した復刻版のSummaron 28mmを発売した。
鏡筒形状はほぼオリジナルを踏襲しており、変更点はフォーカスリングのノブ形状、フードの仕上げだ。とくに、旧Summaron28mm用フードSOOBKの特徴であった縮緬塗装はなくつるっとした仕上げになっている。

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項目SUMMARONELMARIT 1st
焦点距離(mm)2828
最大絞り5.62.8
最小絞り2222
絞り羽根88
レンズ構成4群6枚6群9枚
最短撮影距離(m)1.00.7
レンズ長(mm)1842
レンズ最大径(mm)4952.5
フィルター径(mm)3448
シリーズ7
マウントL39ライカM
重量(g)150242
製造本数9,1693,200
リリース年1954-19711964-1966

参考情報

更新履歴

  • 2025.5.23
  • 2024.07.18
  • 2024.02.26
  • 2022.04.22

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