ミニマム広角 Hektor 28mm F6.3

ミニマム広角 Hektor 28mm F6.3

LEICA HEKTOR 28mm F6.3をフィルムカメラとデジタルカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影はLEICA M6 +KODAK E100VS、LEICA M9。

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

ヘクトール28mmは、1935年から1950年まで製造された広角レンズ。15年間に11255本作られている。

マウントはスクリュー(L39)マウントで、Mマウントカメラで使用する場合はL/Mアダプターを使用する。

レンズ構成は3群5枚でトリプレットレンズから派生したレンズで、3群レンズのうち、前玉と後玉が貼り合わせになっている。フィルターは34mmネジ込みか、A36かぶせを使う。フードは前枠に装着するラッパ型 SOOHNで中古市場ではとても高価だ。

レンズ外装はクロームとニッケルがあり、レンズ構成は同じだけれど、時代によってコーティングに違いがある。ニッケルの製造数は少なくプレミアム価格になっており、クロームは数が多いためそれなりにリーズナブルな価格で店頭に並んでいる。

2.使用感

ヘクトール28mmは小さいレンズなので操作性は良好とは言えない、絞りリングはレンズ前面にあるためフードやフィルターを付けると変更しづらい。しかし、絞り開放F値は6.3と暗いため絞り開放から変更する絞る場面は少ない。

作例にあるように、フィルムカメラで露出を切り詰めて、落とすところは落として使うと魅力的なレンズだ
レンズ厚み25mmでコンパクトさが魅力。しかし、絞り開放F値6.3と暗いレンズのためフィルムカメラで使用する際には日中野外くらいしか使う場面はない。
しかし、2020年代のデジタルカメラは高ISOが常用できるため使い易くなった。しかし、デジタルカメラでF値が暗いレンズを使用する際はセンサー上にあるゴミが映りこむことがある。そのため、撮影前にセンサー表面のゴミは取り除く必要があり、とくにセンサー中央付近にゴミがのっていると撮影結果をみてがっかりすることになる。

フォーカスレバーは約180度と大きな回転角でフィルム時代はF8に絞ってパンフォーカスで撮っていれば、フォーカスレバーを操作する機会は少ない。
デジタルカメラは厳密にフォーカス位置を決めなければピント位置がずれて少しぼやけた写真になるため、フォーカスリングを触る機会は多くなり、微調整しやすい180度という角度はメリットになる。

周辺光量落ちはほとんどみられないけれど、周辺部で描写が甘く古いレンズの欠点も見えてくる。また、前玉と後玉の貼り合わせ面にバルサム切れが発生して曇っている個体も多い。

1990年台から2000年初頭は開放F値 6.3と暗いため、不人気レンズでかなり安く購入できるレンズの一つであったが、2020年台になりオールドレンズの価格高騰に引きずられて本レンズの価格も上昇している。

3.まとめ

結論としてHEKTOR 28mmをまとめると、このコンパクトさは現代のレンズにはない魅力であり、スタイリングに惚れ込んだら所有する価値はある。

画質面などは古いレンズなりであり、購入時はプライスに見合うレンズか判断する必要がある。レンズのオリジナル性能を楽しみたい場合は、復刻されたSUMMARON 28mm F5.6もよい選択肢だ。

フォクトレンダー、中華レンズなど、レンジファインダーカメラ向け28mmは2020年代も製品が充実しており、選択肢は多い。

仕様・レンズ比較

Before imageAfter image
項目HEKTORSUMMARON
焦点距離(mm)2828
最大絞り6.35.6
最小絞り2522
絞り羽根68
レンズ構成3群5枚4群6枚
最短撮影距離(m)1.01.0
レンズ長(mm)18
レンズ最大径(mm)4949
フィルター径(mm)3434
レンズフードSOOHNSOOBK
マウントL39L39
重量(g)110150
リリース年1935-19501954-1971
製造本数11,2559,169

参考情報

更新

  • 2025.5.22
  • 2024.12.26
  • 2024.07.18:微修正
  • 2023.03.01:改稿
  • 2022.05.24:初稿

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