チタン外装 SUMMILUX M 50mm 3rd

LEICA SUMMILUX M 50mm 3代目をLEICA M9で使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影は LEICA M9
レビュー


1.概要
SUMMILUX M 50mm 3代目はライカMマウントの標準レンズ。製造本数は18,132 で1992〜2006年までつくられた。
琥珀色のレンズコーティングをもち、初代から続く凹凸のないシンプルな円筒鏡筒と、フード組み込みによるレンズの一体的でミニマルなデザインをしている。
ブラック、シルバー、チタン、ブラックペイントと、カラーバリエーションは多い。ブラックペイントは限定でフォーカスリングなどの意匠が異なる。デザインの特徴となっている組み込みフードは、引き出してもLEICA純正の46mmレンズフィルターを少し超える程度の長さしかない。
3代目ズミルックス 50mmは、MマウントとL39スクリューマウントが存在し、Mマウント版は最短撮影距離が0.7mに変更されている。マウント形状が新しいためレンズ認識用6bitコードを付加する公式改造が可能だ。
L39スクリューマウント版はシルバー色の限定モデルで、最短撮影距離は2代目と同様の1mに制限されており、これは最短撮影距離をL39スクリューマウントを装着するバルナックライカに合わせている。
最短撮影距離が短い方がよい撮影者は購入時に注意が必要だ。
2.使用感
SUMMILUX M 50mm 3代目は球面レンズのみで構成され、描写傾向は非球面レンズを採用した4代目ほどのキレはない。しかし、より古い初代,2代目SUMMILUXと比べるとスッキリと抜けが良く、ピント位置がシャープになりすぎない描写は好ましい。
絞り開放ではM型レンジファインダーを使ってピント合わて撮影したつもりでも、撮影結果はピント位置が意図した箇所とズレていることが散見された。これは撮影者側の問題で、絞り開放では二重像でピント位置を合わせたあとに構図をズレらすときにズレ分を補正できていないことが原因だと考える。使い込んでズレ分を把握して撮影する必要がある。F4位まで絞ると構図ずらし時に大きく角度が変わらなければピント位置に問題は発生しない。
フォーカスリングの回転感触は軽めで、これが適正なのか、グリス抜けのためかはわからない。
組み込み式のレンズフードは引き出しても実用的な長さはなく、遮光性が低いため伸ばして使うことはほとんどなかった。この小さなフードをあえて褒めるとすると、その長さ故にファインダー窓の邪魔にならないことだろう。
製造年代からしてレンズコーティングの進化で逆光耐性があがったことにより、このようなおまけ的なフードになったと推測される。
光にかざすとみえる琥珀色のコーティングは美しい。この年代特有のコーティング色のようで、所有しているRマウント・ズミルックスのフィルター径55mm(E55タイプ)の1989年に製造されたレンズが同じコーティング色に見える。
3.まとめ
結論として3代目SUMMILUX 50mmについてまとめると、非球面レンズ採用のSUMMILUXほどのキレが不要で優しい描写が特長だ。最短撮影距離が0.7mに短縮され撮影時の汎用性が向上している。
フォーカスレーバーも無く凹凸の少ないシンプルなデザインで、それが好みであれば、明るい標準レンズを選ぶ際に候補になるレンズだ。
チタンカラーについて
ライカはチタンカラーの製品を多くリリースしており、このズミルクス 50mmもその一つである。
Mマウントのチタンカラーレンズは、ズミクロン 35mm F2 ASPH.、ズミクロン 50mm IV、ズミクロン 90mm、エルマリート 90mm、ズミルックス 50mm III、ズミルクス 35mm(球面)、ズミルクス 35mm ASPH.、アポ・ズミクロン 90mm ASPH.などがあり、レンズによっては製造本数が少ないため高価になっている。
上記レンズ群は、チタン色の塗装になり、ライカM7とM9には塗装ではなくチタンそのものを使用した特別モデルがある。付属レンズもチタンを使用しているためとても高価だ。
手元には、ズミルクス 35mm(球面)、ズミルクス 35mm ASPH.、3代目ズミルックス 50mm、の3本のチタンカラーレンズとフィルムカメラのLEICA M6を所有していた。
これらのチタンカラー ライカは、LEICA M6、ズミルクス M 35mm ASPH.、3代目ズミルックス M 50mmをセットで買い求めた。購入したのは20年くらい前で、購入したカメラ店も在庫を持て余していた時期でかなり安くゆづっていただいた記憶がある。2020年代になるといずれもかなりの高価格となっており再び買い求めるのは難しそうだ。
本レンズを含め、同年代のMマウントレンズは中古市場で曇りのあるレンズをそれなりの確率で見かける。
ガラス種類、バルサム材が保管状態によっては曇りとなりやすいのかもしれないので、購入時は注意が必要だ。
仕様・レンズ比較
3代目 SUMMILUXと非球面レンズ SUMMILUXを比較すると、3代目のコンパクトさがよくわかる。非球面版は重く大きくなっていることがよくわかる。


項目 | SUMMILUX-3rd | SUMMILUX M 50ASPH. |
焦点距離(mm) | 50 | 50 |
最大絞り | 1.4 | 1.4 |
最小絞り | 16 | 16 |
絞り羽根 | 12 | 9 |
レンズ構成 | 5群7枚 | 5群8枚 |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 46.7 | 52.5 |
レンズ最大径(mm) | 54.5 | 53.5 |
フィルター径(mm) | E46 | 46 |
重量(g) | 組込 | 組込 |
フード | 275(黒) 380(銀・チタン) | 335(黒) 460(銀) |
レンズマウント | M | M |
リリース年 | 1992~2006 | 2006~ |
製造本数 | 18,132 | – |
参考情報
- Leica Wiki 「SUMMILUX 1.4/50-3rd」
- ライカ M7 チタン by Matsumoto Camera
- ライカ M9 チタン by Pc-watch
- SUMMILUX M 50ASPH.・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.4.29
- 2024.11.4
- 2024.03.11
- 2023.04.14
- 2022.09.07
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