LEICA SUPER ELMAR M 18mm
ライカ製広角レンズ、スーパー・エルマー M 18mm F3.8のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA M9、LEICA M6 TTL +FUJIFILM Velvia100
レビュー
Mマウント・ライカ純正単焦点レンズで最も広角な焦点距離18mmのレンズ。
一眼レフの超広角レンズと比較するととても軽量である。フードはねじ込み式で切り欠きがストッパーになって位置決めできるが、持っていた個体はネジが緩かったのでカメラバッグの中で回っていることがあった。フードを装着するとレンズ保護フィルターを装着することができないので、フードを外してサードパーティ製のねじ込み式UVフィルタを購入して使っていた。
純正のフィルターホルダー(コード番号:14484フィルターアダプター)はあるが、E77とかなり大径のフィルターを装着することになるので、レンジファインダーカメラのコンパクトさをスポイルするため使用したことはない。LEICAは画面四隅の蹴られの心配からフィルターの装着は推奨しないのだろうけれど、高価なレンズなので前面保護をしたいのは人情だと思う。
LEICA M8/M8.2の場合は、専用のUV/IRフィルター(コード番号:13422)が提供されており、フードをレンズ先端にねじ込んでフードは外ネジなのでフィルターと干渉せずに装着できる。このフィルターはレンズ保護よりも、LEICA M8 / M8.2のIRカットのために提供されている。また、M8 /M8.2はセンサーサイズがAPS-Hサイズで35mmフルサイズセンサーよりも小さいので周辺のけられが無視できるのでこの形態でリリースされている。
レンジファインダーでの広角レンズの面白さと難しさを体感させてくれるレンズ。
このレンズは0.7mまでしか寄れないため、同じような引きの風景が多くなりがちで、想像力の乏しいヘボグラファーは、それを超えていく表現をみつけることができなかった。このレンズを使いながら21mm位がレンジファインダーだと限界だなと感じた。
その後、他社レンジファインダーレンズや一眼レフ用の18mm,17mm,15mmなどの寄れる広角レンズを使うと近くによってガバッと撮ればそれらしい写真にはなるので、なかなか楽しいのだが、それを続けると工夫がないワンパターンと写真になるのでそこを越えていくことも難しいと感じる。
なので、0.7mまでしか寄れないというのもただの言い訳なのだろう。
このレンズは値段が高いだけのことはあり、同時期にリリースされた、コシナツァイスのDistagon18mmと比較すると収差補正はよくできているレンズと思うが、いま撮影結果を見返すと撮影距離によっては歪みの補正不足、周辺光量不足を感じる撮影結果がいくつか散見された。
広角レンズの使用頻度が低い使い手であれば、中華製格安のlomographyのATOLL17mmで十分だと思えるくらい、この安い17mmはよくできていた。
最近は、デジタル処理前提で補正しやすい収差以外を光学的に補正する方向にレンズ設計は変化しているが、このレンズは光学設計で頑張ったタイプだろう。
ファインダーはLEICA純正とZEISSを使ったところ、ZEISSの方が倍率が高く見やすかった。
撮影時はサードパーティ製のねじ込み式フィルターを使っていたので、写真の角フードを実写で使ったことがないが逆光で苦労した記憶はない。
超広角レンズはRマウントのほうが、レンズの大きさは気になるが、最短撮影距離の短さなどで使い勝手がよいため、このレンズの出番が少なくなったので売却した。
仕様
製造 | LEICA | Carl Zeiss | LOMO | Ms-optics |
名称 | SUPER ELMAR 18mm | Distagon 18mm | ATOLL 17mm | PERAR 17mm |
最大絞り | 3.4 | 4 | 2.8 | 4.5 |
最小絞り | 16 | 22 | 22 | 22 |
絞り羽根 | 9 | 10 | 8 | 10 |
レンズ構成 | 7群8枚 | 8群10枚 | 10群13枚 | 4群4枚 |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 0.5 | 0.25 | 0.3 |
レンズ長(mm) | 58 | 47 | 79 | 10.2 |
レンズ最大径 | 61 | 65 | 73 | 50 |
フィルター径 (mm) | 77mm(フィルターホルダー使用) M8専用IR/UVフィルターあり | 58 | – | – |
重量(g) | 310 | 350 | 400 | 60 |
発売日 | 2009.03 | 2007.08 | 2021.03 | – |
定価 | ¥315,000(リリース当初) その後価格は上がっていく | ¥145,950 | ¥49,800 | – |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.1.11 / 記述修正
- 2023.05.07 / ギャラリー更新
- 2022.10.11
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