明るい中望遠 M SUMMILUX 75

ズミルックス 75mm F1.4をLEICA M9-Pで使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例はLEICA M9で撮影
レビュー


1.概要
ライカ・ズミルックス75mmは、1980年にリリースされた明るい中望遠レンズ。
2007年までに1.5万本程度製造された。
主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。
- 開放F値 1.4
- レンズ構成 5群7枚
- 絞り羽根 9枚
- 最短撮影距離 0.75m
- ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 0.75m
- フード 後期:組込式、前期:フック止めはめ込み
- レンズカラーバリエーション ブラックのみ
前期型は不明だが、後期型はマウント部分が一般的なネジ止めであるため、デジタルM型ライカで使用できるレンズ認識用6bitコードを追加することができる。
2.使用感
本レンズを所有していた当時はLEICA M9を使用しており、M9のファインダーでは絞り開放F1.4のピント合わせが難しく、また、ボディが軽めなM9に装着するとレンズ先端部の重みをずっしりと感じるため、撮影時の重量バランスはよいとはいえない。
SUMMILUX R 80と比べると軽いレンズだが、レンジファインダーカメラ用レンズとしては重いレンズだ。
F1.4の絞り開放の撮影において問題となるピント位置は、当時のネガフィルムはそれほどコストが高く無かったので、不安なときはフォーカスブラケットでピント位置をずらしたカットを撮影しておくことで、ピント問題に対応していた。それも2025年のフィルム価格ではそれも難しい。
デジタルカメラであればフォーカスブラケットのコストはほぼゼロなので、ピント位置に不安があるときはフォーカスブラケットを使う敷居は低い。そして、ミラーレスカメラであれば、薄いピント位置を電子ビューファインダー(以下、EVF)で拡大すれば撮影時にピント位置の問題を解決できるためより使い勝手がよい。
撮影結果をみて合わせたピント面の芯とそこから背景へとボケていく画像は、RマウントのSUMMILUX R 80と同様に、中望遠大口径レンズを使う醍醐味を味わえる。しかし、レンジファインダーカメラでは、一眼レフカメラのように撮影中に、ボケ見が分かるわけではないことは残念な点だ。
本レンズと兄弟と思われるSUMMILUX R 80mmを手に入れてから、自身の使い方では、明るい中望遠レンズはレンジファインダーカメラよりも一眼レフカメラでの使用が向いていることが分かったので、ズミルックスM 75の稼働率はさらに落ちていき防湿庫の肥やしに長くなっていた。手元に置いても使わないレンズだったので何かのレンズを買う際に手元から無くなった。
3.付加情報
NOCTILUX 75mm F1.25
2018年に発売された、NOCTILUX F1.25はMマウント中望遠レンズの大口径化を進めたレンズの1本で、SUMMILUX 90mm F1.5とともに、200万円の大台レンズとして君臨している。
レンズ構成も最新の設計で、片側非球面レンズを2枚持ち、短い鏡筒に可能な限りレンズを詰め込んで明るさと補正を追求している。重さが1kgを越えるため、SUMMILUX 75mmの倍の重さだ。
カメラボディはレンジファインダーカメラではなく、EVFを搭載したミラーレスカメラ・LEICA SLシリーズでの使用を想定したレンズだろう。
- レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。


マウントアダプター
ライカMマウントなので、純正のL用Mレンズアダプター、ブラック18771、シルバー18765を使用して、Lマウントボディに装着する以外に、各社ミラーレスカメラ向けにマウントアダプターが発売されているため、他のMマウントレンズ同様に使用ボディに関しては汎用性の高い。
SUMMILUX R 80mmをHASSELBLAD X2Dで使った結果から、ほぼ同じレンズ構成のSUMMILUX 75mmも同様のイメージサークルがあるはずなので、デジタル中判カメラでも活用できる可能性が高い。
仕様・レンズ比較
項目 | SUMMILUX | NOCTILUX M | SUMMILUX R |
焦点距離(mm) | 75 | 75 | 80 |
最大絞り | 1.4 | 1.25 | 1.4 |
最小絞り | 16 | 16 | 16 |
絞り羽根 | 10 | 9 | 11 |
レンズ構成 | 5群7枚 | 6群9枚 | 5群7枚 |
最短撮影距離(m) | 0.75 | 0.85 | 0.8 |
レンズ長(mm) | 80 (Mマウント面より) | 91 (Mマウント面より) | 69 (Rマウント面より) |
レンズ最大径(mm) | 69 | 74 | 75 |
フィルター径(mm) | 60 | 67 | 67 |
重量(g) | 560 | 1055 | 700 |
製造数 | 14,752 | – | 12,250 |
リリース年 | 1980 | 2018.3 | 1980 |
参考リンク
- SUMMILUX-M 1.4/75 Leica wiki・説明ページ
- ライカのレンズ・写真工業出版社・P106に溝口清秀氏のレビューあり・Ads by Amazon
- SUMMILUX-R 1.4 /80 Leica wiki・説明ページ
- SUMMILUX-R80mm 紹介ページ(Shige’s hobby内リンク)
更新履歴
- 2025.4.6
- 2024.9.15
- 2024.2.10:改稿
- 2022.05.08:初稿
広告
- ライカ・レンズ・Ads by Amazon
- ライカ・デジタル・Ads by Amazon
- ライカ・ボディ・Ads by Amazon
- ライカ・アクセサリー・Ads by Amazon
- ライカ・書籍・Ads by Amazon
- ライカのレンズ・写真工業出版社・Ads by Amazon
コメントを残す