LEICA SUMMILUX R 80mm

ライカR用中望遠レンズのズミルックス 80mm F1.4のレビューと写真作例

目次

<レビュー>
ライカ・ズミルックス R 80mmはライカRマウント用の大口径中望遠レンズ。
レンズは1980年から2009年まで製造され、細かな仕様の違いがあるがレンズフード内蔵の鏡筒はリリース初期から同じで、マウントは3CAM、RCAM、ROM端子付きが存在し、R3以降の一眼レフライカフレックスボディで使用できる。
最短撮影距離は0.8mで製造期間は長く29年間で約1.2万本作られた。

本レンズのイメージサークルは広く、HASSELBLAD / FUJIFILMのセミ中判センサーサイズ(44mm x 33mm)をカバーしている。
手持ちの個体は、フォーカスリングに小傷がある程度でとても状態の良いROMレンズ。
デジタルミラーレスLEICA SLで使用した場合、焦点距離以外に絞り値もEXIFに記録されるのはいちいち絞り値を覚えていられない身にとっては大変有用である。DMRは焦点距離のみEXIFに記録される。

ライカはズミルックス R 80mmのリリースと同時期に、ほぼ同じレンズ構成でズミルックス M 75mmをリリースしている。M型レンズはカメラの装備しているファインダー枠に縛られて作られているため中望遠レンズとして焦点距離75mmが選択されるのは自然なことと考えられる。
本レンズの焦点距離が80mmとなった理由を考察すると、ライカの一眼レフレンズの標準レンズ以降のラインナップは、50、60、90となっており、75mmをはめ込むよりは末尾を0としたときの数値の並びのよさから70か80のどちらかが候補になり得る数字であり、また1980年代はポートレートレンズとして他社1眼レフカメラの交換レンズとしては85mmが主流であるため、ポートレート用大口径レンズを創るのであれば70mmよりは80mmを選択するのが自然と思われる。

70、80を飛ばして90mmまで焦点距離を伸ばすと、75mmレンズと設計を共有しづらいことと、ズミルックス 90mm F1.4のサイズを概算すると、最大レンズ直径=64.3mmとなり、鏡筒剛性の確保や機械部品を入れ込むことから鏡筒幅を+10mm(片側厚み5mm x 2)とするとレンズ径は74mmとなる。
ライカは2018年にNOCTILUX M 75mm F1.25、2021年にSUMMILUX M 90mm F1.5という2本の大口径レンズをリリースしており、両レンズのレンズ最大径は74mmとなっており、一眼レフ用の90mm F1.4でも同様のレンズサイズになりそうな気がする。
レンズ1本からさまざま妄想できるのはライカレンズならではだと思う。

本レンズは日本国内に流通しているレンズ数は多いはずで、2000年代は中古市場でよく見かけた。しかし、Rマウントレンズ全般的な傾向ではあるが、最近は見かけることが少なくなり少しレアなレンズになっている。
中望遠レンズで後玉の出っ張りがないためEOS-1DsMKIIIで問題なく使用できる。F1.4の明るいレンズなので、EOSのフォーカシングスクリーンをスーパープレシジョンマットのEc-Sにするとピントは合わせやすくなる。

<仕様>

項目SUMMILUX MSUMMILUX R
焦点距離(mm)7580
最大絞り1.4
最小絞り16
レンズ構成5群7枚
最短撮影距離(m)0.750.8
レンズ長(mm)80
(Mマウント面より)
69
(Rマウント面より)
レンズ最大径(mm)6969
フィルター径(mm)6067
重量(g)560700
製造数14,752 *112,250 *1
リリース年1980
*1:数値はLEICA WIKIより転載

<参考文献・参考リンク>

<更新履歴>

  • 2024.2.11:改稿
  • 2022.04.07:初稿

<広告>
いくつかの外部リンクは広告となっており、クリックするとサイト管理者に収入が発生する可能性があります。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントする

Shige's hobby