Tamron SP 350mm F/5.6(06B)
Tamron SP 350mm F/5.6(06B)をデジタルカメラで使用した記録。
目次
<ギャラリー / Photo example from HASSELBLAD X2D>
<レンズの印象>
コンパクトな望遠ミラーレンズ。
ミラーレンズは焦点距離500mm/F8のスペックで各社からリリースされているが、これは350mm/F5.6と焦点距離が短く、絞り一段分明るい。そしてこのレンズはイメージサークルがとても広く、中判デジタルセンサーの44x33mmをカバーしている。
HASSELBLAD X2Dで使用するときは、270mm相当の焦点距離となる。X2Dへの装着はレンズにアダプトール2のLEICA-Rアダプターをつけ、NOVOFLEXのX-LEICARマウントアダプターを経由して使用している。そのため、ライカのAPO-EXTENDER x2を使うことができる。その場合、540mm/F11(実焦点距離700mm)となる。
古いレンズだが、手ぶれに注意すれば十分にシャープな画像を楽しめる。ミラーレンズ特有のドーナツボケも作ることができる。
似たようなレンズとして、2012年5月25日にTOKINAからりリースされているマイクロフォーサーズ用のミラーレンズ300mm/F6.3は本レンズよりさらにコンパクトだが、レンズスペックが異なることとカバーするイメージサークルが狭いためと考えられる。
同じタムロンの500mmミラーレンズ(52B/52BB)は、普段使いでは持て余す焦点距離だが、06Bの350mmはなんとか街中でも使うことができる。
このレンズは何度か入手する機会がありながら手元にこなかったレンズを2022年の暮れに手に入れた。
ジャンク品とのことだったが、前玉に薄カビが見られるのは少々問題だが、ヘリコイドは適度な重さがあり、後玉は30.5mmフィルターに守られて綺麗な状態であった。フード、フードキャップも、アダプトール2-M42が付属している完品状態で入手した。
個人的な問題だが、X2Dのブレ防止による微妙な動きとなめらかなEVFの相乗効果か、数分使っていると酔ったようで少し気持ち悪くなる。


<レンズの仕様>
焦点距離350mmのミラーレンズ。絞り値はF5.6と500mmクラスのミラーレンズで採用されているF8より一段明るい。絞りは固定である。
マウントはタムロンのアダプトール2を採用しており、各社の一眼レフのレンズで使用することができる。マウントアダプターを経由すると最新のミラーレスカメラでも使用できる。
レンズ後玉は30.5mmフィルター、レンズ前玉は82mmフィルターを装着でき、フードは逆付可能な82mm径のねじ込み式で内側に植毛されている。
標準で三脚座が装着されており、三脚座は90度回転する。
最短撮影距離は1.1mでテレマクロレンズといえる。無限遠から最短撮影距離の1.1mまでは、350度程度回転させる必要があり、そういうニーズはほとんど無いと思うが素早いフォーカシングは望めない。しかし、焦点距離の微調整がしやすいためピントを追い込むことには向いている。
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 350 | |
最大絞り | 5.6 | |
最小絞り | – | |
レンズ構成 | 4群7枚 | |
絞り羽根 | – | 絞り固定 |
最短撮影距離(m) | 1.1 | 最大撮影倍率:1:2.5 |
レンズ長(mm) | 79 | マウント面からの距離 |
レンズ最大径(mm) | 86 | |
フィルター径(mm) | 82 | |
重量(g) | 577 | |
リリース年 | 1981 | Product end 1985 |
価格 | 48,400 |
<参考文献・リンク>