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東京国立博物館・東博コレクション展 2025.11

2025年11月に東京国立博物館で「ミュージアムシアター 興福寺 阿修羅像」、東博コレクション展、他を鑑賞した感想

目次

東京国立博物館・東博コレクション展 2025.11

概要

  • 展示:VR作品『興福寺 国宝 阿修羅像』
  • 期間:2025年9月23日(火・祝) ~ 2025年12月21日(日)   (毎週 水・木・金・土・日・祝)
  • 場所:東洋館-TNM & TOPPAN ミュージアムシアター
  • 展示:日光の彩色と金工 社寺建築の美しさの謎を解く
  • 期間:2025年10月10日(金) ~ 2025年12月7日(日)
  • 場所:平成館 企画展示室・ガイダンスルーム

感想

友の会・国立博物館メンバーズパス(4館共通)購入時にいただいた、ミュージアムシアター鑑賞券を使用していなかったので、VR作品『興福寺 国宝 阿修羅像』を見にいく。

東京国立博物館・ミュージアムシアター
東京国立博物館・ミュージアムシアター

土曜日、最初の上映は11時からで10時半くらいに館について、整理券を発券してから東洋館を少し鑑賞して、10時55分の開場とともに入場し、初回上映は満席では無くシアター内はゆったりとしていた。

映像は興福寺の説明からはじまり、阿修羅像のクローズアップをしながら特徴的な3面をアップで映ると微妙な色彩のグラデーション、表面の亀裂が確認できた。興福寺とこちらで阿修羅像を鑑賞したが、拡大鏡を持っていてもここまで観察することは難しいので高精細画像ならではの表現だ。

企画展などで展示の隅っこに、3D画像で鑑賞者がぐりぐり動かして、好きな部分をアップにしたりできるコンテンツもあるように、高精細な映像コンテンツは現実を侵食しているように感じる。

最近、画家の諏訪敦さんのトークイベントで視覚についての話を聞くことがあり、あらためて映像と実物の関係について考えた。

脱活乾漆造の解説において、興福寺八部衆の中でもっとも損傷の激しい「五部浄像」の破損断面が映し出され説明があった後、右腕がこちら東京国立博物館にあるとの紹介があり、興福寺で修復される際には返すことになるんだろうけれど、現状は顔と腕が離ればなれになっているのは寂しい気がした。

今回の上映はナビゲーターが男性で、声優のような落ち着いた美声で解説をしていくので、暗いシアター内の雰囲気と相まって寝落ちしそうになった。

上映時間は35分となっているが30分程度で終了したので、11時半に東洋館隣の「ホテルオークラレストラン ゆりの木」でお昼にした。11時半のレストランは待ちもなくすぐに席に案内され食事をいただいた。本日のお昼は天丼。
「友の会」会員は10%オフで食事できるのはありがたい。

東京国立博物館・昼食
東京国立博物館・昼食

お昼を食べた後は、東洋館のテラスから話題を振りまいている、今は枯れている本館正面の池を見る。お正月くらいなら許せるけれど、東洋館のテラスから毎週末イベントステージが見えたらちょっとがっかりな風景になりそうだ。

そこから本館裏のお庭に移動して紅葉を探したが、紅葉は部分的で青い葉と枯れ葉が混じり合うそれほど美しい光景では無く残念な気持ちで庭を後にした。過去には紅葉が美しい年もあったので気候変動の影響かもしれない。

東京国立博物館・東洋館テラスからの眺め
東京国立博物館・東洋館テラスからの眺め

訪問した日は裏庭から本館に入る通路が開放されていたので、本館一階へ移動して常設展示を見る。右庭から入って左手側の15室に虫の図鑑である「千虫譜」の1巻、2巻が展示されている(展示期間は2025年12月21日(日)まで)。

この場所は生物を描いた図像がよく展示されており、訪れるたびに展示作品を確認している。

説明を見ると、1巻は江戸中期に大阪の医師寺島良安が編纂した『和漢三才図会』の「虫部」を写したもので、2巻と3巻は19世紀後半に医師、栗本丹州が作成した『千虫譜』の写しとのこと。
短い説明では、誰がどれを写して3冊セットの『千虫譜』になっているのかの説明が無いため少しモヤモヤした。

モヤモヤを晴らすべく調べると、国立博物館の2023年の特集展示の記事を見つけた。
虫譜についての詳細な記載と当時配布されたPDFがあり、今回展示された「千虫譜」をふくむ虫譜の歴史について理解できた。

歴史の記録 虫譜づくりの舞台裏―栗本丹洲著『千虫譜』とその展開・東京国立博物館資料へのリンク

その先、14室では「KAKIEMON ―伊万里焼柿右衛門の世界―」が2026年2月8日(日)まで開催されている。

焼き物と刀剣のコーナーを過ぎると、11室は彫刻展示室、彫刻のセンターステージは「愛染明王坐像 」とその厨子が並べて展示されている。そして、特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」関連の慶派仏もいくつか展示されている。

なかでも目を惹いたのは、龍子記念館でこちらに保管されていると聞いた「毘沙門天立像」が展示さており、平安時代の作で控えめな腰のひねりと衣の模様が美しい像だ。

東京国立博物館・11室彫刻・毘沙門天立像・川端龍子寄贈
東京国立博物館・11室彫刻・毘沙門天立像・川端龍子寄贈

売店を抜けて、平成館1階の「日本の考古」で宙に浮いた蔵王権現様を鑑賞し、向かいの企画展示室・ガイダンスルームに向かう。

「日本の考古」の部屋は、2026年2月2日(月)~2026年4月7日(火)の期間メンテナンス休館とのこと。

企画展示室・ガイダンスルームでは、「日光の彩色と金工 社寺建築の美しさの謎を解く」2025年12月7日(日)までを開催中。

こちらは日光東照宮の建築装飾の復元品、その過程を見ることができる。

彩色見本図はとても色鮮やかで昔観た現地の思い出がよみがえってくる。

東京国立博物館・日光の彩色と金工 社寺建築の美しさの謎を解く(2025.11)
東京国立博物館・日光の彩色と金工 社寺建築の美しさの謎を解く(2025.11)

装飾の復元品は現地では遠目でしか見ることのできない品を細部にわたり鑑賞できる。
とくに別部屋に展示されている柱から浮かび上がる竜の装飾はとても迫力があり、寺社建築が好きな方にはたまらない展示だ。

東京国立博物館・日光の彩色と金工 社寺建築の美しさの謎を解く(2025.11)
東京国立博物館・日光の彩色と金工 社寺建築の美しさの謎を解く(2025.11)

まとめ

ひさびさにシアターを見て、お昼ご飯をいただいて、庭を散歩して14時前までのんびりと東博を楽しんだ。

こちらは常設展示も充実しており、特別展は入館待ち列が出来ていた。これだけの展示ができる施設が年中金欠であえいでいるのを見るのは悲しい。

いつも無料でいただいて若干申し訳ない気持ちになる(代わりに募金箱に寄付はするようにしている)、紙で配付している特集展示の立派なリーフは有料にしてもよいのではないだろうか?

また、海外の博物館に行くと現地民と観光民で価格が異なることはよくあるので、こちらも海外の観光客が多く来る場所なので、もう少し負担をしていただくなどしてもよいのでは?と思う。

現在の、土、日は混みすぎの感じはあるが、引き続きよい展示がされることを願う。

関連リンク

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更新履歴

  • 2025.11.20

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