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Ms-Optics(宮崎光学) PERAR 35mm F3.5をLEICA M typ240を含む各種デジタルカメラで使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。
- LEICA M10
- LEICA M9
- LEICA M-P Typ240
- LEICA M8
- EPSON R-D1
- HASSELBLAD X2D-100C
- LEICA T typ701
- RICOH GXR A12
- LUMIX DMC-GM5
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レビュー


1.概要
MS-PERAR 35mm F3.5は2010年にリリースされたMS-OPTICAL(MS-OPTICS / 宮崎光学)全体で3製品目、トリプレットシリーズとしては最初にリリースされたレンズ。
レンズ銘板にSUPER TRIPLEと表記があるように、レンズは3群3枚のトリプレット構成でPERAR(ペラ)の名称を与えている。
レンズの詳細な仕様は表に載せているが、主な仕様を抜粋すると以下の通りである。
- レンズ構成は3群3枚
- 絞りはF3.5~F16
- 絞り羽根は10枚
- レンズは沈胴式鏡筒を採用・沈胴時はレンズ厚み4mm
- 最短撮影距離は0.8m
- ライカM型レンジファインダーカメラの距離計連動範囲は0.8m
- フィルターはレンズ前面に19mm径フィルターを逆付けでねじ込む
- フードは専用の19mm逆ネジ円筒型フードが付属
2.使用感
MS-PERAR 35mm F3.5の描写は、3枚玉の特徴をそのまま引き継いでおり、ガラス枚数が少ないため中央部は抜けの良いクリアーな描写をするが、周辺部は像面湾曲による像の流れの影響が見られることがある。
この周辺部の乱れについては、設計者の宮崎氏は中央部の画質をピークにしたとき、その差が顕著に見られるので、中央部を少し犠牲にして周辺部の画質を向上させるようにしたと、レンズ設計データには記載されている。
絞り開放F値3.5と少し暗いレンズであるが、日中野外であれば風景から静物とどのような被写体にも対応できる。また、デジタルカメラであればISO感度を上げることでレンズの暗さにも対処できる。
最短撮影距離の0.8mはミラーレスカメラ全盛の2020年代には少々物足りないが、最短撮影距離を補うために補助ヘリコイド付きマウントアダプターを使用すれば、最短撮影距離についての懸念はなくなる。
作例に使用したそれぞれのカメラでの印象を記す。
デジタルレンジファインダーカメラ
35mmフルフレーム(フルサイズ)センサーを搭載した、LEICA M10、LEICA M9、LEICA M-P Typ240は2000万画素クラスのデジタルカメラで、35mmフィルムカメラと同じ画角で撮影できる。いずれのカメラの結果をみても中央部の抜けは良いが、周辺部は少し乱れがちになる。
35mmフルフレームセンサーより小さなセンサーを搭載した2つのカメラ、LEICA M8.2は1000万画素のAPS-Hサイズセンサー(27mm x 18mm)を搭載しており、35mmフィルム判換算焦点距離はセンサーサイズの換算係数1.33をかけた47mm相当。そして、EPSON R-D1は600万画素のAPS-Cサイズセンサー(23.6mm x 15.6mm)を搭載しており、35mmフィルム判換算焦点距離はセンサーサイズの換算係数1.5をかけた53mm相当と2つのカメラで撮影するとほぼ標準レンズといわれる50mmと同じ撮影画角となる。
両カメラともに、本レンズを装着すると内蔵ファインダーは、50mm相当の枠が表示されるので撮影時の違和感は少ない。ただし、35mmフィルムカメラ、35mmフルフレームセンサーカメラと併用すると画角の狭さは実感してしまう。
撮影結果は、35mmフルフレームセンサーカメラで微妙な描写をする周辺部分がクロップ(カット)されるため、撮影画像全体の均質性はよくなる。もちろん、35mmフルフレームセンサーで撮影した結果の焦点距離50mmより外をクロップすると同様に中央部だけの結果が残り、画像全体の均質性は良くなる。
ミラーレスカメラ
ミラーレスカメラで最初に紹介するのは、中判デジタルセンサー(44mm x 33mm)を搭載したHASSELBLAD X2D-100Cで、このカメラで撮影する場合、搭載センサーが35mmフィルム判(36mm x 24mm)より大きいため撮影写真の35mmフィルム判焦点距離はセンサーサイズの焦点距離換算係数 0.8をかけた28mm相当の広角レンズとなる。
その結果は、中央部の解像度は1億画素に十分対応できており、画像周辺に発生する減光もそれほど見られない。しかし、35mmフルフレームセンサーの撮影結果でもみられた、周辺部の像の崩れはより目立つようになる。
これは中央の主題を浮かび上がらせたい場合は問題にならないが、風景写真のように像面全体でフラットな描写が欲しいときは、周辺部をクロップして画像をトリミングする必要がある。

APS-Cサイズセンサー(23.6mm x 15.6mm)を搭載した、LEICA T typ701、RICOH GXR-A12は35mmフィルム判換算焦点距離はセンサーサイズの換算係数1.5をかけた53mm相当となり、ほぼ標準レンズと同じ画角になる。
ミラーレスカメラは電子ビューファインダーか液晶モニターを使用して撮影するため、見えている像がそのまま記録されるので、焦点距離の変化について意識せず、標準50mmレンズとして撮影すればよい。LEICA Tは1600万画素、GXRは1200万画素と400万画素の差はあるが、解像感については同程度なのでカメラの絵作りと操作性の好みで選択すればよい。
同じような光源下でデフォルト設定の撮影結果をみるかぎり、2つのカメラの絵作りは似ており、ともに派手ではない落ち着いた色調をている。
フォーサーズセンサーを搭載した、LUMIX DSC-GM5は35mmフィルム判換算焦点距離はセンサーサイズの換算係数2をかけた70mm相当となり、中望遠レンズの範疇に入ってくる。
こちらも、電子ビューファインダーもしくは液晶ディスプレイを見ながらの撮影となり、見たままが記録されるが、35mmという焦点距離を意識すると狭く感じられる。
それは望遠撮影が可能という利点にもなり、焦点距離35mmでは少し物足りない、最短撮影距離 0.8mは焦点距離70mm相当になると想像以上に被写体に寄れる。レンズの想定している撮影範囲の75%を捨てることになるためオリジナルレンズの味は薄くなるが、小動物や部分を強調したスナップ撮影に用いることができる。

このレンズを入手した際、フィルムレンジファインダーカメラのHEXAR-RFにKODAK E100VSを詰め込んで、MS-MODE-S 50mm F1.3とともに撮影に出かけたが、このレンズは沈筒式であることを忘れてレンズ位置を確認せずに撮影をしてしまい、すべてピンボケになった苦い思い出がある。その後このレンズをフィルムカメラで使用していないので、フィルムでの作成は以下のようなピンボケ写真しかない。

2010年の発売すぐに購入し長らくⅠ型を使っていたが、2017年頃に中古カメラ店でII型を発見したので購入した。I型とII型を比べたところ、目に見える違いはレンズ銘にIIと入っていることとフード形状だけであった。付属していた説明書も同じだったので、レンズ構成も変化なくII型は第2ロット程度の意味と考えられる。
3.まとめ
MS-PERAR 35mm F3.5をまとめると、コンパクトで描写の抜けが良い35mmレンズ。中央部の描写は高画素にも対応するが、周辺部の描写には少し難がある。このため、APS-Cサイズセンサーなどの35mmフルフレームセンサーより小さなセンサーで使用すると具合がよいレンズだ。
仕様・考察
レンジファインダーカメラの世界では焦点距離35mmレンズは激戦区で、各社からさまざまなレンズがリリースされており、Ms-opticsでも明るい35mmレンズを3本リリースしている。
その中で、このレンズの特徴は鏡筒のコンパクトさと重量の軽さだ、所有していた焦点距離35mmレンズの中では、LEITZ ELMAR 3.5cm F3.5とほぼ同じ大きさだ。
エルマー3.5cmはトリプレットの発展系でレンズ構成は3群4枚と1枚レンズが追加されており、カールツァイスのテッサー型と呼ばれる形式を採用している。
エルマーはレンズが1枚増えた分だけ、収差補正は少しよくなっており、実写結果をみても周辺部はエルマーのほうが崩れが少ない。しかし、MS-PERAR 35mmはレンズに最新のマルチコートが施されているので、逆光や斜めから光が入る場合のフレア、ゴーストの発生は抑えられている。


- レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
| 項目 | PERAR | ELMAR |
| 焦点距離(mm) | 35 | 3.5(cm) |
| 最大絞り | 3.5 | 3.5 |
| 最小絞り | 22 | 18 |
| 絞り羽根 | 10 | 6 |
| レンズ構成 | 3群3枚 | 3群4枚 |
| 最短撮影距離(m) | 0.8 | 1.0 |
| レンズ長(mm) | 15 | 14 |
| レンズ最大径(mm) | 48.6 | 49 |
| フィルター径(mm) | 19 | 19mm A36かぶせ |
| 重量(g) | 70 | 130 |
| フード | 専用ネジ込み | FIKUS FLQOO |
| マウント | ライカM | L39スクリュー |
| リリース年 | 2010 | 1930 |
| 定価(円・税別) | ¥55,000 | – |
Ms-opticsにおける3群3枚のPERARシリーズは本レンズを含めて、4本のレンズがありPERAR-28mm F4、PERAR-24mm F4、PERAR21mm F4.5と、絞り開放F値が少し暗い広角レンズがリリースされている。
| 項目 | PERAR | PERAR | PERAR | PERAR |
| 焦点距離(mm) | 35 | 28 | 24 | 21 |
| 最大絞り | 3.5 | 4 | 4 | 4.5 |
| 最小絞り | 22 | 22 | 22 | 22 |
| レンズ構成 | 3群3枚 | 3群3枚 | 3群3枚 | 3群3枚 |
| 絞り羽根枚数 | 10 | 10 | 10 | 10 |
| 最短撮影距離(m) | 0.8 | 0.8 | 0.65 | 0.5 |
| レンズ長(mm) | 15 | 9 | 5.2 | 5.2 |
| レンズ最大径(mm) | 48.6 | 48.6 | 48.6 | 48.6 |
| フィルター径(mm) | 19 | 19 | 19 | 25 |
| 重量(g) | 70 | 45 | 35 | 45 |
| リリース年 | 2010 | 2012 | 2014 | 2015 |
| 定価(円・税別) | ¥55,000 | ¥60,000 | ¥60,000 | ¥60,000 |
参考情報
- Wikipediaによるトリプレットレンズの説明
- 浅沼商会・光学機器豆知識 第4回 レンズ構成 編
- LEITZ ELMAR 35mm F3.5・Shige’s hobby
- EPSON R-D1x・Shige’s hobby
- EPSON R-D1・Shige’s hobby
- LEICA M-P typ240・Shige’s hobby
- LEICA M9・Shige’s hobby
- LEICA M8・Shige’s hobby
- PERAR-28mm F4・Shige’s hobby
- PERAR-24mm F4・Shige’s hobby
- PERAR21mm F4.5・Shige’s hobby
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更新履歴
- 2026.3.5
- 2025.7.19
- 2024.03.12:改稿
- 2022.06.01:初稿


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