球面 ULTRON 28mm F2

フォクトレンダー・ウルトロン28mm F2のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はライカ M9
レビュー

1.概要
ウルトロン 28mm F2は、2008年にコシナ・フォクトレンダーからリリースされた、VMマウントの広角レンズ。
レンズ構成は8群10枚、最短撮影距離は0.7mとなっている。
レンズマウントはライカM互換のVMマウントで、0.7mまでレンジファインダーカメラの距離計に連動する。フィルター径は46mmでレンズ前方にねじ込んで装着する。
2.使用感
二代目ウルトロンは、初代が採用していた非球面レンズをやめ、球面レンズ+異常分散ガラスを採用し、レンズ構成もガラッと変わった。絞り開放値がF2ときりの良い数字になり、初代と比べるとコンパクトな鏡筒を採用している。
LEICA M9に装着するとちょうどよいサイズ感で、持ち運び、撮影時に問題となることは無い。
フォーカスノブは大型の二股形状が採用されており、フォーカスリングの回転もスムーズで使い勝手に問題はなかった。
描写はM9で使ったところ、絞りを開けた近接撮影時に前後ボケがうるさくなることが気になることがあった。絞るとボケのうるささは低減するけれど、せっかくの明るいレンズの意味が薄れるため嬉しくない。
描写については、周辺ぶがクロップされる、APS-HサイズセンサーのLEICA M8、APS-CサイズセンサーのEPSON R-D1だと印象がかわったのかもしれない。
3.まとめ
結論としてULTRON 28mm F2をまとめると、2021年発売のULTRON 28mm F2 Vintage Lineによって存在意義が薄れたレンズである。2021年発売のレンズは、非球面レンズを採用しフードが無い状態のレンズ長は36mmと短くコンパクトになっている。描写も旧レンズより劣るとは思えないため、古いULTRON 28mmを買う意味はほとんど無い。
仕様・レンズ比較


- レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
2008年発売の2代目ULTRONは、フードを装着するとレンズ全長は50mm、レンズ径が55mm、フィルター径46mmと比較的大柄なレンズである。
同じスペックのLEICA SUMMICRON 28mm F2 ASPH.は非球面レンズを採用して比較的コンパクトな鏡筒になっている。比較図はULTROはフードありで、SUMMICRONはフード無しなので、SUMMICRONも大柄の角形フードを取り付けると、ULTRONよりも大きくなる。
コシナのサイトにレンズのマニュアルは置いてあるけれど、レンズ構成図などのレンズ紹介ページは2024年現在見当たらなくなっている。Internet Archiveにはフォクトレンダーの過去ページが収録されており、公式の商品情報を見ることができる。
また、VoigtlanderのULTRON 28mmシリーズは3本リリースされており、初代が非球面レンズ採用、本レンズ2代目で球面レンズに回帰し、3代目は非球面レンズ採用とコシナの実験的な要素が多くつまれており興味深いレンズシリーズだ。
項目 | 2代目ウルトロン | ズミクロン28mm ASPH. |
非球面レンズ | 非採用 | 採用 |
焦点距離(mm) | 28 | 28 |
最大絞り | 2 | 2 |
最小絞り | 22 | 16 |
絞り羽根 | 10 | 10 |
レンズ構成 | 8群10枚 | 6群9枚 |
最短撮影距離(m) (距離計連動) | 0.7 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 51.2(フード込み) | 40.8(フード無し) |
レンズ最大径(mm) | 55 | 53 |
フィルター径(mm) | 46 | 46 |
重量(g) | 244 | 270 |
リリース年 | 2008.8.5 | 2000. |
価格(定価・税別) | 75,000(黒色) | – |
参考情報
- コシナ公式サイト・レンズマニュアル
- ULTRON28mmF2・Internet Archive
- コシナレンズカタログ2023
- 世界のライカレンズ Part4 P70に紹介記事あり
更新履歴
- 2025.5.11
- 2024.12.2
- 2024.04.15
- 2023.09.23
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