VARIO-ELMAR-R 105-280 / 4.2
ライカ製ズームレンズ、バリオ・エルマー 105-280のレビューと写真作例
目次
<ギャラリー>
VARIO-ELMAR-R 105-280 / 4.2の写真例(HASSELBLAD X2D)
<レビュー>
バリオ・エルマー105-280は、日本では一時期はやった、F4通しの100-300mmレンズと同じカテゴリーだろう。
焦点距離的にAPO-TELYT 280mm F4などの、300mm /F4クラスのレンズとかぶるレンズとなる。
アポテリートとのレンズスペックの違いは、レンズ最大径、フィルター径は同じで、VARIO-ELMAR-Rはレンズ長が20mm長く、重量は100g程度重く、絞り開放のF値は4.2と少しだけ暗い。
VARIO-ELMAR-Rは日本ではサンヨンズームと呼ばれるレンズにあたるが、以前所有していたシグマの100-300/F4は重量が1400g程度で、このレンズは500g程度重くずっしりとしている。
APO-TELYT 280mm同様に、APO-EXTENDER x2を付けた撮影結果を見ても大きな劣化は感じられない。下の月は、中央を切りだし1/2縮小した撮影結果。
F値を律儀に4.2と表記しているところに製造者の誠実さを感じる。マーケティング的には数値をごまかしてF4とした方が売れるのは間違いない。
製造年数2年、製造本数1500本の割に日本の中古市場でよく見かけるレンズである。
10年間で5回くらい見かけていて、このたびめでたく捕獲した。
価格は状態にもよるのだろうがピンキリで、最も安い物は2015年くらいに15万円程度で見かけた。2022年でも20万円から30万円の範囲で見かけるため、ebayなどの海外市場とくらべると日本ではずいぶん安く売られている印象がある。
<仕様>
Rマウント末期にリリースされた望遠ズームレンズ。
ズームリングは適度な重さがあり、不用意に焦点距離が変わることない。右に回すとテレ方向に動き右端が280mmとなる。
フォーカスリングはズームリングより軽く軽快に操作できるが回転角が330度程度あるため,無限から最短まではかなり回す印象だ。右に回すと撮影距離が短くなりレンズが伸びて、右端が最短撮影距離でレンズは最も長くなる。
フードは組み込み式で、前に引っ張り出すのみでフードロックの機構はない。
最短撮影距離はすべての焦点距離で最短1.7mであり、焦点距離280mmはかなり寄れる印象になる。
X2Dの44mm x33mmセンサーで撮影した結果、焦点距離105mm青空を写すと四隅にケラレが見られるが、ズームするとケラレは解消され280mmの位置ではほぼ全域使用できる。
一般的な撮影で気になることはない。
35mmフォーマットでは、余裕を持ったイメージサークルになるため、画面隅の画質も期待できる。
APO-EXTENDER x2は問題なく使用できる。APO-EXTENDER x1.4はレンズ後玉の位置からすると装着できそうだが、手元にAPO-EXTENDER x1.4がないため確認できない。
1996年から1997年の1年間に約1500本作られた。
項目 | VARIO ELMAR | APO-TELYT | 備考 |
焦点距離(mm) | 105-280 | 280 | |
最大絞り | 4.2 | 4 | |
最小絞り | 22 | 22 | 1/2刻み |
レンズ構成 | 10群13枚 | 6群7枚 | |
絞り羽根 | 8枚 | 8枚 | |
最短撮影距離(m) | 1.7 | 1.7m | |
レンズ長(mm) | 236 | 208 | マウント面からの距離 |
レンズ最大径(mm) | 88 | 88 | 三脚座を除く |
フィルター径(mm) | 77 | 77 | |
重量(g) | 1950 | 1875 | |
製造本数 | 1500 | 2000 | |
リリース年 | 1996〜1997 | 1993〜1997 |
<参考文献・リンク>