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標準ズーム VARIO SONNAR 45-90mm C645 with LEICA S typ007

Last updated on 2026-01-29

京セラ製コンタックス645向けズームレンズ Carl Zeiss VARIO SONNAR T* 45-90mm F4.5をLEICA S Typ007で使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影はLEICA S typ007

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

バリオ・ゾナー・45-90mm F4.5(以下、VE45-90)はズームレンジが45mm〜90mm、絞り開放値F4.5の中判カメラ向けズームレンズ。
LEICA S typ007で使用すると、センサーサイズの倍率0.8をかけて標準領域の36mm〜72mmをカバーする。

F値通しのレンズはマニュアルカメラ時代の高級ズームレンズのイメージを踏襲しているが、カメラの電子化が進んだ現在のPモードで使用する場合、ズームレンズのF値が変化することはそれほど問題にならない。それよりも可変F値で広角側の明るさが増す方がうれしい。
しかし、このレンズはズームレンジが2倍なのでF値を可変にしても、レンズサイズから広角側の45mmでF3.5〜4程度にしかならないため絞り値についてはF4.5通しが現実的だろう。

レンズはインターナルズームではなくズーミングにより全長が少しだけ変化する。ズーミングによる長さ変化は不規則で、45mm位置で5mm程度長くなり、55mm位置が最も短く、90mm位置が最も長く9mm程度前方に繰りだす。

操作は手前側がズームリング、レンズ先端側がフォーカスリングの配置となっている。

LEICA S typ007 + 16038 [ライカ SアダプターC]で使用すると、画像ファイルのEXIFに焦点距離が残るようになっており、いくつの焦点距離で撮影したか、撮影後に確認できるため、現代のズームレンズと遜色のない使い勝手を得られる。この組み合わせではレンズ側に装備されている絞り環は機能せず、カメラ側で絞り値を設定する必要がある。

2.使用感

VE45-90はCONTAX645カメラ終焉の3年前、2002年にリリースされた645判カメラ向けのズームレンズ。LEICA S Typ007との見た目のマッチングはよいので気に入っているレンズの一つだ。

レンズの描写は期待通りで、DNGを現像した絵を確認するとF値は暗いこともあり、シャープさは単焦点と渡り合える。
歪みは焦点距離45mmの場合、無限遠で歪みはほとんど気にならないが、どのレンズでも概ね共通する撮影距離1mくらいのところで、レンガのような格子を撮ると樽形に歪むことが確認できる。
歪み方は素直なので画像処理ソフトでの補正は簡単だろう。さすがにマイナーなレンズなので、普段使用しているAffinity Photo 2のレンズ補正候補リストにはレンズ名は見当たらない。

AFレンズなので、後述する近接撮影時以外はフォーカスはカメラ任せで、フレーミングに集中できる。しかし、他のCONTAX645レンズ同様にオートフォーカス(以下、AF)の合焦速度はそれほど速くはない。最大の欠点はAF合焦点を超えて戻るときにピントが確定する動作だ。
最初のAF合焦点でピタリと止まってくれると嬉しいが、だいたい一往復して合焦位置で止まる。
AF停止位置での合焦精度は問題ない。

近接撮影用のAuto Extension tube 13mmを使用して撮影すると、AFは使えるが合焦精度が悪く、シャッターか切れないことが何度かあったのでMFモードを使用した。
近接撮影をしていての実感では、LEICA S typ007のAFは被写体とAFフレームのあわせ方にもよるが、近接撮影時は合焦精度が落ちるためMFで使うことが多い。
また、所有しているレンズ固有の問題かもしれないが、レンズのAF駆動音は高音の少し耳障りなことがある。

マウントアダプター経由で使用しているためだが、電源を入れてから実際に撮影可能になるまでにワンテンポのラグがあり、スリープ復帰時にカメラとレンズの通信確立に少し時間がかかるところなどは他の645レンズと変わらない。ウェブではライカSとCONTAX 645レンズの組み合わせにおいて、スリープ復帰時にフリーズすると書き込みをみたことがあるが、筆者自身の使用方法は使い終わるとカメラのメインスイッチを切るため、スリープ機能を使わないのでスリープ復帰時にフリーズしたことはない。

このレンズは、HCD35-90を持っていたので購入を見送っていたが、DISTAGON55mm、Planar80mmは価格的に手に入れることが難しそうなので、ZEISSレンズでそのレンジをカバーしてくれることを期待して購入した。所有しているDISTAGON 45mmとはかぶってしまうがそこは目をつぶるつもりだったが、このレンズの万能性からDISTAGON 45mmは不要と判断して売却してしまった。しかしその後、銀座の酸っぱいお店でDISTAGON 55mmを安価で見つけてしまい購入してしまったので、レンズ所有方針はブレブレである。

本レンズの専用フード・GB-104は中古市場に物が少なく価格が高い。2023.6.2にGB-104のデッドストック新品を手に入れた。傷も無い状態なので使うのが惜しいところであるが、そのうち野外で試そうと思う。
DISTAGON 35mm用のGB-101はフード径φ100でバヨネット爪位置も、GB-104と同じなので流用可能だ。GB-101では焦点距離的にはフード長さが足りないが、無いよりはよいので日中野外では使用している。

DISTAGON 55mm同様に製造本数が少ないと言われているが、つねに中古市場には数本供給されているように感じるため、中古店を丹念に探せば見つかるレンズだろう。

3.まとめ

VARIO SONANR 45-90mmはデジタルバック以外のデジタル中判カメラで使用するとき、焦点距離36mm〜72mmと広角側は物足りないが、比較的よく使うレンジをカバーしている。

画質も申し分なく、1本だけ持って旅をする際には、このレンズを選択することも多い。より広角の1本を持っていくかどうかは、そのときの荷物次第である。

レンズサイズは中判レンズなのでそれなりの嵩があり、ライカ Sシリーズで使用するにはカメラボディとのサイズ感もよく使い易い。35mmミラーレスカメラでの使用はレンズが少々大きすぎるだろう。

仕様・考察など

このバリオ・ゾナーの焦点距離範囲が45-90mmを採用して、35-90mmとならなかったのは、広角端を35mmとすることによるレンズの大型化、ズームレンズで広角端で35mmをカバーすると商品構成上、DISTAGON 35mmの立場がなくなることもあり、このレンズスペックになったと推測する。しかし、これは邪推で単純に技術的問題、価格的問題かもしれない。

中判カメラのズームレンズでは、HASSELBLAD HCD35-90LEICA VARIO ELMAR 30-90などがあるが、焦点距離の範囲ではバリオ・ゾナーがもっとも狭いレンズだ。

レンズサイズはレンズシャッターを内蔵しているHASSELBLAD HCD35-90がもっとも大きくて重く、LEICA VARIO ELMARは焦点距離が30〜90mmとカバー範囲が広く、レンズサイズはバリオ・ゾナーと同等で開放F値はF3.5と明るい。仕様だけをくらべるとバリオ・エルマーが3レンズの中でもっともよいレンズとなる。

この仕様上の優位はバリオ・エルマーのレンズ設計年が新しいこと、645版よりも小さなデジタル中判センサー45*30mmに最適化されていることが要因の1つとして考えられる。
しかし、マニアが集う赤丸フォーラムではバリオ・エルマーは散々な書かれようで、ズームレンズにものすごく期待している人がいてちょっと引ひいた。

ライカ自身が記している「絞り開放値が少し暗いことを除けば、単焦点レンズと優劣つけがたく有効にお使いいただけます。」という言葉を信じて、単焦点レンズと描写のガチンコ勝負したのかもしれない。

新しいズームレンズが発売されるたびに、単焦点並みの描写という枕詞をよく聞くが、ズームレンズの設計、製造技術が進歩したら、同じ年代に設計された単焦点レンズの描写も改善されるはずなので、明るさと描写においては単焦点レンズにアドバンテージがあり続けていると思っている。

レンズ構成図は各社のPDFより引用し、サイズはこちらで調整しているため、厳密ではない。

Before imageHASSELBLAD HCD 35-90
レンズ名CONTAX
VARO-SONNAR45-90
HASSELBLAD
HCD35-90
LEICA
VARIO ELMAR 30-90
焦点距離(mm)45.9〜87.536.3〜8730〜90
最大絞り4.54.5(5.6)3.5(5.6)
最小絞り323232
レンズ構成10群12枚11群13枚11群14枚
最短撮影距離(m)0.50.650.65
レンズ長(mm)115167113.5
レンズ最大径(mm)102102.5101
フィルター径(mm)959595
重量(g)114014101030
リリース年20022016年(オレンジドット)2012年
価格379,000円
2023年中古価格15万円〜
102.4万円
2023年中古価格30万円〜
122万円
2023年中古価格50万円〜

参考情報

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更新履歴

  • 2025.4.2
  • 2024.12.15
  • 2024.07.16:更新
  • 2024.03.04:更新
  • 2023.05.24:初稿

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