SUMMICRON-M 2/90(1st)

LEICA製・Mマウントレンズ、SUMMICRON 90mm F2をデジタルカメラで使用した記録

目次

<ギャラリー>
ズミクロン 90mm F2の写真例(LEICA M9)

<レンズの印象>
Mマウントの90mmレンズ、。とても重みがあり、ガラスと鉄の塊りを感じるレンズ。M型カメラに装着するとレンズ側が重く重量バランスはあまり良くない。
絞り開放ではM型レンジファインダーによるピント合わせは厳しく、もっぱらVISOFLEXを使用していた。いまはミラーレスカメラの高精細EVFを使用すれば、ピント合わせは簡単だと思う。
90mmを超えるレンズは、R型で行くと決めてから、M型レンズは処分してしまった。
過去の写真を整理していると、ウェットな描写は現代レンズに合いよい味だと思える。
古いレンズなのでレンズ仕様について様々調べていくと、一時嵌まったVISOFLEX沼に再び足を踏み入れそうになった。

<レンズの仕様>
1953年から製造されたレンズで変遷が複雑でレンズの世代表記は揺れが見られる。
いくつかの参考文献から正当と感じられる表記を記載する。

2010年だからときどき中古で見かけるようになった、フード後付け(フード型番:SOOZI)のレンズだけを初代ズミクロン-Mとする記述と、フード一体型のレンズでもフィルター径がE48は初代ズミクロンに含めるという、二つの記述が確認できる。
E55mmに変わるまでのズミクロンはレンズ構成が同じなので、どこで区切るかは難しく、最もわかりやすい外観の違いを採用することも一理あるとは思うが、ここでは次に記述するVISOFLEXのオプションとの関係から、本レンズを初代に分類するLeica Wikiのシリアル番号による分類を支持する。

E48ズミクロンのレンズ鏡筒はシルバーとブラックがあり、レンズ光学部はMマウントヘリコイドにねじ込まれており、ヘリコイドとレンズが分離する。本レンズ向けにVISOFLEX-II時代にヘリコイド(focusing adapter 16463・ZOOEP )が用意され、ヘリコイドを換装するとVISOFLEX-Mタイプのレンズになる。
初代レンズにはブラックカラーがあるが、16463/ZOOEPのブラックは見たことがない。
VISOFLEXヘリコイドはなかなか難解で、16463(ZOOEP・銀色)は初代ズミクロン専用と思われる。これを眼鏡付きエルマリート-M 135mmのレンズ部に嵌めようとしたが、構造が異なり嵌まらなかった。

E49になった、2代目ズミクロン-M 90mmは黒色しか見たことがなく、Leica WikiにはChromeの記載があるため、実際存在していればずいぶんレアなレンズだと思う。
2代目ズミクロンはVISOFLEX-III時代のヘリコイド(focusing adapter 16462・黒色)を使用する。
ヘリコイド16462は眼鏡付きのエルマリート-M 135mmと共通で使用することができる。
2代目ズミクロンと称するE49タイプは1963年リリースで、眼鏡付きエルマリート-M 135mmは1962年リリースなので、VISOFLEX-III時代のヘリコイドを共通で使用することから、ズミクロンの世代分類として妥当と考える。

三代目ズミクロンは、フィルター径がE55になりモダンな外観に変更された。レンズとヘリコイドと一体化し、分離してのVISOFLEXへの装着機能は無くなった。レンズ構成もズミクロン-R 90mmと同じものになっている。フードは組込み式で変わらないが、形状はシンプルな段差のない筒型フードになっている。

参考リンクのLeica Wikiには、初代ズミクロン-M 90mm / 眼鏡付きエルマリート-M 135mmなどで、VISOで使うにはfocusing adapter 16464を使うように記載されているが、16464はエルマー65mmなどで使用するアダプターでズミクロン-M 90mmは使えない。そのほかレンズの外観写真がおかしい箇所もあり、Leica Wikiの記載も完全では無いと考える。

VISOFLEXマウントはフランジバックが長く様々なマウントアダプターを使うことができ、LEICA-Rマウントアダプターを使用するとR型LEICAカメラで使用できる。
最短撮影距離を短縮する延長チューブOUEPOは黒と銀があり16463/16462のどちらでも使用できる。

項目備考
焦点距離(mm)90
最大絞り2
最小絞り16
レンズ構成5群6枚
絞り羽根15枚
最短撮影距離(m)1.0全域カメラ距離計連動
レンズ長(mm)110マウント面からの距離
レンズ最大径(mm)66三脚座を除く
フィルター径(mm)48E48フィルター
重量(g)660
リリース年1953年

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