ほぼマクロ VISO ELMAR 65mm F3.5

ほぼマクロ VISO ELMAR 65mm F3.5

ライカ・ビゾ エルマー 65mm F3.5をデジタルカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影はSIGMA SD10、SIGMA SD1 Merrill、LEICA M9、FUJIFILM X-Pro1+Speedbooster、HASSELBLAD X2D-100Cを使用した。

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

VISO ELMAR 65mmは、1960年にリリースされたVISOFLEX向けレンズ。

レンズはフォーカスをおこなうヘリコイドは別付けとなっており、フォーカシングユニット OTZFO /16464とレンズを装着しVISOFLEX Mマウントレンズになる。

主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。

  • 開放F値 3.5
  • レンズ構成 3群4枚
  • 絞り羽根 10枚
  • 最短撮影距離 0.7m
  • フード なし
  • レンズカラーバリエーション シルバー(旧型 OCMOR / 11062)とブラック(新型 11162)

2.使用感

VISO ELMAR 65mmの描写は、レンズ枚数が少ないレンズ特有の抜けが良い描写が特徴だ。すべてのElmar 65mmがこのような描写をするか不明だが、被写体の周りに微妙に発生するフレアが写真に独特の調子を与えてくれる。

作例にはSIGMA SD10、SIGMA SD1 Merrill、LEICA M9、FUJIFILM X-Pro1、HASSELBLAD X2D-100Cを掲載した。

作例撮影に使用したカメラは、FOVEONセンサー搭載カメラが2種、ベイヤーセンサーの3つのカメラはいずれもローパスレスで、レンズの解像感が求められるカメラを使っている。作例をみるといずれのカメラでもセンサーの先鋭さを十分に生かせることがわかる。

HASSELBLAD X2D-100Cの作例では四隅に周辺減光が見られるけれど、35mm判フィルムを超えた部分における像の崩れは少ないため、イメージサークルが広いことが確認できる。よってAPS-Cサイズセンサーでは中央部のよいところだけを使うことで画質に余裕ができ、焦点距離を短くするSpeedboosterのようなフォーカルレデューサーを使う際に引き伸ばした画像が安定する。

それぞれのカメラの装着方法は次の通りだ。

  • SD10、SD1 MerrillはVISOFLEX MマウントをM42マウントに変換してカメラに装着した。VISO M-M42マウントアダプターはVISO M-LEICA Rマウントアダプター14127を改造したアダプターを使用している。
  • LEICA M9はVISOFLEX-III型を使いVISOFLEX Mマウントをダイレクトにカメラに装着した。
  • FUJIFILM X-Pro1はFUJI XとLEICA Rを変換するSpeedboosterを使用しているため、VISOFLEX MマウントをLEICA Rマウントに変換してカメラに装着した。
  • HASSELBLAD X2D-100CはXとLEICA Rマウント変換アダプターを所有しているため、VISOFLEX MマウントをLEICA Rマウントに変換してカメラに装着した。

35mm判換算の焦点距離はそれぞれ以下のようになる。

カメラセンサー倍率35mm判換算焦点距離
SD101.7110
SD1 Merrill1.597.5
LEICA M9165
X-Pro1+ Speedbooster1.5*0.8=1.278
X2D0.852

作例は掲載していないがPENTAX K20D、SONY α NEX-6、SONY α7Sii、SONY α900など多くのカメラで使用した。

3.まとめ

結論としてVISO ELMAR 65mmをまとめると、広いイメージサークルと少ないレンズから生みだされる抜けの良い画像が特徴だ。

適合するマウントアダプターを用意すればさまざまなカメラに装着可能で、マクロレンズとしてだけでは無く一般的な撮影にも使える万能なレンズだ。

仕様・考察など

このレンズのVISOFLEX Mマウントは、下表にあるようにフランジバックが69mmと長くほとんどの一眼レフおよびミラーレスカメラで、マウントアダプターを作ることができる。
中判カメラ向けマウントアダプターも作れそうだが残念ながら製品を見かけたことは無い。中判カメラ向け VISOFLEX L39アダプターは存在しているため、寸法からアダプターの厚みがとりづらいのは少々苦しいけれど、実現していないのは需要がそれほど無いことも一因と考えられる。

マウント名フランジバック長(mm)
ニコン Z16
ソニー E18
ライカ L(Lマウントアライアンス)20
ライカ M27.8
シグマ SA44
キヤノン EF44
M4245.5(中庸値)
ニコン F46.5
ライカ R47.4
ライカ S53
コンタックス 64564
ビゾフレックス M69(だいたい)
ビゾフレックスL3991(だいたい)
参考リンク、List of camera flange distances他のマウントのフランジバックの記載がある。値は前述のサイトを含め調査した値を記載している。
Before imageAfter image
項目VISO ELMARELMARIT
焦点距離(mm)6560
最大絞り3.52.8
最小絞り2222
絞り羽根106
レンズ構成3群4枚5群6枚
最短撮影距離(m)0.33(OTFZO /16464使用時)0.27
レンズ長(mm)70 (Rマウント)67
レンズ最大径(mm)62.5 (14127)70
フィルター径(mm)E41前期型=シリーズ7
重量(g)375
フードなし円筒ピン止め
12514
マウントライカRライカR
製造年1959-19671970-1980
製造本数12,45028,000

参考情報

更新履歴

  • 2025.7.10

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