秋田アート鑑賞 2020

冬の秋田を廻る1泊2日の旅

目次

はじめに

2020年12月に秋田県で開催された、美郷町学友館「大小島真木”起源と対話”木・火・土・金・水」の開催に合わせて、秋田県美術館「戸嶋靖昌展 -縄文の焔と闇」秋田市立千秋美術館開「岡田謙三展」秋田公立美術大学サテライトセンター・「透明な知覚 -現象と心象の接点をとらえるためのガラスの実験-」を鑑賞してきた。

移動は、冬期ということもあり公共交通機関+タクシー+徒歩である。
移動の詳細はそれぞれの項と移動の補足に記している。

旅程

美郷町学友館「大小島真木”起源と対話”木・火・土・金・水」

  • 大小島真木”起源と対話”木・火・土・金・水
  • 会期:2020年12月19日(土) 〜 2021年1月24日(日)
  • 会場:秋田県・美郷町学友館
  • 開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
  • 休 館 日:毎週月曜日(ただし、12月28日~1月3日は年末年始のため休館。1月11日は開館し翌12日は休館)
  • 入場料:300円(一般・10名以上の団体は、1名につき200円)
  • 高校生以下 無料

本展は2020年の夏に開催予定だったが、コロナの影響でこの時期の開催に変更され、会期は約1ヶ月と短いため、土、日に「Go to トラベル」キャンペーンを使って秋田を訪れた。

大小島真木さんが5年にわたり同地の学校や施設で描いた五点の壁画を、美郷町学友館へ一時的に移して展示する特別展で、五点の壁画のほか、第一生命ギャラリーの個展 大小島真木「鳥よ、僕の骨で大地の歌を鳴らして。」で展示された大型インスタレーション「世界に見られている」を復元、地元の民具を利用した作品、陶器作品、構想ノート、他多数、過去最大規模の展示となりとても見応えがあった。

本展中に作家が滞在制作する新作壁画の作業をしていたが、訪問当日は制作中盤くらいで作品への加筆が続いていた。作品完成の1月末に再訪していないため、完成した作品は鑑賞できていない。

制作スペースで軽く作家と立ち話をしていると、先生に引率された学生さんの集団が着いて、作家の作品解説がはじまったので、それを聞きながら鑑賞した。

移動のところに詳細をのせているが、この時期の秋田を訪問するのはなかなか大変だった。

美郷町学友館「大小島真木”起源と対話” 木」
美郷町学友館「大小島真木”起源と対話” 火」
美郷町学友館「大小島真木”起源と対話” 土」
美郷町学友館「大小島真木”起源と対話” 金」
美郷町学友館「大小島真木”起源と対話” 水」
美郷町学友館「大小島真木”起源と対話” 新作壁画」
大小島真木”起源と対話”木・火・土・金・水
美郷町学友館

秋田県美術館「戸嶋靖昌展 -縄文の焔と闇」

  • 「戸嶋靖昌展 -縄文の焔と闇」
  • 会期:2020年10月24日(土) から 2021年1月10日(日)
  • 会場:秋田県美術館
  • ※休館日 2020年12月31日(木)、2021年1月1日(金)、1月2日(土)
  • 一般:1,000円(800円)
    高・大学生:800円(600円)
    中学生以下無料

秋田県美術館は初訪問の県立美術館、館の設計は安藤忠雄氏。

訪問したときは、「戸嶋靖昌展 -縄文の焔と闇」を開催していた。戸嶋靖昌はすでに亡くなっている日本の洋画家で、画面の深い黒がとても印象的だ。本展は巡回はなかったようで、ここで見ることができたのは幸運だ。

常設展示は藤田嗣治の部屋があり、展示室の壁をおおう大壁画 「秋田の行事」をふくめとても見応えがある。

戸嶋靖昌展 -縄文の焔と闇
秋田県美術館

館内展示室は撮影禁止

秋田市立千秋美術館「岡田謙三展」

  • コレクション展「岡田謙三展」
  • 会期:2020年11月22日(金)〜2021年1月13日(月)
  • 会場:秋田市立千秋美術館

年内はコレクション展だけで、外看板は年明けの「馬場彬展」になっていた。
「岡田謙三展」はそれほど印象に残る作品はなかった。

美術館は、秋田総合生活文化会館・美術館(愛称・アトリオン)内にあり、アトリウムには、ハスの花をイメージした「アトリオン音楽時計」(直径3.6m)があり、10時、12時、15時、18時の4回花びらが開きクラシックの名曲を演奏する。美術館よりもこの花時計のほうが印象に残った。

アトリオン・花時計
秋田市立千秋美術館

秋田公立美術大学サテライトセンター

  • 透明な知覚 -現象と心象の接点をとらえるためのガラスの実験-
  • 2020年12月5日(土)~12月27日(日)
  • 会場:秋田公立美術大学サテライトセンター
  • 開館時間:午前10時~午後18時50分

「透明な知覚 -現象と心象の接点をとらえるためのガラスの実験-」は田中里姫の個展

田中里姫の作品は、純粋に彫刻作品としての可能性を追求している作品、極薄いガラスを入れ子状に重ねた器、ガラスを糸のように張った作品など、高度な技術で多彩な作品があり、普段イメージするガラスとは異なる作品は見応えがあった。

秋田公立美術大学サテライトセンターは秋田駅前のFONTE AKITA 6階にある秋田公立美術大学の施設で、学校はより海沿いの新屋地区にあるため、アクセスのよいこちらに展示スペースを設けているようだ。

透明な知覚 -現象と心象の接点をとらえるためのガラスの実験-
透明な知覚 -現象と心象の接点をとらえるためのガラスの実験-
透明な知覚 -現象と心象の接点をとらえるためのガラスの実験-

ギャラリー

大小島真木”起源と対話”木・火・土・金・水
2020・秋田の旅
« 10 »

移動の補足

1日目は、早朝の東京駅を出て秋田を目指す。
12月の東北は雪模様で新幹線は角館駅少しの時間停車して、定刻から15分程度遅れて、乗換駅・大曲駅についた。

角館駅
奥羽線

乗り換え時間が30分弱あったので、15分の遅れは大きな問題にはならず、大曲駅で10時発の在来線に乗り換えて、美郷町学友館の最寄り駅、飯詰駅を目指した。

ここで在来線の乗り換えに失敗した場合は、大曲駅からタクシーで美郷町学友館へ行くのがよい。後述するが飯詰駅はとても不便なところだ。

やってきた在来線は雪まみれで走っているのが不思議なくらいだ。
奥羽本線の大曲駅と飯詰駅間は一駅で乗車時間は6分程度、この区間は在来線と新幹線が同じ高さを走っており、猛スピードですれ違う光景はなかなか迫力がある。

奥羽本線・車窓
飯詰駅・つらら

飯詰駅は典型的な地方の駅で、駅舎に係の人がいるだけで列車待ちの客もほとんどいない。
駅舎の屋根からぶら下がっている、つららはまさに凶器だ。

目的地の美郷町学友館は駅から5kmの距離にあるため好天でも歩くのは少々しんどい。

駅前にコンビニなどの店はなく、1時間に1本の列車が着く時間でもバスやタクシーがいるわけもない。そして、雪に閉ざされた駅前にレンタカーやレンタル自転車がある気配もなく、あったとしてもこの雪では使う気にはならない。

ここから先の移動はなかなか困難だ。

結局、駅の電話でタクシーを呼んだわけだが、この天気のためすぐに来るわけもなく、ストーブの効いた駅舎で20分程待っていたらタクシーはやってきた。

到着したタクシーの運転手さんに美郷町学友館に行くようにお願いをして、道ばた雪に驚いていると、「この時期にこれだけ降るのは珍しいですね。」と教えてくれた。タクシー料金は2020年で1500円程度だった。

美郷町学友館周辺も雪でおおわれており、歩道も雪に埋もれておりごく近所への移動も大変だ。
雪で閉店している店も多く食事する場所に難儀し、近所のスーパーでお惣菜を買って昼食にした。

1時間ほど館に滞在してもう少しいるつもりだったが、飯詰駅への帰りもタクシーを呼んでもすぐにこないと判断して早めにタクシーを呼んだところ、タクシーは電話の後30分ほどしてやってきた。

タクシーで14時くらいに飯詰駅に戻ったところ、奥羽本線は降雪のため電車が運休になりそうとのことを駅舎の人から聞いて少々ビビったが、なんとか本日最後の秋田駅行き普通列車が着いたので、それに乗って秋田駅に向かった。
この電車が来なかったら、大曲駅までタクシーで移動し新幹線で秋田駅に戻ることになるところだった。

初めて降りた秋田駅周辺は雪かきもされており、秋田県美術館千秋美術館をまわったが移動に苦労はなかった。アーケードの付いた通りもあり、それなりに整備されているようだ。

美術館を2つまわると18時を過ぎたので、晩ご飯を探して少しうろうろしたが、駅近の地下飲食街ですませた。

1日目・夕食
秋田県美術館

食事を済ませてから18時くらいにホテルにチェックインして、本日は疲れたので休んだ。

2日目は、天気がよければ、横手市の秋田県立近代美術館「ARTS & ROUTES -あわいをたどる旅-」を見たかったが、同館は降雪で有名な奥羽本線の横手駅にあり、さらに駅からかなり離れた場所なので、館への移動は困難と判断して訪問を諦めた。とくに行く場所もないので、昨日訪問した美郷町学友館「大小島真木”起源と対話”木・火・土・金・水」を再び訪れた。

美郷町学友館へは、秋田駅を9時台に出発する列車を利用した。
今日は比較的天気がよいためか列車は順調に動いているようだ。
飯詰駅からタクシーでの移動は昨日と同じだ。

1時間ほど鑑賞して帰りの算段を考えていると、後からやってきた鑑賞者が30分ほど滞在して表に待たせてあるタクシーで大曲駅へ戻るとのことなので、料金を折半して同乗させていただき大曲駅に戻った。同乗の方は日帰りで、そのまま東京方面の新幹線に乗るとのことで大曲駅でお別れとなった。

帰りの新幹線は夕方で秋田駅発なので、大曲駅から秋田駅に戻ることにして、秋田駅に戻る電車を見ると、ちょうど新幹線が来る時間だったので、一駅分の特急券を購入して秋田駅に戻った。
大曲駅は新幹線停車駅なので秋田に向かう場合、在来線と新幹線の両方が利用できるため、飯詰駅から1時間に1本の在来線を使うより早く秋田駅に戻ることができた。

美郷町学友館に行く場合、飯詰駅は電話でタクシーを呼ぶ必要があるが、大曲駅美郷町学友館への距離が長くなるためタクシー料金は高くなるが、通常時は駅前にタクシーが待機しているため、こちらのルートを使うほうが時間効率は圧倒的によい。

お昼過ぎに秋田駅に戻ってきたので駅ビルで昼食にした。三郷町学友館にて美郷のミズモをいただいたので、食事の相棒が増えている。

トラりんと三郷のミズモ+2日目昼食

秋田公立美術大学サテライトセンター「透明な知覚 -現象と心象の接点をとらえるためのガラスの実験-」を鑑賞した後、他に行く気力もなくなったので、秋田市秋田市民交流プラザの休憩コーナーで東京行き秋田新幹線の発車時間まで時間を潰していた。
夕食のお弁当を購入して16時くらいに東京に向けて出発し、4時間後の20時に東京に着いた。

今回の旅はコレにて終了。

秋田新幹線
2日目・夕食

周辺のアート施設と参考リンク

更新履歴

  • 2025.2.15

撮影機材

広告

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントする

Shige's hobby