アンドリュー ワイエス展・大山崎山荘美術館
滅びゆく館を見つめて
大山崎山荘美術館「丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー ワイエス展」鑑賞レポート
- ページに表示される広告をクリックすることによりサイト管理者に報酬が発生する。
広告の詳細はリンク先に記載
目次
展覧会概要
- 展名:丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展 -追憶のオルソン・ハウス
- 会期:前期:2024年9月14日(土)-10月27日(日) /後期:2024年10月29日(火)-12月8日(日)
- 開館時間:午前10時~午後5時
- 休館日:月曜日(ただし、9月16日・23日、10月14日、11月4日の祝日・休日、
および11月18日・25日、12月2日は開館)、祝日・休日の翌火曜日 - 主催:アサヒグループ大山崎山荘美術館
- 特別協力:丸沼芸術の森
- 入館料
一般1,300円(団体:1,200円)
高・大学生500円(団体:400円)
中学生以下無料
障害者手帳をお持ちの方300円
※団体:20名以上、※価格は全て税込表示です - 後援:京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、京都新聞、読売新聞京都総局、朝日新聞京都総局、毎日新聞京都支局、産経新聞社京都総局、NHK京都放送局、エフエム京都
鑑賞レポート
大山崎山荘美術館で開催された「丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス -追憶のオルソン・ハウス」を2024年10月22日に鑑賞したレポート。
<鑑賞の目次>
<大山崎山荘美術館への道>
美術館へは京都駅からJRの在来線である東海道・山陽本線に乗って山崎駅で降りて、徒歩で美術館に向かった。駅からは美術館が提供する送迎バスがあるが、マイクロバスなので乗車人数が限られるので足下が不自由な人が優先される。バスの本数も少ないため、日常歩行に問題のない人は歩いて行くことにした方がよいと思われる。自家用車で訪問する場合も美術館には駐車場がないため、電車来訪と同様に駅周辺のコインパーキングに駐車して、駅から徒歩かマイクロバスとなる。
駅周辺には、喫茶店などがあり、食事は可能と思われる。
美術館までへの道は東海道・山陽本線の大きな踏切を渡るのと、駅から美術館は坂道を登る必要がある。道の分岐部分には美術館への案内板があるため、道を間違うことはないだろう。
踏切待ちをしていると、京都-関西空港を結ぶ、特急はるかのハローキティバージョンが目の前を通過していった。
大山崎山荘美術館のある天王山は、戦国時代に豊臣秀吉と明智光秀が戦った山崎の合戦の舞台となった地名で、送迎バスを待つ待合所の付近には《秀吉の道》という作:堺屋太一、画:岩井弘による陶板の作品が展示されている。
美術館入口の柵は、開館時間の10時に警備員さんが開けてくれる。この入口から美術館までは、上り坂を徒歩で5分程度あるいた先にある。館入口にチケット売り場と売店がある。入場券と売店は現金の他にクレジットカードなどのキャッシュレス決済も可能であった。
<「丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス -追憶のオルソン・ハウス」>
展示は3つのブロックに分かれており、本館、山手館「夢の箱」、地中館「地中の宝石箱」の3カ所に作品が展示されている。
本館の展示室1では、ワイエスへの導入部分でオルソン・ハウスの模型などが展示されている。また、そ本館は常設展示室となっており、日麦酒株式会社(現アサヒグループホールディングス株式会社)初代社長・山本爲三郎が支援した民藝運動ゆかりの作品群の近くに展示されている。
本館から階段かエレベーターで2階に行くと喫茶室と常設展示室がある。エレベータは外からは目立たない位置にあり、バリアフリーと古い建物を上手く融合させている。
本館から山手館へ続く回廊を抜けて到着する、山手館「夢の箱」はギャラリースペースでこちらには今回のメインメインテーマ、オルソン・ハウスに関する作品が展示されている。
オルソン姉弟の日常風景、ワイエスが鏡に映った自分に驚いた場面を描いた《幽霊》習作など、素朴だが情感豊かな作品が展示されている。
山手館から本館に戻り、外の通路を経由して、地中館「地中の宝石箱」へと展示はつながる。「地中の宝石箱」では、ワイエスの代表作《クリスティーナの世界》の習作が、クロード・モネの《睡蓮》連作と向かい合わせに展示されている。
久しぶりにみるワイエス作品だが、アメリカ絵画で思い浮かぶウォーホル、キース・ヘリングなどのカラフルな作品とは対極的な詩情あふれる絵画をこの大山崎山荘美術館で鑑賞できたのはとてもよい鑑賞経験となった。
このあと、所用で帰省した築50年の実家をみて、ここもオルソン・ハウスのように滅びていくのか?と感傷に浸っていたが、調べるとオルソン・ハウスは2024年現在も健在で2011年にアメリカの国定歴史建造物に指定されてファーンズワース美術館が管理運営している。
日本中にある名もなき個人にとってのオルソン・ハウスはほとんど更地になるんだろうけれど、ストーリーを持った建物はしっかりと受け継がれるのは世界共通だ。
展示作品は、「丸沼芸術の森」の所蔵作品で国内にこれほどのコレクションがあことを知らなかった。「丸沼芸術の森」についてはリンク先に詳しい情報があるが、常設展示はおこなっておらず、ワークショップと芸術家のアトリエとして使われていると記載がある。貸し出ししていないときは常設展示して欲しい。
バルコニーを含む館外からの撮影は許可されているが、館内はすべて撮影禁止となっている。
<大山崎山荘美術館・喫茶室>
10時に入館チケットを買って入館したら鑑賞前に2階の喫茶室に向かった。大山崎山荘美術館の来るのは十数年ぶりで、そのときもこちらの喫茶店に立ち寄っている。過去の訪問時からメニューが変わったのかどうかはすでに記憶にないが、今回の訪問ではケーキ2種類と飲み物が数種類あった。今回はカルピスとベリーのタルトをいただいた。喫茶店内の撮影もできないが、ケーキの撮影はどうぞと喫茶店の方に教えていただいた。
喫茶室は食事は用意されていないようなので、おなかが減りそうな時間に行く場合はあらかじめ食事を済ませてから訪問するのが無難と思われる。
喫茶室のバルコニーからは、「地中の宝石箱」の回廊、八幡市街、宝積寺の三重塔の頭をみることができる。「地中の宝石箱」の先には淀川があるけれど、木々が生い茂っており見ることはできなかった。
<屋外>
大山崎山荘美術館は12月上旬頃に紅葉するが、10月下旬の訪問日は、ほんのりと赤みがかっている木もあったが、そのほとんどは青いままであった。野外彫刻もいくつかあり、館内を鑑賞後に館外をまわるといくつかの作品を見つけることができる。
ギャラリー
使用機材
- HASSELBLAD X2D +XCD 28mmP
- CANON IXY3
- iPhone 12 mini
関連リンク
更新履歴
- 2024.11.4