35mmFF 2007年フラッグシップ CANON EOS-1Ds Mark-III

35mmFF 2007年フラッグシップ CANON EOS-1Ds Mark-III

キヤノン製デジタル一眼レフカメラ・CANON EOS 1Ds Mark-IIIをCONTAX N VARIO SONNAR 24-85mmとLEICA Rマウントレンズで使用したレビューと写真作例

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目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のレンズを使用した。

レビュー

VARIO ELMAR R 70-210 F4 +CANON EOS 1Ds Mk-III

1.概要

CANON EOS 1Ds Mark-IIIは、2007年に発売された35mmフルフレームセンサーを搭載したキヤノン製デジタル一眼レフカメラ。

35mmフルフレームセンサー搭載のデジタル一眼レフカメラとしては2007年当時のキヤノン・ハイエンドカメラだ。

画素数は2110万画素、記録メディアはコンパクトフラッシュカードとSDHCカードのデュアルスロットになっている。

ISO感度は常用100〜1600、拡張50〜3200。

動作は専用電池 LP-E4、LP-E4N、LP-E19を使用する。ただし、充電をおこなうためには電池LP-E4、LP-E4Nは充電器LC-E4かLC-E4N、電池LP-E19は充電器LC-E19が必要になる。充電器LC-E19は電池LP-E4、LP-E4Nの充電に対応しているようだが、キヤノン公式は推奨していない。また、電池LP-E4Nを古い型番の充電器LC-E4で充電する場合、電池状態によっては正しく充電できないとの注意書きがある。以下に注意文を引用。公式ページから探せなかったので、Bicカメラの商品ページより引用した。

  • ※ [LC-E4にて充電を行う場合のご注意]
    劣化の進んだLP-E4NをLC-E4で充電すると、電池状態によっては、充電ランプ3つ全部(故障表示)が点滅する場合があります。その場合は、充電器かカメラ本体で劣化度を確認し、劣化度が表示される場合は、そのままご使用ください。また、電池の状態により100%まで充電できない場合がございます。

2.使用感

CANON EOS 1Ds Mark-IIIの導入目的は「仕様・考察」の最後に述べているとおり、ライカRマウントをレンズを使うためである。しかし、初期の目的であるライカRマウントレンズを使うために購入したカメラだが、下調べが足りず35mmより広角レンズについてはほとんどのレンズで使用できず、目的を達することができなかった。

所有しているオートフォーカスレンズはCONTAX NマウントをEFマウントに改造した、CONTAX VARIO SONNAR N 24-85mmのみで、これはアメリカでNマウントからEFマウントに改造されたレンズを絞り機構が壊れているため格安で入手したものだ。このレンズは35mmフルフレームセンサーの1Ds Mark-IIIで使用した場合、レンズの表示通り24mm〜85mmと今風の標準ズームレンズになる。

オートフォーカスに関しては、CONTAX VARIO SONNAR N 24-85mmで使っただけだが、十分な速度を持っている。怪しげな改造レンズなので精度に関しては撮影結果をみると、オートフォーカスを信用すると思ったところに合っていないことも散見される。これに関してはレンズ側がよろしくない可能性がある。

ISO感度は2007年のイメージセンサーなので常用感度は最高感度ISO1600、拡張感度3200となっており、高感度はそれほど期待できない。自身の感覚だと等倍で覧るとISO800くらいまでがで限界で、縮小するならISO1600もありと感じた。
ISO感度設定にISOオートの項目はないが、「セイフティシフト」機能を「2:する(ISO感度)」を選択すると、プログラムAE(P)、シャッター優先AE(Tv)、絞り優先 AE(Av)撮影モードで、被写体の明るさの変化により、設定したISO感度では適切な自動露出値が得られないとき、適正露出になるようにISO感度を100~1600の間で自動的に変化する機能がある。

デジタル一眼レフカメラ全般に言えることだが、一眼レフカメラのアイデンティティであるミラーとメカシャッターを使用した撮影は、35mmフルフレームセンサーに対応した大判のミラーを備えているため、コマ速秒5コマとはいえ動作音はかなりうるさい。動作音に気をつかう静かな場所、とくに室内はカメラのミラー駆動とシャッター音が室内に反射するため使用に向いていない。この音はかなり耳障りに感じる人もいる。
やはり、ある程度の外部音がする場所、人気の無いところで使うのに向いている。

LEICA Rマウントレンズを使う場合はマニュアルフォーカスで使うことになるが、フルフレームセンサーのEOS 1Ds Mark-IIIびファインダーは、絞り最大値F1.4のレンズを絞り開放で使う場合、標準のマットではピントの山を掴むことが難しい。マットを買えると多少改善するがファインダーが暗くなるなど弊害もある。
結局のところ妥協して絞りを絞って使うかフォーカス位置を微妙に変えて撮影するフォーカスブラケットで対応していた。

やはり、ピント調節に関してはミラーレスカメラの電子ビューファインダーの方が確実性が高くピント合わせが容易である。

EOS-1D、1Ds、1DXシリーズは縦位置グリップが一体化しており、正面から見るとほぼ正方形だ。その中央にレンズが来るためミドルクラスのカメラを収納する肩掛けバックの場合、レンズを付けたまま収納するのが難しい。過去にさまざまなカメラバックを探したが、これといった決め手はなく、鞄を少し膨らませつつ、無理矢理鞄に押し込んでいる。おそらく深さがあるリュックタイプの方がレンズを付けたカメラの収まりは良さそうだが、肩掛けバックが好きなので使っていない。

3.まとめ

結論としてCANON EOS 1Ds Mark-IIIをまとめると、2025年現在も画質面においては実用できるデジタル一眼レフカメラだ。しかし、一眼レフカメラというシステムそのものがミラーレスカメラに劣る点が多いため、使用用途をはっきりさせてから購入するのが望ましい。

記録用メモリーカードは、コンパクトフラッシュとSDカードとなっているが、SDカードスロットの対応カードはSDHCカード=32GBまでとなっているため注意が必要だ。SDXCカードは認識できない。

一眼レフカメラの弱点とミラーレスカメラの優位性

  • ファインダー表示自由度のなさ →EVFによる情報表示の多彩さ、暗所における明るさの調整
  • 機械シャッターとミラー機構により動作音が五月蠅い →電子シャッターによる静音撮影
  • レンズを含むカメラシステムが大型になりやすい →シャッター機構がないためカメラとレンズを小型化できる

仕様・考察など

ライカRマウントレンズ

Before imageAfter image

CANON-EFマウントはマウントアダプターを介してさまざまな他社レンズを装着できる便利なマウントだ。しかし、ライカRマウントの一部レンズはレンズ後玉がミラーに近い位置にあるため、35mmフルフレームセンサーを搭載したEOSデジタル一眼レフカメラは装着レンズによってはカメラがエラーとなり使えないことがある。

CANON EOS 1Ds Mark-IIIはライカRマウントの焦点距離50mmより広角なレンズはほぼすべて使うことができなかった。Rマウントの広角レンズで使用可能だったのは手持ちのレンズではELMARIT R 28mm 2型のみである。

もちろん、ライカRマウントレンズをミラーレスカメラで使用すれば不具合はほとんど無いわけだが、ライカRマウントは一眼レフカメラマウントであるため、デジタル一眼レフでもっとも融通の利くCANON-EFマウント+35mmフルフレームセンサーを試したが、所有していたライカRマウントの広角レンズがほとんど使えないという残念な結果に終わった。

このライカRマウントレンズとEOSデジタルカメラのエラーについてはリンク先にまとめた表が記載されているので、参照していただけると、カメラ毎に使用可能なレンズがわかるようになっている。

上記リンク先のリストではY=使用可能となっているELMARIT R 28mm 1型はこちらの環境ではエラーで使えなかった。その他Yの付いているSuper-Elmar-R 15mm F3.5、Elmarit-R 19mm F2.8、Super-Angulon-R 21mm F4.0はカメラ所有時にレンズを所有していなかったので、リストの真贋についてはわからない。

これは、カメラ毎に接触検出センサーの反応に差があったり、レンズ自身の仕様誤差により、使える場合と使えない場合が発生するなどが理由として考えられるが、最終的には自身の所有するカメラとレンズで確認するしかない。

1Dsシリーズについて

EOS 1Dsシリーズは、無印、Mark-II、Mark-IIIの3カメラがリリースされており、1Ds Mark-IIIの後継カメラはEOS-1DXだ。中古で買う場合の注意点だが、無印、Mark-IIは電池がニッケル水素電池なので重量が重くバッテリー管理が面倒なのでお勧めしない。バッテリーにリチウムイオン電池を積んでいる1Ds Mark-III以降が使い易い。また、1Ds Mark-III以降は2000万画素が標準となっており、新しいカメラほどミラーレス的カメラ機構の搭載、高ISO対応、連写速度の向上などよくなっている部分はあるが、それほど連写を必要とせず、ISO感度100〜400程度で日中撮影に使うなら1Ds Mark-III以降はそれほど大きな差はない。

プロ向けに売られたカメラなので、中古品はシャッター回数が多いカメラが中古市場で流通しており、修理期間の終わったカメラがほとんどなので、使い潰す気持ちで入手するのがよいだろう。

リリース時点ではハイエンドのカメラなので、異常なく動作するカメラであれば、趣味で使う分には中級カメラとは一線を画した過剰なクオリティを感じさせてくれる。

キヤノンデジタル一眼レフカメラシャッター数カウント

シャッター回数のカウントは、キヤノンカメラはカメラとPCをUSB接続して確認する必要がある。
確認には専用ソフトウェアが必要で、WindowsはSourceforgeに登録されているフリーソフトウェアの「Canon EOS DIGITAL Info」が無償ソフトとして公開されている。

Macの場合は有償のソフトウェアしか無く、「ShutterCount」、「Free Shutter Count」ともに有償登録をしないとシャッター数の確認ができない。後者の「Free Shutter Count」はソフト名称にフリーと付いているが、無償で確認できるのはシャッター数の下3桁のみという紛らわしいソフトウェアだ。

シャッター数の確認だがニコン製カメラは撮影画像にシャッター数が記録されており、確認が容易なのとはキヤノンと対称的だ。どちらの方法も数値が正確かは言い切れないことがあり、また、シャッター数が少なくても故障する場合はあるため、シャッター数はカメラ健全性の一つの目安と考えておくのが無難だ。

項目CANON EOS 1Ds Mark-IIIEOS 1DX Mark-III
カメラ有効画素数21102010
センサーCMOSCMOS
センサーサイズ35.9×23.9mm35.9×23.9mm
マウントCANON-EFCANON-EF
背面液晶3.0型/約23万ドット3.2 型(3:2) / 約 210 万ドット
ファインダーペンタプリズム使用、アイレベル式 上下/左右とも約100% 約0.76倍(50mmレンズ・∞・-1m-1)ペンタプリズム使用、アイレベル式 上下/左右とも約100% 約0.76倍(50mmレンズ・∞・-1m-1)
コマ速5コマ/秒シャッター 16コマ/秒
ライブビュー20コマ/秒
画像処理エンジンデュアルDIGIC 4DIGIC X
オートフォーカスTTL 二次結像位相差検出方式ファインダー時:専用AFセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式
ライブビュー時:デュアルピクセルCMOS AF
バッテリー LP-E4N / LP-E4 / LP-19 LP-19 / LP-E4N / LP-E4
記録メディアコンパクトフラッシュ&SDHCCFexpressメモリーカード
* Type B対応:2カードスロット
外形寸法(mm) 幅 x 高さ x 奥行156 × 159.6 × 79.9158.0 × 167.6 × 82.6
重量(g)13201,440
リリース年2009年10月2020年10月

オプション

参考情報

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更新履歴

  • 2025.9.28

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