R新世代広角レンズ ELMARIT R 28mm 2nd

R新世代広角レンズ ELMARIT R 28mm 2nd

LEICA ELMARIT R 28mm 2型(後期型)のレビューと写真作例

目次

写真作例

  • 写真作例の撮影はSONY α7SiiとCANON EOS-1DsMK III

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

エルマリート R 28mm 2型は、1993年にリリースされたRマウントの広角レンズ。

角形組み込みフードを内蔵し、フィルター径 55mm、最短撮影距離 0.3m、重量は435gとなっている。

リリース時期は1993年でR8とR7などが混在する時期にあたり、古いR型カメラに対応するため3-CAM、R-CAMと、新しいRマウントボディ、R8、R9向けのR-CAM+ROMが発売されている。

ROM端子搭載レンズは、ライカ製 LマウントアライアンスボディにLEICA R-Adapter-L(16076)を用いると、絞り値、レンズ名などの情報を撮影画像ファイルのexifに記録できる。

外観の意匠から新しい世代のRレンズとなる。このような角形組み込みフードを持つレンズは本レンズだけで特徴的な外観をしている。このほかには、SUPER ELMARIT 15mmSUMMILUX 50mm E60APO SUMMICRON 90mm、APO ELMARIT 180mmなどが新しい世代のRレンズとなる。

2.使用感

エルマリート R 28mm 2型は絞り開放から満足できる描写で、デジタル、フィルムともに画像周辺部にも破綻はなく、全体的に解像感のある写真を得ることができる。

フォーカスリングの角度は無限から最短撮影距離 0.3mまで90度とやや浅く、フォーカスの感触は軽くできており、素早く焦点距離を移動することを重視した設計となっている。

取り回しも一眼レフレンズとしてはコンパクトで、レンズフードも効果的で使いやすい。

もともとエルマリート R 28mm 2型は中古市場で見かけることは少なく、フランジバックの短いミラーレスカメラの普及により、各カメラ向けのマウントアダプターが充実によりRレンズを気楽に使えるようになり、レンズの中古価格は上昇傾向だ。

この新型エルマリート28mmはニコンマウントに換装された個体を見かけることもあり、これは一眼レフ用カメラ向けレンズは、いずれも同じような長さのフランジバックをしており、様々なカメラ向けにマウントアダプターを作ることが難しく、ライカRマウントレンズを他社カメラで使用する場合は、マウント金具を取り替えるという改造がおこなわれていた。それがそのまま中古市場に並んでいるためだ。

ライカRマウントの広角レンズをマウントアダプター経由で、35mmフルサイズセンサー機で使う場合、後玉の出っ張りがEOSのセンサーに検知されErrで使用できないレンズもある。しかし、本レンズはEOS-1DsMKIIIで使用可能な広角レンズで貴重である。

センサーサイズ 44mm x33mmの中判デジタルカメラ・X1D2で使用したところ、中判デジタルセンサーに対しては周辺部でイメージサークルが足りていないがその割合は10%程度だ。35mm判の36 x 24 mmは中判デジタルセンサーに対して20%小さいため、このレンズの撮影可能範囲は35mm判より大きく余裕がある。

中判デジタルセンサー撮影結果

3.まとめ

結論としてエルマリート R 28mm 2型をまとめると、モダンな描写をする広角レンズ。Rマウント広角レンズの中では後玉の張り出しが少ないためマウントアダプターを経由して他社カメラに使いやすい利点がある。

国内での流通は少なくebayではそれなりの数がつねに出品されているが、けっこう強気なプライスタグで並んでおり、購入時は自身の価値に見合うか見極めることが必要になる。

仕様・レンズ仕様

下図ではエルマリート R 28mm 2型が大きく見えるが、エルマリート R 28mm 1型にフードを装着すると大きさは逆転する。

Before imageAfter image
項目ELMARIT II型ELMARIT I型
焦点距離(mm)2828
最大絞り2.82.8
最小絞り2222
絞り羽根68
レンズ構成7群8枚8群8枚
最短撮影距離(m)0.30.3
レンズ長(mm)4840
レンズ最大径(mm)67.563
フィルター径(mm)55シリーズ7、48 mm
重量(g)435390
フード組み込み12509
マウントライカRライカR
製造年1993〜1970〜
製造本数3,700(2002年まで)50,510(1992年まで)

参考情報

更新履歴

  • 2025.6.1
  • 2025.1.3
  • 2024.02.16:改稿
  • 2022.02.08:初稿

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