HASSELBLAD HC 2.2/100

HASSELBLAD HC 100mm F2.2をX2D、X1D、X1DII(907Xにも適用可能と考える)で使用した記録

HC100 +X2D

目次

<ギャラリー>

<レンズの印象>
HC/HCDレンズとしては6本目に入手した。
オレンジドット付きを確認して購入したのでX H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*でAF(オートフォーカス)が使用できることはわかっていた。
X1DIIでレンズ情報を確認すると、ファームウェアは18.0.0でシャッター回数は約8000回であった。AFを使うためにファームウェアを19.1.0にアップデートした。
AF速度は他のAF可能レンズと同程度の速度でAF合焦速度は早くはない。特に撮影場所のコントラストの違いがあまりない場所ではAFは迷う。
このレンズは重量が重い大きな前玉を動かしてフォーカスするためか、中古市場ではAF部分が壊れたHC100mmレンズを見かけるので、AFモーターを酷使するのは危険だと考える。
コントラストの違いが無い被写体や、AFは一回で決まらないときはMF(マニュアルフォーカス)に切り替えてフォーカスするのがレンズを痛めないためにもベターと考える。
幸いフォーカスリングは幅広で使いやすい。フォーカスリングを回すと無限を超えたところでざらざらした感触がするのは気になるが、無限を超えたと判断する目安と思っている。
ボディをX2Dに変更してからAFの迷いが減ったと感じる。駆動モーターと焦点調整レンズの重さから合焦速度はそれほど上がらないが、合焦精度が向上するのはうれしい。

このレンズは明るいレンズで、XH CONVERTER 0.8*を使用した場合はさらに明るくなることもあり、積極的にオレンジドットのシャッター速度1/2000を選択する価値はあると考える(AFはおまけ程度に考えると幸せだろう)。
レンズ構成はシンプルな5群6枚のプラナー型、87.5mmという大きなレンズ径でネガ部分をすべてキャンセルする思想と感じる(大口径化により、補正しなくてもゆがみが減る、センサーへの入射角も浅く維持できる)。
逆光耐性も十分あり、野外にてフード無しで使用しても困ることはほとんどない。
レンズ単体重量が780gで、コンバータとカメラを足すと1.3kgで、HCレンズの中では重くない部類に入る。
2種類のアダプターで80mm、64mmと焦点距離を使い分けられるところも気に入っている。64mmの場合はF値も1.8になるため暗い場所での撮影にも重宝する。
X1D/X1DII(907X)でも、x1.7テレコンを使用することができ、X H Lens Adapter*を介してx1.7テレコンを使用した場合、焦点距離170mm、最大絞りF3.5の望遠レンズとして使用できる。
3種類のEXTENSION TUBES H(13mm/26mm/52mm)を使用した近接撮影も可能である。ギャラリーに26mmの延長チューブH26を使用した作例を載せた。

HC100
HASSELBLAD HC100

<レンズの仕様>
HC 2.2/100はHASSELBLAD Hシリーズカメラ用の大口径中望遠・焦点距離100mmのレンズで、HCシリーズなので、中判カメラHxDで使用する場合、センサーサイズ 40.2×53.7mmまでカバーし、そのとき焦点距離は約67mmになる。
X1D/X1DII(907X)では、X H Lens Adapter*かXH CONVERTER 0.8*を経由して本レンズを使用できる。
X H Lens Adapter*を使用した場合、焦点距離約80mmになる。
XH CONVERTER 0.8*を使用した場合、焦点距離64mmになる。
*リンク先はrakutenのMapcamera

項目備考
焦点距離(mm)100
最大絞り2.2
最小絞り32
レンズ構成5群6枚ガウス型
最短撮影距離(m)0.9
レンズ長(mm)80.5
レンズ最大径(mm)87.5
フィルター径(mm)77
重量(g)780
HC 100mm レンズ仕様書(英語)

<アクセサリー互換性>

  • Converter H 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できる。
  • Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる。
  • HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できる。
  • イメージサークルは中判フィルムサイズまでカバーする。

<AF対応について>
HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してX1D,X1DII,907Xに装着しAF(オートフォーカス)を駆動させるためには、レンズファームウェアの領域が拡張された18.0.0以降のレンズが必要である。17.0.0以前のレンズに18.0.0以降のファーウウェアを適用しても領域が足りないため変更できない。
レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり100%AFに対応している。
オレンジドットのないレンズでも、AF対応可能なものはあり、レンズシリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズ(シリアルナンバーがSから始まるレンズは2000年代に製造されたレンズ)についてはファームウェア領域が拡張されているレンズが多くAFに対応できる可能性が高い。しかし、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のファームウェアを確認するのが最も確実である。
古いシリアルナンバーでも修理時にユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。

<FUJINONレンズについて>
HCレンズにはFUJIフィルムブランド(SUPER EBC FUJINON)のものがあり、HASSELBLAD HCカメラで使用できるが、シャッターユニットが1/800時代のものしかなく(こちらは致命的ではない)、レンズファームウェアが古いため(こちらが致命的)、XCDマウントカメラ(X1D,X1DII,907X)でAF(オートフォーカス)を利用するために必要なファームウェア(HCレンズファームウェア19.1)を導入することができない。
そのためマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してXCDマウントカメラ(X1D,X1DII,907X)装着してもAFは使用できない。
*リンク先はrakutenのMapcamera

また、FUJINONブランドのHCレンズは、HASSELBLADの修理サポート対象外でFUJIフィルムによる修理サポートも終わっているため、故障時に対応することができない。HASSELBLADブランドのHCレンズは古くてもHASSELBLAD社にて修理対応してもらえる。
FUJIブランドのHCレンズは格安で売られているが、購入時は注意が必要である。

HCレンズは富士フイルム製造なので、X1D,X1DII,907Xと同じセンサーサイズの富士フイルムGFXシリーズもマウントアダプター(H MOUNT ADAPTER G)を用意している。こちらはMF(マニュアルフォーカス)専用となるが、カメラ側のメカシャッターだけでなく、レンズシャッターも使用できる。

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