HASSELBLAD HC 100mm F2.2

ハッセルブラッド HC 100mm F2.2のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

ハッセルブラッド HC 100mm F2.2はハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の大口径中望遠レンズ。
HCシリーズレンズなので、中判カメラHxDで使用する場合、センサーサイズ 40.2×53.7mmまでカバーし、そのとき焦点距離は約67mmになる。

レンズ構成はシンプルな5群6枚のプラナー型、87.5mmという大きなレンズ径で、プラナーが持っているネガな部分を覆い隠す設計思想と感じる。基本的に大口径化により、レンズによる補正を多用しなくてもゆがみが減り、センサーへの光の入射角も浅く維持できるだろう。

X1D、X1DII、907X、X2Dは、X H Lens Adapter*かXH CONVERTER 0.8*を経由して本レンズを使用でき、x1.7テレコンを使用することもできる。3種類のEXTENSION TUBES H(13mm/26mm/52mm)を使用した近接撮影も可能であり、ギャラリーに26mm延長チューブ・H26を使用した作例を載せた。

  • X H Lens Adapter*を使用した場合、焦点距離約80mm 最大絞り F2.2
  • XH CONVERTER 0.8*を使用した場合、焦点距離64mm 最大絞り F1.8
  • X H Lens Adapter*とx1.7テレコンを使用した場合、焦点距離170mm 最大絞り F3.5

オレンジドット付きを確認して購入したのでX H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*でオートフォーカス(以下、AF)が使用できることはわかっていた。購入直後にX1DIIでレンズ情報を確認すると、ファームウェアは18.0.0でシャッター回数は約8000回であった。AFを使うためにファームウェアを19.1.0にアップデートした。

AF速度は他のAF可能レンズと同程度の速度でAF合焦速度は早くはない。特に撮影場所のコントラストの違いがあまりない場所ではAFは迷う。
逆光耐性も十分あり、野外にてフード無しで使用しても困ることはほとんどない。レンズ単体重量が780gで、コンバータとカメラを足すと1.5kg程度で、HCレンズの中では軽い部類にはいる。

本レンズは重量が重い大きな前玉を動かしてフォーカスするためか、中古市場ではAFモーターが壊れたレンズを見かけるためAFモーターを酷使するのは危険で、AFはおまけ程度に考えると幸せだろう。
コントラストの違いが少ない被写体や、AFが一回で決まらないときはマニュアルフォーカス(以下、MF)に切り替えてフォーカスするのがレンズを痛めないためにもベターと考える。割り込みMFを多用するとレンズモーターへのストレスが大きいかは不明であるが、MF割り込みがはいったときに、レンズモーターとフォーカスリングのクラッチを瞬時に切るなどの動作がはいっていればいいが、そうでない場合はモーターに悪影響があると考えられる。

幸いMF使用はフォーカスリングは幅広で使いやすい。
フォーカスリングを回すと無限を超えたところで、ざらざらした感触がするのは気になるが、無限を超えたと目安と思っている。
また、ボディをX2Dに変更してからAFの迷いが減ったと感じる。駆動モーターと焦点調整レンズの重さから合焦速度はそれほど上がらないが、合焦精度が向上するのはうれしい。

明るいレンズでXH CONVERTER 0.8*を使用した場合はさらに明るくなることもあり、積極的にオレンジドットのついたシャッター速度1/2000の新型レンズを選択する価値はある。

*リンク先はrakutenのMapcamera

HC100 +X2D

<仕様>

項目備考
焦点距離(mm)100
最大絞り2.2
最小絞り32
レンズ構成5群6枚ガウス型
最短撮影距離(m)0.9
レンズ長(mm)80.5
レンズ最大径(mm)87.5
フィルター径(mm)77
重量(g)780
HC 100mm レンズ仕様書(英語)

アクセサリー互換性

  • Converter H 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できる。
  • Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる。
  • HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できる。
  • イメージサークルは中判フィルムサイズまでカバーする。

AF対応について

HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカス(以下、AF)を駆動させるためには、レンズファームウェア領域が拡張された18.0.0以降のレンズが必要である。17.0.0以前のレンズに18.0.0以降のファーウウェアを適用しても書き込み領域が足りないため変更できない。

レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり100%AFに対応している。

しかし、オレンジドットのないレンズでも、AF対応可能なものはあり、レンズシリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズについてはファームウェア領域が拡張されているレンズが多くAFに対応できる可能性が高い。

シリアルナンバーがSから始まるレンズは2000年代に製造されたレンズで、オレンジドットのないファームウェア17.0.0以前のレンズとなる。

上記にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。

ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。

FUJINONレンズについて

HCレンズはフジフィルムブランド・SUPER EBC FUJINONのものがあり、HASSELBLAD HCカメラで使用できるが、最高シャッタースピードが1/800のレンズしかなく、最新の最高シャッタースピード1/2000と比べると表現の幅が狭まる。また、レンズファームウェアが古いため、XCDマウントカメラ・X1D、X1DII、907X、X2Dにおいてオートフォーカス(以下、AF)を利用するために必要なHCレンズ・ファームウェア19.1.0を適用することができない。

そのため2種類のマウントアダプター、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*を経由してXCDマウントカメラに装着してもAFは使用できない。

*リンク先はrakutenのMapcamera

フジフィルムブランドのHCレンズは、ハッセルブラッドの修理サポート対象外で、フジフィルムによる修理対応も終わっているため故障時はどうすることもできない。フジフィルムブランドのHレンズは格安で売られているが購入時はそのことを意識する必要がある。

ハッセルブラッドブランドのHCレンズであれば、古いレンズでもハッセルブラッドにて、有償だが修理対応してもらえる。

HCレンズは富士フイルム製造なので、X1D、X1DII、907X、X2Dと同じセンサーサイズの富士フイルムGFXシリーズもマウントアダプター(H MOUNT ADAPTER G)を用意している。こちらはMF(マニュアルフォーカス)専用となるが、カメラ側のメカシャッターだけでなく、レンズシャッターも使用できる。

参考リンク

更新履歴

  • 2024.03.22:改稿
  • 2022.03.03:初稿

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