HASSELBLAD HC 3.5-4.5 / 50-110
HASSELBLAD HC 3.5-4.5 / 50-110をX2D、X1D、X1DII(907Xにも適用可能と考える)で使用した記録

目次
<ギャラリー>
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<レンズの印象>
HC/HCDレンズとしては最後に購入したレンズで、中古だがシャッター回数1254回の並品であった。
レンズはオレンジドットのない旧型レンズで、レンズシャッターの最高速度は1/800、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*でAF(オートフォーカス)が使用できないファームウェア(10.0.0)であることを確認して購入した。
レンズ径は100mmm、とても威圧感のあるレンズで初めて見る人は戸惑いを感じるようだ。
フォーカスリング、ズームリングともに必要十分な幅があるため、マニュアルフォーカスでもスムーズに焦点距離の変更ができ、EVFで見た際のピントの山はつかみやすくピント合わせも問題は無い。
HCD35-90を使っている経験から、ズームレンジだけに集中できるAFは便利なのはわかっているがなくてもなんとかなるものだ。
ずんぐりとした外観から想像できるように、ガラスの塊という感じでずっしりと重い。
写りはズームレンズとは思えない歪みのなさが素晴らしく、レンズとは径の大きさがものを言うということを体現していると思える。焦点距離を2倍とズーム倍率を抑えたこともあり、描写は単焦点に引けを取らないというのも正しいと感じる。
重いのさえ我慢できれば、50/80/100mmと三本分をまかなえるのは非常に便利だ。
最大絞り値も50mmはF3.5で単焦点と同じ、110mmはF4.5と比較的明るい。
所有の個体はシャッターは1/800の旧型だが、低めの抑えたシャッター音が心地よい。
X1DIIとXH CONVERTER 0.8*の組み合わせでのみ、ときどきレンズ認識エラーが発生するが、エラーを無視して撮影できるため、そのまま使用している。そのうちハッセルブラッドジャパンに意見を聞きに行こうと思う。
XH CONVERTER 0.8*を使用しても周辺がけられることはなく、中判フィルムサイズの十分なイメージサークルを持っている。
レンズ保管時は長時間横置きすると、レンズの芯がずれてしまうとのことで、レンズ先端を上にして保管することが公式から勧められている。中古品の場合、どのような使い方をされたかわからないため、ズームリング、ピントリングの動作を確認し動作が渋いモノは避けた方が良いと考えられる。
X H Lens Adapter*かXH CONVERTER 0.8*の使用で約32mm〜88mmまでカバーする、古めの標準ズームの焦点距離をカバーしている。
使っていると、このレンズは焦点距離的に非常に便利で稼働率が高いためAFが欲しくなっている。AFが使える個体が見つければリプレースしたい。シャッター速度は1/800で問題は感じない。

<レンズの仕様>
HC 3.5-4.5 / 50-110はHASSELBLAD Hシリーズカメラ用の焦点距離50mmから110mmをカバーする2倍ズームレンズ。
2つの回転リングの内、レンズ前方がピント調整リングで、後方がズームリングである。
ズーム時、焦点距離調整でレンズ長さは変化する。
同じズームレンズであるHCD 35-90mmはトレンドのインナーフォーカスを採用している。
レンズ単体重量が1.65kgで、HC 300mmに次ぐ重さのレンズになる。
HCレンズシリーズなのでセンサーサイズ、53.7 x 40.2mmをカバーする。
オレンジドットのついたレンズは最高速度1/2000のレンズシャッターを備え、無印のレンズは1/800のレンズシャッターを備える。
X1D/X1DIIでは、X H Lens Adapter*かXH CONVERTER 0.8*を経由してHCレンズを使用できる。
- X H Lens Adapter*を使用した場合、焦点距離40mm 〜 88mmになる。
- XH CONVERTER 0.8*を使用した場合、焦点距離32mm 〜 70mmになる。
*リンク先はrakutenのMapcamera
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 50〜 110 | |
最大絞り | 3.5(4.5) | |
最小絞り | 32 | |
レンズ構成 | 9群14枚 | |
最短撮影距離(m) | 0.7 | |
レンズ長(mm) | 152 | ズーミング、フォーカシングでレンズ長は変わる |
レンズ最大径(mm) | 103 | |
フィルター径(mm) | 95 | |
重量(g) | 1650 |

<アクセサリー互換性>
- Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる。
- Converter 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できない。
- HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できない。
- イメージサークルは中判フィルム(41.5 x 56mm)をカバーする。
<AF対応について>
HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してX1D,X1DII,907Xに装着しAF(オートフォーカス)を駆動させるためには、レンズファームウェアの領域が拡張された18.0.0以降のレンズが必要である。17.0.0以前のレンズに18.0.0以降のファーウウェアを適用しても領域が足りないため変更できない。
レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり100%AFに対応している。
オレンジドットのないレンズでも、AF対応可能なものはあり、レンズシリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズ(シリアルナンバーがSから始まるレンズは2000年代に製造されたレンズ)についてはファームウェア領域が拡張されているレンズが多くAFに対応できる可能性が高い。しかし、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のファームウェアを確認するのが最も確実である。
古いシリアルナンバーでも修理時にユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。
<FUJINONレンズについて>
HCレンズにはFUJIフィルムブランド(SUPER EBC FUJINON)のものがあり、HASSELBLAD HCカメラで使用できるが、シャッターユニットが1/800時代のものしかなく(こちらは致命的ではない)、レンズファームウェアが古いため(こちらが致命的)、XCDマウントカメラ(X1D,X1DII,907X)でAF(オートフォーカス)を利用するために必要なファームウェア(HCレンズファームウェア19.1)を導入することができない。
そのためマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してXCDマウントカメラ(X1D,X1DII,907X)装着してもAFは使用できない。
*リンク先はrakutenのMapcamera
また、FUJINONブランドのHCレンズは、HASSELBLADの修理サポート対象外でFUJIフィルムによる修理サポートも終わっているため、故障時に対応することができない。HASSELBLADブランドのHCレンズは古くてもHASSELBLAD社にて修理対応してもらえる。
FUJIブランドのHCレンズは格安で売られているが、購入時は注意が必要である。
HCレンズは富士フイルム製造なので、X1D,X1DII,907Xと同じセンサーサイズの富士フイルムGFXシリーズもマウントアダプター(H MOUNT ADAPTER G)を用意している。こちらはMF(マニュアルフォーカス)専用となるが、カメラ側のメカシャッターだけでなく、レンズシャッターも使用できる。
<参考リンク>