Hシリーズ広角 HASSELBLAD HCD28mm

ハッセルブラッド HCD 28mm F4のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
写真作例の撮影は以下のとおり。
- HASSELBLAD X2D-100C +XH-adapter
- HASSELBLAD X2D-100C +XH-Converter0.8
- HASSELBLAD X1DII-50C +XH-adapter
- HASSELBLAD X1DII-50C +XH-Converter0.8
レビュー


1.概要
ハッセルブラッド HCD 28 F4はハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の広角焦点レンズ。
HCDレンズシリーズなのでセンサーサイズは48 x 36mmサイズ以下のセンサーに最適化されており、645版フィルムやより大きなサイズの53.7 x 40.2mmセンサーで使用するとレンズのイメージサークルが足りず画面の周辺部にケラレが発生する。
オレンジドットのついたレンズは最高速度1/2000のレンズシャッターを備えており、無印のレンズは1/800のレンズシャッターを備えている。
ハッセルブラッド XシリーズのX1D(4116 edtion)、X1DII、X2D、X907などでは、マウントアダプターのXH AdapterかXH CONVERTER 0.8を経由して本レンズを使用できる。
使用するマウントアダプターによって35mm判換算の焦点距離は異なり以下のとおりとなる。
- XH Adapterを使用した場合、焦点距離22mm
- XH CONVERTER 0.8を使用した場合、焦点距離18mm
XH CONVERTER 0.8で撮影する際はレンズのイメージサークルが足りず画面の周辺部にケラレが発生するのは、645フィルム、中判デジタルでは大きめのセンサーとなる53.7 x 40.2mmセンサーと同じである。
この撮影結果は専用の撮影現像ソフトウェア Phocusで処理をすると、自動で周辺部がクロップ(トリミング)される。もちろん、クロップ前のフルサイズイメージは保存されており、 Phocusの画像メニューから【クロップ解除】を選択すると周辺部を含めた画像を扱うことができる。
本レンズはLEICA S シリーズでHC/HCDレンズを使用するライカ純正マウントアダプターS-Adapter Hに対応した最広角レンズだ。LEICA S シリーズで使用すると35mm判換算・焦点距離22mm相当のレンズとなる。
より広角なHCD 24mmはライカ純正マウントアダプターS-Adapter Hに未対応のレンズだ。
フジフィルムのGFXシリーズは、 FUJIFILM純正のH MOUNT ADAPTER Gを使うと、レンズシャッターとマニュアルフォーカスでHシリーズ レンズを使用することができる。
○アクセサリー互換性のまとめ
- 延長チューブ(H13、H26、H13+H26)は使用できる。しかし、H52は使用できない。
- あおり撮影をおこうHTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERを使用できる。
- ライカ純正マウントアダプターS-Adapter Hを使用してLEICA S シリーズカメラで使用できる。
- FUJIFILM純正のH MOUNT ADAPTER Gに対応する。
- <NG>
- Converter 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できない。
- レンズのイメージサークルは645判フィルム(41.5 x 56mm)をカバーしない。
2.使用感
ハッセルブラッド HCD 28 F4は、Hシリーズカメラ用レンズで、中古で購入したがカメラに装着してシャッター回数を確認すると約7000回であった。
X1DII、X2Dで使用したときのオートフォーカス(以下、AF)の合焦速度はHC、HCDレンズとしては標準的な速度で、AF動作のくせをつかむと思い通りの位置で合焦させることができる。
HCD 28mmはHCD 24mmで代替可能かとも思っていたが、HCD 28mmは開放F値がF4とHCD 24mmの開放F値が4.8なので半段ほど明るく、HCD 28mmは近接撮影用の延長チューブが利用でき、HCD 28mmはHCD 24mmよりはレンズ設計に無理が少ないためか、補正無しで素性の良い画像が得られる。
確実に広く撮りたいときは24mm、撮影場所に余裕があるときは28mmと使い分けている。
最短撮影距離が全域で35cmで必要十分な近接撮影能力で、さらに近接したいときは延長チューブも使用可能だ。
レンズには立派なフードが付属しているが、普段の使用ではフードをしなくても逆光耐性が十分であることから装着することは少ない。
レンズ単体重量が850gであり、同カテゴリーの広角レンズ、HC 3.5/35mmと比較するとレンズ長で22mm小さく、重量は125g軽いため、持ち運び撮影時の取り回しはとても良い。
HCD 28mmは2023年にハッセルブラッド のXCD 28mm F4Pを購入したため出番が減っているが、所有するレンズの中でLEICA S Typ007で使用可能なもっとも広角なレンズであるためそちらで使用することが多い。
3.まとめ
結論としてハッセルブラッド HCD 28 F4をまとめると、ハッセルブラッド Hシリーズレンズの中ではコンパクトだが、HASSELBLAD Xシリーズに装着するレンズとしては大きい。
Xシリーズで使用するなら、XCD 28mm F4Pがコンパクトで取り回しが良い。
HCD 28mmのアドバンテージはライカ純正マウントアダプターS-Adapter Hを使用してLEICA S シリーズで使用可能なことである。
○オートフォーカス対応について
HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(XH Adapter、XH CONVERTER 0.8)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカスを動作させるには、レンズファームウェア19.1.0が必要である。レンズファームウェア19.1.0を適用するためには条件があり、ファームウェア18.0.0以降のレンズが必要である。古いファームウェアの17.0.0以前のレンズはファームウェア19.1.0を適用することができない。
Xシリーズカメラにおける、オートフォーカス対応状況をまとめると以下の通りである。
- オレンジドット レンズ
- レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり、ファームウェア19.1.0に更新することによりオートフォーカスが動作する。
- HC120、HC120-IIはハッセルブラッド社の制限により、ファームウェア 19.1.0でもAFは動作しない。
- 非オレンジドット レンズ
- AF可能なレンズ
- レンズファームウェア18.0.0以降の場合、ファームウェア19.1.0に更新してAFが動作する。
- 非オレンジドットレンズは、シリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズの一部レンズがレンズファームウェア18.0.0以降となっている。
- AF不可能なレンズ
- レンズファームウェア17.0.0以前のレンズ
- シリアルナンバーがSから始まるレンズ(2000年~2009年に製造)
- フジノンブランドのレンズ
- AF可能なレンズ
上述にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。
ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。
○FUJINONブランドンのレンズについて
- HCD 28mmレンズは、フジノンブランドを市場で見たことが無いのでおそらく存在しない。
仕様・比較


項目 | HCD 28 | HCD 24 |
焦点距離(mm) | 28.9 | 24.3 |
最大絞り | 4 | 4.8 |
最小絞り | 32 | 32 |
レンズ構成 | ? | ? |
絞り羽根 | 9群12枚 | 11群14枚 |
最短撮影距離(m) | 0.35 | 0.38 |
レンズ長(mm) | 102 | 99 |
レンズ最大径(mm) | 100 | 100 |
フィルター径(mm) | 95 | 95 |
重量(kg) | 850 | 810 |
フード | 専用バヨネットフード | 専用バヨネットフード |
マウント | HASSELBLAD-H | HASSELBLAD-H |

参考情報
更新履歴
- 2025.6.8
- 2024.8.28
- 2024.03.22:改稿
- 2022.04.04:初稿
広告
- HASSELBLAD HCD28mm・Ads by Rakuten
- ハッセルブラッド・Ads by Amazon
- ハッセルブラッド・書籍・Ads by Amazon
- XH Adapter・Ads by Amazon
- XH CONVERTER 0.8・Ads by Amazon
- Leica マウントアダプター SアダプターH ハッセルブラッドHレンズ/ライカSボディ・Ads by Rakuten
- FUJIFILM H MOUNT ADAPTER G・Ads by Rakuten
- アルカスイス クイックプレート ハッセルブラッド用・Ads by Rakuten
- XH Adapter・Ads by Rakuten
- XH CONVERTER 0.8・Ads by Rakuten
コメントを残す