HASSELBLAD XCD 21mm F4
17mm相当・単焦点中判デジタル最広角レンズ
HASSELBLAD XCD 21mm F4のレビューと写真サンプル
目次
ギャラリー
レビュー
1.使用感
XCD 21mm F4はハッセルブラッド Xシリーズで採用されているXマウントレンズ群の中で最も広角なレンズ。
XCDレンズとしては2本目に導入したレンズで、カメラシステムに広角レンズは外せないとの思いから、新品をそれなりの価格で購入した。明るさもF4と高ISO感度が実用的なXシリーズには十分な明るさ、Phocusを使うと各種補正もよくされ減光や歪みなどはなく、癖のないぼけと立体感のある広角画像を得ることができる。17mm相当の画角をこの大きさで実現しているのはとても好ましい。逆光耐性もまずまずでフードを装着しなくても描写に大きな破綻はない。
オートフォーカス(AF)の合焦速度は体感上XCD 45と同等で、フォーカス精度はカメラ側に依存するところも大きいがX1D、X1DIIで使った限り不満はなかった。AFの駆動音、シャッター音はXCD 45よりも小さく野外で使う分にはほぼ無音である。
HC24mm +XH-Converter0.8(35mm版換算焦点距離は24*0.8*0.8=16mm相当)を手に入れてしまったので、XCD 21mmは売却してしまったが、XCDだけで運用する場合は広角レンジをカバーする必須のレンズだろう。
2.レンズ概要
XCD 21mm F4はXシリーズカメラで使用すると、約17mmの広角レンズとなる。
レンズにはフォーカスリングしかない潔い仕様で、高価なラインのXCDレンズのようにVマークもなくシンプルな外観だ。
価格は新品価格が2019年のリリース時は44万円程度で、他のXCDレンズと同じ1/2000レンズシャッターを搭載している。中判センサー対応の広角レンズとしてはコンパクトで、重量は600gだが体積の割に軽いため重くは感じない。
このレンズは44x33mmのデジタルセンサーで使うことを前提としており、レンズ自身の歪みは-3%程度とそれなりに像は歪む。しかし、その歪みや周辺光量不足などの問題はPhocusで現像するときに補正される。純正の専用パラメーターを使った補正なので上手に補正されている。
3.近スペックレンズとの比較と考察
同じ中判デジタルセンサーを搭載する、富士フイルムのGFXシリーズは、焦点距離21mmのレンズはズームレンズに含まれており、単焦点レンズは23mmからラインナップされている。
XCD 21mmも実焦点距離は四捨五入すると22mmなので、富士フイルムとほとんど違いはないと言える。
富士フイルムのレンズは所有していないのでなんとも言えないが、スペックだけを比べるとズーム20-35mmは万能だ。23mmのリリースが2017年で、20-35ズームのリリースが2021年なので、2021年以前は23mmしか選択肢がなかったが、20-35ズームリリース以降に23mmを選択するのは、よほど単焦点にこだわりのある人だろう、事実23mmの中古価格は低空飛行をしており、大手カメラ店における買い取り価格に関しては悲惨の一言である。富士フイルムの技術で焦点距離18mm(35mm判換算焦点距離14mm)のレンズがリリースされるとGFXシリーズに興味がわきそうだ。23mmのお安い中古を見たとき若干心が動いたが、ボディもないためさすがに買わなかった。
仕様・比較
項目 | XCD 21mm | GF23mmF4 | GF20-35 |
焦点距離(mm) | 21.8 | 23 | 20-35 |
35mm版換算焦点距離 | 17 | 18 | 16-28 |
最大絞り | 4 | 4 | 4 |
最小絞り | 32 | 32 | 22 |
絞り羽根 | 8 | 9 | 9 |
レンズ構成 | 9群13枚 非球面レンズ2枚 | 12群15枚 非球面レンズ:2枚 スーパーEDレンズ:1枚 EDレンズ:3枚 | 10群14枚 非球面レンズ3枚 ED非球面レンズ1枚 EDレンズ3枚 |
最短撮影距離(m) | 0.35 | 0.38 | 0.35(全域) |
レンズ長(mm) | 101 | 103 | 112.5 |
レンズ最大径(mm) | 83 | 89 | 89 |
フィルター径(mm) | 77 | 82 | 82 |
重量(g) | 600 | 845 | 725 |
発売日 | 2018.05 | 2017.06.22 | 2021.9.29 |
価格(税別) | オープン (参考価格433,000円) | 339,500円 | 367,000円 |
<参考リンク>
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.9.1
- 2024.02.18:改稿
- 2022.06.28:初稿
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