小センサー&高倍率ズーム LEICA C typ112

LEICA C typ112 コンパクトデジタルカメラのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
レビュー

1.カメラ概要
ライカ C typ112は2013年にリリースされた、コンパクトデジタルカメラ。
- センサーサイズは1/1.7インチ
- センサー画素数は1210万画素
- 撮影範囲は広く焦点距離28mmから200mmをカバーする。
- 撮影距離はマクロ時、広角側3cm~∞、望遠側0.8m〜∞
- 20万ドット EVF搭載
- 背面は92万ドット3インチ液晶
2.使用感
ライカ C typ112は先代にあたるコンパクトデジタルカメラ CシリーズのC-LUX3から5年ぶりのリリースとなる。
コンパクトデジタルカメラで、薄型ボディに望遠撮影の焦点距離を含める2010年代のコンパクトデジタルカメラのトレンドにのったカメラだ。
手持ち撮影のテレ端の200mmは、ISO感度を上げても手ぶれ補正を頼っても、解像感の薄い甘い画像しか得られなかったので、テレ側は100mm程度までしか使わなくなった。
三脚に固定すればそれなりの画像を得られるかもしれないが、このカメラに求めるのはコンパクトさを生かしたスナップ撮影であり、手持ちでそれなりの画像を得られなければ、その焦点距離は使うに値しない。
ライカ Cの28mm〜100mmが実用焦点距離とすると、先代C-LUX3の広角側焦点距離24mmの方が風景をメインとする一般的な撮影に関しては有効だ。
このサイズのカメラにEVFを搭載しているのは、望遠時の撮影安定性、他社との差別化という意味でも評価できるが、いかんせんサイズとコストの問題から、2000年代のEVFと同じ20万ドットと低画素の物が搭載されている。
そのため、撮影においてピント位置、色再現性などの確認は難しく、撮影範囲、構図の確認にしか使えない。背面液晶の解像度が92万ドットとそれなりに高精細なため、EVFと表示品質に差がありすぎるのは残念だ。
1/1.7と従来のC-LUXよりは大きなセンサーだが、1インチクラスのセンサーと比較すると小さいため、画質は2013年当時のコンパクトデジタルカメラの標準的なもので、晴天下ではまずまずの画質となるが、、暗所にてISO感度を上げると小サイズセンサー特有のノイズが浮いてくる。
レンズも広角側は歪みがめだち、とくにパナソニックRWL形式のRAW記録では、それが顕著にわかる。Jpeg記録で補正を前提での撮影をメインにするカメラだ。
3.付加情報
ライカ C typ112はパナソニックのOEMで元カメラはLUMIX DMC-LF1。
両者の違いは外観デザインでカメラトップの形状が異なる。
ライカ Cはカメラ中央でL字の段差をつけEVFの盛り上がりをボディ全体でコーディネイトしており、オリジナルのカメラデザインから最小限の変更でライカらしさを演出した完成度が高いデザインだ。
元となるパナソニック LF1はボディ上部ラインはフラットだが、操作ダイヤ、ボタンとEVFが軍艦部より突起として出っ張るデザインで全体ではまとまりを欠く。
以前のパナソニックのデザインと比べると、ボディ前面には無駄な凹凸がなく、すっきりとしたスタイリッシュなカメラと言える。
ライカ版とパナソニック版の違いはカラーバリエーションと外観形状で、ライカ Cは鮮やかなゴールドと渋めのダークレッドをまとっている。パナソニック LF1は黒単色で少々面白みにかけるカラーリングだ。
ライカ版とパナソニック版ではカメラの性能は同等で、ソフトウェア上の細かな変更はあるかもしれないが、それを認識するのは難しい。
このカメラは、ライカコンパクトデジタルカメラの中で、2025年現在、1インチセンサー以下の小センサーを積んでいる最新のモデルだ。
OEM提携をしているパナソニックは、2022年にLUMIX TZ95D、2025年にLUMIX TZ99と小センサーで高倍率ズームの発売を続けている。それを元にしたカメラは今のところ発売予定はないようだ。
ライカがコンパクトデジタルカメラを無視しているかと言えば、そうではなく、2024年にD-LUX7をマイナーチェンジした、D-LUX8を販売している。これはカメラ自身の仕様はD-LUX7とほぼ同じだが、操作系のブラッシュアップなどをおこない外装は新造しているようだ。ライカは高級コンパクトカメラには一定の需要があると考えており、今後もリリースが期待される。
仕様・カメラ比較
項目 | LEICA C | DMC-LF1 |
カメラ有効画素数 | 12.1-Megapixels | 12.1-Megapixels |
レンズ | LEICA DC VARIO-SUMMICRON f=6~42.8mm 35mm判換算:28~200mm | LEICA DC VARIO-SUMMICRON f=6~42.8mm 35mm判換算:28~200mm |
撮像素子 | 1/1.7型 MOSセンサー | 1/1.7型 MOSセンサー |
ファインダー | カラー液晶ビューファインダー 0.2型 20万ドット相当 | カラー液晶ビューファインダー 0.2型 20万ドット相当 |
背面液晶 | 3.0型 | 3.0型 |
記録媒体 | SDXCカード 容量対応上限は記載なし | SDXCカード 容量対応上限は記載なし |
内蔵メモリー | 約87MB 20枚程度撮影可能 | 約87MB 20枚程度撮影可能 |
バッテリー | BP-DC14 | DMW-BCN10 |
外形寸法 幅 x 高さ x 奥行 | 102.5 × 62.1 × 27.9(mm) | 102.5 × 62.1 × 27.9(mm) |
重量(g) (本体のみ) | 173 | 173 |
リリース年 | 2013.10.19 | 2013.6.20 |
販売価格(当初・税抜き) | Open 直営店価格 8万6,100円 | Open 当初実売4万円弱 |
オプション
- ツイスト (カメラケース) for Leica C(18784)
- スナップ (フロントキャップ) for Leica C(18786)
- クラッチバッグ(18788)
参考リンク
- デジカメウォッチ・LEICA C製品紹介
- デジカメウォッチ「EVF内蔵コンパクト「ライカC」が10月19日に発売」
- DCM-LF1製品紹介・パナソニック公式
- デジカメウォッチ・DCM-LF1記事
- C-LUX1・Shige’s hobby
- C-LUX2・Shige’s hobby
- C-LUX3・Shige’s hobby
- LEICA C・Shige’s hobby
- C-LUX・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.3.17
- 2024.8.21
- 2024.04.05
- 2023.07.04 初稿
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